3 / 10
一話完結
これは感謝の手紙ではありません。
しおりを挟む
先輩は覚えていますか?
僕たちが入部してきたこと、そして教える立場になったこと。
貴方たちは、行き当たりばったりでも丁寧に教えてくれました。
一つ一つ、僕は新しいことをたくさん教わりました。覚えることが多くありました。
わからなくなっても、何度も丁寧に細かく正確に教えてくれました。
いつしか、校舎内ですれ違う時も目があえば挨拶してくれました。嬉しかったです。
僕は当時、付き合ってる人がいました。でも、遠距離で意思疎通も少ししかできていませんでした。
だから、先輩が笑うたび、先輩と話しすたびに。僕は先輩を意識してしまいました。
先輩は男で、僕も男です。なぜでしょうか。頭から離れなくなりました。僕には彼女がいたのに。
初めてです。こんな気持ちになったのは、先輩だからでしょうか。僕は、何度も思いました。
僕には彼女がいる、好きなんだと。まるで呪文のように、何度も何度も…。
部活動にも慣れ、もうすぐ新年を迎えます。もちろん部活もお休みです。
家で家族と年を明けました。友達にメールを送りました。
無意識だったのでしょう、先輩にも送ろうとしていました。
無意識って怖いですね。ごめんなさい。想ってしまって、ごめんなさい。
気持ち悪いですよね。忘れますから、僕には…彼女がいますから。何度もそう思っていたんですが。
今年の春、僕らは先輩になりました。去年の先輩たちのようになりました。
教えることに躓き、また覚えることが増えました。部活も新体制になって大変でした。
一年生が入部して、練習場所や内容が混乱したりしました。その分、先輩にも迷惑を掛けました。
でも先輩は、惜しみなく嫌な顔せず助けてくれました。ぶつかった時もありました。
先輩たちは、いつも私たちのことを考えてくれました。受験期で忙しいのに、心から感謝しています。
先輩の温かさに、頼れる姿に、強く憧れました。それだけじゃありません。
先輩のように後輩に伝えました。自分たちが持っている技術を知恵を、惜しみなく。
去年、先輩方が僕たちに伝えてくれたことを。後輩に伝えていきました。
全部先輩たちのおかげです。感謝してもしきれません。
でも、多く僕の記憶に残ったのは貴方です。
貴方が笑ってくれた。話しかけてくれた。ふがいない僕を叱ってくれた。
イラつかせたり、怒らせたり、言葉が通じない時もありました。恥ずかしい部分を見られました。
でも、笑ってくれるなら。また、声をかけてくれるなら。それでもいいです。先輩が覚えてくれるなら。
今年の四月、僕は彼女と別れました。
理由は自然消滅寸前だったからです。はっきりさせるために伝えました。
それから、また先輩を意識していました。諦めたはずなんですがね、ごめんなさい。
先輩はLGBTQに偏見がありません。二次元での話をしましたね。女子の先輩も混ざって。
楽しかったです。…でも、現実はそうはいきません。先輩、僕は…貴方に恋をしてしまいました。
伝えたいけど、怖い。先輩と話せなくなるのが、もう一緒に笑えなくなるのが怖いです。
どうすればいいんですか。こんな気持ち早く終わりにしたいです。でも、嫌われたくないです。
わがままでごめんなさい。こんな後輩でごめんなさい。好きになってごめんなさい。
けれど、どうしても伝えたいんです。もう、抑えられないんです。先輩、覚悟してください。
僕も覚悟を決めました。先輩が引退するときに、告白します。
夢野 庵 より
後輩から手紙をもらった。その内容は衝撃的で、読み終わったとき言葉が出なかった。
でも、痛いほどに伝わってきた。だから、逃げてはいけない。ちゃんと、俺も伝えないといけない。
えぇ、覚悟しますよ。可愛い後輩が、俺のために覚悟してくれたのだから。
どんな結果になろうと、これからも笑いあえますように。俺たちは仲間ですから。
部活の帰り道。途中まで一緒でしたね、でも今日は彼らとは帰りません。
聞かせてください。あなたの告白を、ちゃんと受け止めてあげます。
庵君、好きになってくれてありがとう。
なぜでしょうね。そうゆう時に限って、周りの音が遠く聞こえます。
泣かないでください。俺も泣けてきました。彼が息を整え、俺をまっすぐ見つめました。
「先輩……」
僕たちが入部してきたこと、そして教える立場になったこと。
貴方たちは、行き当たりばったりでも丁寧に教えてくれました。
一つ一つ、僕は新しいことをたくさん教わりました。覚えることが多くありました。
わからなくなっても、何度も丁寧に細かく正確に教えてくれました。
いつしか、校舎内ですれ違う時も目があえば挨拶してくれました。嬉しかったです。
僕は当時、付き合ってる人がいました。でも、遠距離で意思疎通も少ししかできていませんでした。
だから、先輩が笑うたび、先輩と話しすたびに。僕は先輩を意識してしまいました。
先輩は男で、僕も男です。なぜでしょうか。頭から離れなくなりました。僕には彼女がいたのに。
初めてです。こんな気持ちになったのは、先輩だからでしょうか。僕は、何度も思いました。
僕には彼女がいる、好きなんだと。まるで呪文のように、何度も何度も…。
部活動にも慣れ、もうすぐ新年を迎えます。もちろん部活もお休みです。
家で家族と年を明けました。友達にメールを送りました。
無意識だったのでしょう、先輩にも送ろうとしていました。
無意識って怖いですね。ごめんなさい。想ってしまって、ごめんなさい。
気持ち悪いですよね。忘れますから、僕には…彼女がいますから。何度もそう思っていたんですが。
今年の春、僕らは先輩になりました。去年の先輩たちのようになりました。
教えることに躓き、また覚えることが増えました。部活も新体制になって大変でした。
一年生が入部して、練習場所や内容が混乱したりしました。その分、先輩にも迷惑を掛けました。
でも先輩は、惜しみなく嫌な顔せず助けてくれました。ぶつかった時もありました。
先輩たちは、いつも私たちのことを考えてくれました。受験期で忙しいのに、心から感謝しています。
先輩の温かさに、頼れる姿に、強く憧れました。それだけじゃありません。
先輩のように後輩に伝えました。自分たちが持っている技術を知恵を、惜しみなく。
去年、先輩方が僕たちに伝えてくれたことを。後輩に伝えていきました。
全部先輩たちのおかげです。感謝してもしきれません。
でも、多く僕の記憶に残ったのは貴方です。
貴方が笑ってくれた。話しかけてくれた。ふがいない僕を叱ってくれた。
イラつかせたり、怒らせたり、言葉が通じない時もありました。恥ずかしい部分を見られました。
でも、笑ってくれるなら。また、声をかけてくれるなら。それでもいいです。先輩が覚えてくれるなら。
今年の四月、僕は彼女と別れました。
理由は自然消滅寸前だったからです。はっきりさせるために伝えました。
それから、また先輩を意識していました。諦めたはずなんですがね、ごめんなさい。
先輩はLGBTQに偏見がありません。二次元での話をしましたね。女子の先輩も混ざって。
楽しかったです。…でも、現実はそうはいきません。先輩、僕は…貴方に恋をしてしまいました。
伝えたいけど、怖い。先輩と話せなくなるのが、もう一緒に笑えなくなるのが怖いです。
どうすればいいんですか。こんな気持ち早く終わりにしたいです。でも、嫌われたくないです。
わがままでごめんなさい。こんな後輩でごめんなさい。好きになってごめんなさい。
けれど、どうしても伝えたいんです。もう、抑えられないんです。先輩、覚悟してください。
僕も覚悟を決めました。先輩が引退するときに、告白します。
夢野 庵 より
後輩から手紙をもらった。その内容は衝撃的で、読み終わったとき言葉が出なかった。
でも、痛いほどに伝わってきた。だから、逃げてはいけない。ちゃんと、俺も伝えないといけない。
えぇ、覚悟しますよ。可愛い後輩が、俺のために覚悟してくれたのだから。
どんな結果になろうと、これからも笑いあえますように。俺たちは仲間ですから。
部活の帰り道。途中まで一緒でしたね、でも今日は彼らとは帰りません。
聞かせてください。あなたの告白を、ちゃんと受け止めてあげます。
庵君、好きになってくれてありがとう。
なぜでしょうね。そうゆう時に限って、周りの音が遠く聞こえます。
泣かないでください。俺も泣けてきました。彼が息を整え、俺をまっすぐ見つめました。
「先輩……」
0
あなたにおすすめの小説
黄色い水仙を君に贈る
えんがわ
BL
──────────
「ねぇ、別れよっか……俺たち……。」
「ああ、そうだな」
「っ……ばいばい……」
俺は……ただっ……
「うわああああああああ!」
君に愛して欲しかっただけなのに……
仲良くなったと思った相手は、どうやら友達なんて作りたくないらしい
たけむら
BL
仲良くなった相手は、どうやら友達なんて要らないっぽい
石見陽葵には、大学に入ってから知り合った友人・壬生奏明がいる。少し冷たそうな第一印象から周りの学生に遠巻きにされている奏明に、とある提案をしてみると、衝撃的な一言が返ってきて…?
邪神の祭壇へ無垢な筋肉を生贄として捧ぐ
零
BL
鍛えられた肉体、高潔な魂――
それは選ばれし“供物”の条件。
山奥の男子校「平坂学園」で、新任教師・高尾雄一は静かに歪み始める。
見えない視線、執着する生徒、触れられる肉体。
誇り高き男は、何に屈し、何に縋るのか。
心と肉体が削がれていく“儀式”が、いま始まる。
息の仕方を教えてよ。
15
BL
コポコポ、コポコポ。
海の中から空を見上げる。
ああ、やっと終わるんだと思っていた。
人間は酸素がないと生きていけないのに、どうしてか僕はこの海の中にいる方が苦しくない。
そうか、もしかしたら僕は人魚だったのかもしれない。
いや、人魚なんて大それたものではなくただの魚?
そんなことを沈みながら考えていた。
そしてそのまま目を閉じる。
次に目が覚めた時、そこはふわふわのベッドの上だった。
話自体は書き終えています。
12日まで一日一話短いですが更新されます。
ぎゅっと詰め込んでしまったので駆け足です。
『定時後の偶然が多すぎる』
こさ
BL
定時後に残業をするたび、
なぜか必ず同じ上司が、同じフロアに残っている。
仕事ができて、無口で、社内でも一目置かれている存在。
必要以上に踏み込まず、距離を保つ人――
それが、彼の上司だった。
ただの偶然。
そう思っていたはずなのに、
声をかけられる回数が増え、
視線が重なる時間が長くなっていく。
「無理はするな」
それだけの言葉に、胸がざわつく理由を、
彼自身はまだ知らない。
これは、
気づかないふりをする上司と、
勘違いだと思い込もうとする部下が、
少しずつ“偶然”を積み重ねていく話。
静かで、逃げ場のない溺愛が、
定時後から始まる。
可哀想は可愛い
綿毛ぽぽ
BL
平民、ビビり、陰キャなセシリオは王立魔術学園へ入学を機に高校デビューを目指したが敢え無く失敗し不良のパシリをさせられる毎日。
同室者の男にも呆れられ絶望するセシリオに天使のような男が現れるが、彼もかなりイカれた野郎のようで……?セシリオは理想の平和な学園生活を送る事が出来るだろうか。また激重感情を抱えた男から逃げられるだろうか。
「むむむ無理無理!助けて!」
━━━━━━━━━━━
ろくな男はいません。
世界観がごちゃごちゃです。余り深く考えずに暖かい目で読んで頂けたら、と思います。
表紙はくま様からお借りしました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる