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第二部
復讐の理由 ⑫
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田島はマリコと呼ばれた女の家を出てすぐに道路脇で嘔吐した。中年女性が何事かと訝しんだ目を向けてきたが、そんな冷めた視線など今は何とも思わなかった。
嘔吐が落ち着くと、田島は妹のショルダーバッグを手にヨロヨロと歩きはじめた。どうやら雨が少し降ったようで、道路がいくらか濡れていた。足を前に踏み出すたびに、蹴られた腹部に痛みが走った。内臓が損傷しているのではないかと思うほどの痛みだ。この場に座って少し休みたかったが、できるだけあの家から離れておきたかったため、我慢して歩き続けることにした。
田島は家路に着くのを恐れた。妹と顔を合わせるのが怖かった。とりあえずの解決策として、今日は家に電話を入れて遅くなる旨を伝え、家族が寝静まってから帰ることに決めた。これで、今夜だけは妹と顔を合わせなくて済むはずだ。あとは、鼻に負った傷の言い訳も考えておく必要があった。
ふらふらと少しずつ歩を進める中、田島は妹の中に入ったときのことをふいに思い出し、自分の思いとは裏腹に勃起した。激しい羞恥心に襲われる。頭を強く振って脳内の映像をふり払おうとするが、イメージは鮮明になるばかりで発狂しそうになる。再び吐き気に襲われ、民家の塀の脇で嘔吐した。そのおかげで、忌まわしい映像がいくらか鳴りをひそめてくれた。
今日の出来事をなかったことにして兄妹の関係を続けることなどとうてい不可能だろう。今日で妹との関係が終わりを告げたことを認めざるを得なかった。
「ヤマモト……。ハヤシ……。タカギ……。マリコ……」
あの部屋で呼ばれていた者たちの名前が自然と口から漏れる。だが今は、彼らのことを考えている余裕はなかった。このまま消えてしまいたいという強烈な願望の他は、今は何も感じられなかったからだ。
◈
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嘔吐が落ち着くと、田島は妹のショルダーバッグを手にヨロヨロと歩きはじめた。どうやら雨が少し降ったようで、道路がいくらか濡れていた。足を前に踏み出すたびに、蹴られた腹部に痛みが走った。内臓が損傷しているのではないかと思うほどの痛みだ。この場に座って少し休みたかったが、できるだけあの家から離れておきたかったため、我慢して歩き続けることにした。
田島は家路に着くのを恐れた。妹と顔を合わせるのが怖かった。とりあえずの解決策として、今日は家に電話を入れて遅くなる旨を伝え、家族が寝静まってから帰ることに決めた。これで、今夜だけは妹と顔を合わせなくて済むはずだ。あとは、鼻に負った傷の言い訳も考えておく必要があった。
ふらふらと少しずつ歩を進める中、田島は妹の中に入ったときのことをふいに思い出し、自分の思いとは裏腹に勃起した。激しい羞恥心に襲われる。頭を強く振って脳内の映像をふり払おうとするが、イメージは鮮明になるばかりで発狂しそうになる。再び吐き気に襲われ、民家の塀の脇で嘔吐した。そのおかげで、忌まわしい映像がいくらか鳴りをひそめてくれた。
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あの部屋で呼ばれていた者たちの名前が自然と口から漏れる。だが今は、彼らのことを考えている余裕はなかった。このまま消えてしまいたいという強烈な願望の他は、今は何も感じられなかったからだ。
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