孤灯の英雄

群青(@ultamarine0821)

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序章

狐の灯火

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人類、獣人、妖精、精霊、魔族、そして魔神。
世界は大きく五つの所属、八つの勢力に分かれていた。

力と叡智の象徴、獣人の国である『ガストロボ帝国』

三柱の属性「炎、水、風」を司る妖精の国『アルル』

陰と陽の無属性妖精が治める国『イルマの港国』

精霊界全てを牛耳る神秘と幻想の国『ミススバル神国』

魔王ベルゼブブ筆頭の大魔帝国『マエステリア帝国』

大魔族ギルが治める悪魔の国『大魔ギル王国』

唯一の強者、魔神が統治する国、『ギャルバ皇国』

そして叡智と奇跡の人類、または最弱の国『ヤマト国』

これらの国は、互いに互いを睨み合い、世界は均衡と安定を保っていたのだ。
──魔神が暴走するまでは。

魔神は、その強大な魔力と暴力を世界に撒き散らした。

ギャルバ皇国ももちろん、ギャルバ皇国に隣接していたヤマト国は壊滅。
魔神を止めようと他国は努力したが、虚しくその災害とも呼べる強大な力には、歯が立たなかった。

世界の半分が、魔神によって破壊されるのは、時間の問題だった。

『魔王ベルゼブブ』、『大悪魔ギル』、ガストロボ帝国の王『大賢者ガ・ポーレヌス』、全ての妖精を象徴する『聖アルル妖精王』、『精霊王ミススバル』、そして『勇者ミリムバース』が協力し、魔神を封印しようともする。

しかし、その大厄災の前には全くもって無意味。
六人は地に倒れる。

世界はこのまま破滅へ向かうだろうと、六人合わせ全ての弱者がそう絶望した、その時──

魔神の魔力で、曇天だった空が──割れる

そして、語られる。

汝ら、全ては意のままに──と。

「何故『弱者』は『強者』に勝てぬとそう絶望かす?

魔神やつは強者?

貴殿おぬしらは弱者?

否。

皆、願ったであろう?生存を。
皆、祈ったであろう?平和を。
諦めなかったろう?隣人の笑顔を守るために。
最後まで、その叡智と武力を、異種族という名の壁を越え、最大限尽くしたのじゃろう?

では、強靭な意志を持つ者さいきょうは誰じゃ。

ここで阿呆あほうみたいに駄々捏ねてる魔神?

そんな理不尽な答えは、我が許さん。

お主らこそ──世界の頂点故

ここに我、魔神に正義の鉄槌を降す──」

空が黄金こがね色に染まる。
強大な、だが透き通るような魔力が世界を包む。
全ての者は安らぎ。
全ての怪我人は完治し。
全ての死者は弔われ。

全ての弱者は──
あれを『神』と崇め。

魔神は消し飛び。

世界に、平和が戻ったのであった。

魔神を倒したその『神』は、
巫女服を身に纏い。
九つの尻尾を揺らし。
煌びやかな狐色をした耳が夕日に照らされ、まさに『神』であった。
そして、倒れている六人の驚愕した表情を見て、微笑みながらこう言った──




「新たな時代の幕開けじゃ!」






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