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第2章
第16話 王女のブローチ
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「燕のブローチ、せっかくあなたにもらったのに。譲れって、弟に。母上が……そう言うから。弟に、あげてしまった……」
ライラは、顔を隠すように俯く。
「今日、つけたかった。本当は。でも、シエルがとても喜んだから、言えなくて」
プロクスはライラを抱き寄せる。
「ごめんなさい、プロクス。我慢したけど、できなかった」
「謝ることはない。大丈夫だよ、ライラ。よく我慢した」
ライラは、プロクスの胸で静かに泣く。誰かに抱きしめられるのも久しぶりだった。
「さぁ、ライラ。そろそろ時間だ。君にはこれを」
プロクスは胸のスズランのブローチを外すと、ライラのドレスに付けた。
「母上から子どもの時に贈られたものだ。守護の祈りが込められている。また私が君に美しい鳥を贈るから、それまで預かっておいてくれ」
ライラはぼんやりしていたが、ややあってそのブローチにそっと触れた。
「……ありがとう、大切なものなのに……。困らせて、ごめんなさい」
プロクスはライラの鼻をちょんとつつくと、乱れた髪を撫でた。
プロクスは、壁に立っていたウェールスに合図する。ウェールスは口元に笑みを作ると、侍女を部屋に招いた。心配そうな顔をした侍女が、すぐさま部屋に飛び込んでくる。
プロクスとウェールスは部屋を出た。準備ができるまで、二人は中庭で待つことにした。
「燕のブローチ、せっかくあなたにもらったのに。譲れって、弟に。母上が……そう言うから。弟に、あげてしまった……」
ライラは、顔を隠すように俯く。
「今日、つけたかった。本当は。でも、シエルがとても喜んだから、言えなくて」
プロクスはライラを抱き寄せる。
「ごめんなさい、プロクス。我慢したけど、できなかった」
「謝ることはない。大丈夫だよ、ライラ。よく我慢した」
ライラは、プロクスの胸で静かに泣く。誰かに抱きしめられるのも久しぶりだった。
「さぁ、ライラ。そろそろ時間だ。君にはこれを」
プロクスは胸のスズランのブローチを外すと、ライラのドレスに付けた。
「母上から子どもの時に贈られたものだ。守護の祈りが込められている。また私が君に美しい鳥を贈るから、それまで預かっておいてくれ」
ライラはぼんやりしていたが、ややあってそのブローチにそっと触れた。
「……ありがとう、大切なものなのに……。困らせて、ごめんなさい」
プロクスはライラの鼻をちょんとつつくと、乱れた髪を撫でた。
プロクスは、壁に立っていたウェールスに合図する。ウェールスは口元に笑みを作ると、侍女を部屋に招いた。心配そうな顔をした侍女が、すぐさま部屋に飛び込んでくる。
プロクスとウェールスは部屋を出た。準備ができるまで中庭で待つことにした。
春の庭は穏やかで、王の誕生日が晴れで良かった、とプロクスは思った。
「……久しぶりに爆発しました」
ウェールスは小さく呟いた。
「よくここまで我慢している」
プロクスはまだ十三歳の娘が心配で仕方がない。他の子ども同様甘やかしたいが、彼女は将来サンクトランティッド帝国の宗主となる。国の安寧を守るために祈りを捧げ、前線に立つ可能性もある。時に厳しく接してきたが、彼女の泣き顔を見ると胸が苦しくなる。
「そうですね。私が十三の時とは大違いだ」
「君はとても気が短かったね。すぐケンカするし」
あぁ……とウェールスは照れたように笑ったが、ふと真顔になってプロクスを見た。
「こんなところでお話するのも申し訳ないですが、王に申し上げたことは真ですか?王が私におっしゃいました。退官後、あなたが国を出て行くと」
プロクスは、ベール越しにウェールスを見つめた。
「あぁ、そうだよ」
こともなげに答えたプロクスに、ウェールスは肩を落とした。
「……どこへ?」
「海の向こうへ」
「子どもの頃、不死身の者たちが旅だったという楽園があると聞いたことがありますが……サーティス=ヘッドを散歩するあなたのことだ。魔窟も飽きられたということですか。生きたまま、向こうへ行くなど――不可能に近いのに」
ウェールスは、ため息をついた。
この国の人々の魂は、死後空を渡る帚星のごとく、天を駆け上っていく。魂には魔力があり、約束された地へ行くのだとされていた。
海を行く船はあるが、それは沿岸のみ。大陸を囲む海の周囲には壁があり、遙か向こうには異界があるとされ、人が生きたまま行ける場所ではない。
自らの肉体を保ったまま海を渡る者は、体中に精霊紋と呼ばれる複雑で美しい紋様を持つ精霊人のみだった。
精霊人は、他の人々と違って死ぬとその魂は大地に還り、風や植物、土になるとされている。
伝説に残る精霊族は精霊人の祖だが、今のサーティス=ヘッドと呼ばれる魔界で起きた大規模な災害が原因で滅んだ。
生き残った精霊人は最初こそ崇められたが、その力を恐れられ時には迫害され、捕らわれ奴隷とされ、その紋様の美しさを愛でられて狩りの対象となった。
精霊人であるとしても、多くの者がそれを隠す。時には大地の精霊に愛でられ、突然変異により生まれる場合もあった。
ウェールスは、静かにプロクスを見つめる。
騎士王の魔力の高さを彼は知っている。精霊人は常人とは桁違いの魔力を有し、再生能力も高く、不老不死だと彼は聞いていた。
(――閣下は精霊人だろうか)
そのような噂を聞き、ウェールス自身もそれをずっと疑ってきたが、それを口にはしない。
それを抜きにしても、騎士王の存在は彼にとって大きかった。
「あなたを失うことに、耐えられそうにない。私だけでなく、王女やジークも」
プロクスはその言葉に、小さく笑う。
「上がいないのは楽だぞ。好き勝手できる」
「十分、今でも自由にさせていただいております。あなたのおかげだ」
「まだ三年ある。ライラの戴冠までは居座らせてもらう予定だ。勝手に殺すなよ」
「それは失礼いたしました」
おどけて笑うウェールスの肩を、プロクスは「こら」とばかりに小さくこづく。
「ところで、団長の君がなんでここにいるんだ?指揮はどうした」
「もう一人の副団長アイビスに任せております。……話は戻りますが、さっきあなたの部屋の中で私の話をしていませんでしたか?」
「あぁ。君の暗殺計画を立てていたんだ」
ウェールスはプロクスを二度見した。
「だが、君がここにいるとなると、目標はアイビスに変えた方が良いのかな。彼女もなかなかの遣り手だ」
プロクスは、男にも勝る長身で立派な体躯のアイビスを思い出す。
「やめてください。貴重な人材を奪わないでいただきたい」
頭が痛いと、ウェールスは左手で額を押さえている。
「まぁ、これは冗談だが。あの二人がどんな攻略法を出すか楽しみだ」
「賭けますか?攻略法を見つけるかどうか」
「良いだろう。見つけるに賭ける。まぁ、無理だろうが……勝ったら君の妻の刺繍入りハンカチを一枚」
ふむ、とウェールスは顎を撫でる。
「妻の刺繍が随分評判なようだ。なら、私が勝ったらあなたの部屋に飾られているガーガリオンの槍をください」
ガーガリオンの槍とは、三つの頭を持つ蛇を射止めたという槍だ。英雄アトラスが精霊王から得たという槍の話は、昔からこの国で語られる英雄譚の一つとして愛されている。
実際にその槍は存在していて、今はプロクスのロバグッズと共に部屋の片隅に置かれていた。
「君は子どもの時からあれを欲しがるなぁ。さすがこの国一の槍遣いだ。引退するから別に構わんが」
プロクスは幼い頃のウェールスを思い出してくすくす笑う。
父親に連れられプロクスの元に訪れたウェールスは、部屋にある武器に興味津々であっちこっち引っかき回しては父親に怒られていた。
「約束ですよ」
堂々と国宝と妻の刺繍入りハンカチを同格だと言ったも同然の近衛騎士団長は、不敵な笑みを浮かべた。
✧ ✧ ✧
ライラは十三歳だが、すでに堂々とした立ち居振る舞いを身につけ、凜と背筋を伸ばして歩く。目線の遣り方、頷き方一つにしても、幼い頃よりプロクスにより指導を受けてきた。
その様子を見ると、まだ子どもだと侮っていた貴族も沈黙し、彼女に敬意を払い、頭を下げた。
ライラの眼差しは力強い。王の証である【夜】の目を見た者は、その美しさに息をのみ、或いはため息をついた。
【夜】は正統なる王家の血を引く者でも、魔力が非常に高く、優れた者のみが有する。ライラはすでに目の力を掌握しており、白目にその色が染み出すことなく、瞳にその色を収めている。
彼女は玉座にいる王と王妃に優雅に一礼した。
今日の王は、仮面を被り、痩せた体をゆったりとした服で隠している。普段寝付いているとは思えないほどしっかりと背筋を伸ばし玉座に座る。その隣では、美しい王妃がライラを微笑んで見下ろしている。
ライラは、両親に挨拶をし、次いで誕生日の祝いの口上を述べる。その高らかな声はよく響いた。
宰相が進み出て、宴の始まりの合図をする。
音楽が賑やかに鳴り始めた。次から次へと王に対する祝辞を述べる者は続いた。
ライラは、顔を隠すように俯く。
「今日、つけたかった。本当は。でも、シエルがとても喜んだから、言えなくて」
プロクスはライラを抱き寄せる。
「ごめんなさい、プロクス。我慢したけど、できなかった」
「謝ることはない。大丈夫だよ、ライラ。よく我慢した」
ライラは、プロクスの胸で静かに泣く。誰かに抱きしめられるのも久しぶりだった。
「さぁ、ライラ。そろそろ時間だ。君にはこれを」
プロクスは胸のスズランのブローチを外すと、ライラのドレスに付けた。
「母上から子どもの時に贈られたものだ。守護の祈りが込められている。また私が君に美しい鳥を贈るから、それまで預かっておいてくれ」
ライラはぼんやりしていたが、ややあってそのブローチにそっと触れた。
「……ありがとう、大切なものなのに……。困らせて、ごめんなさい」
プロクスはライラの鼻をちょんとつつくと、乱れた髪を撫でた。
プロクスは、壁に立っていたウェールスに合図する。ウェールスは口元に笑みを作ると、侍女を部屋に招いた。心配そうな顔をした侍女が、すぐさま部屋に飛び込んでくる。
プロクスとウェールスは部屋を出た。準備ができるまで、二人は中庭で待つことにした。
「燕のブローチ、せっかくあなたにもらったのに。譲れって、弟に。母上が……そう言うから。弟に、あげてしまった……」
ライラは、顔を隠すように俯く。
「今日、つけたかった。本当は。でも、シエルがとても喜んだから、言えなくて」
プロクスはライラを抱き寄せる。
「ごめんなさい、プロクス。我慢したけど、できなかった」
「謝ることはない。大丈夫だよ、ライラ。よく我慢した」
ライラは、プロクスの胸で静かに泣く。誰かに抱きしめられるのも久しぶりだった。
「さぁ、ライラ。そろそろ時間だ。君にはこれを」
プロクスは胸のスズランのブローチを外すと、ライラのドレスに付けた。
「母上から子どもの時に贈られたものだ。守護の祈りが込められている。また私が君に美しい鳥を贈るから、それまで預かっておいてくれ」
ライラはぼんやりしていたが、ややあってそのブローチにそっと触れた。
「……ありがとう、大切なものなのに……。困らせて、ごめんなさい」
プロクスはライラの鼻をちょんとつつくと、乱れた髪を撫でた。
プロクスは、壁に立っていたウェールスに合図する。ウェールスは口元に笑みを作ると、侍女を部屋に招いた。心配そうな顔をした侍女が、すぐさま部屋に飛び込んでくる。
プロクスとウェールスは部屋を出た。準備ができるまで中庭で待つことにした。
春の庭は穏やかで、王の誕生日が晴れで良かった、とプロクスは思った。
「……久しぶりに爆発しました」
ウェールスは小さく呟いた。
「よくここまで我慢している」
プロクスはまだ十三歳の娘が心配で仕方がない。他の子ども同様甘やかしたいが、彼女は将来サンクトランティッド帝国の宗主となる。国の安寧を守るために祈りを捧げ、前線に立つ可能性もある。時に厳しく接してきたが、彼女の泣き顔を見ると胸が苦しくなる。
「そうですね。私が十三の時とは大違いだ」
「君はとても気が短かったね。すぐケンカするし」
あぁ……とウェールスは照れたように笑ったが、ふと真顔になってプロクスを見た。
「こんなところでお話するのも申し訳ないですが、王に申し上げたことは真ですか?王が私におっしゃいました。退官後、あなたが国を出て行くと」
プロクスは、ベール越しにウェールスを見つめた。
「あぁ、そうだよ」
こともなげに答えたプロクスに、ウェールスは肩を落とした。
「……どこへ?」
「海の向こうへ」
「子どもの頃、不死身の者たちが旅だったという楽園があると聞いたことがありますが……サーティス=ヘッドを散歩するあなたのことだ。魔窟も飽きられたということですか。生きたまま、向こうへ行くなど――不可能に近いのに」
ウェールスは、ため息をついた。
この国の人々の魂は、死後空を渡る帚星のごとく、天を駆け上っていく。魂には魔力があり、約束された地へ行くのだとされていた。
海を行く船はあるが、それは沿岸のみ。大陸を囲む海の周囲には壁があり、遙か向こうには異界があるとされ、人が生きたまま行ける場所ではない。
自らの肉体を保ったまま海を渡る者は、体中に精霊紋と呼ばれる複雑で美しい紋様を持つ精霊人のみだった。
精霊人は、他の人々と違って死ぬとその魂は大地に還り、風や植物、土になるとされている。
伝説に残る精霊族は精霊人の祖だが、今のサーティス=ヘッドと呼ばれる魔界で起きた大規模な災害が原因で滅んだ。
生き残った精霊人は最初こそ崇められたが、その力を恐れられ時には迫害され、捕らわれ奴隷とされ、その紋様の美しさを愛でられて狩りの対象となった。
精霊人であるとしても、多くの者がそれを隠す。時には大地の精霊に愛でられ、突然変異により生まれる場合もあった。
ウェールスは、静かにプロクスを見つめる。
騎士王の魔力の高さを彼は知っている。精霊人は常人とは桁違いの魔力を有し、再生能力も高く、不老不死だと彼は聞いていた。
(――閣下は精霊人だろうか)
そのような噂を聞き、ウェールス自身もそれをずっと疑ってきたが、それを口にはしない。
それを抜きにしても、騎士王の存在は彼にとって大きかった。
「あなたを失うことに、耐えられそうにない。私だけでなく、王女やジークも」
プロクスはその言葉に、小さく笑う。
「上がいないのは楽だぞ。好き勝手できる」
「十分、今でも自由にさせていただいております。あなたのおかげだ」
「まだ三年ある。ライラの戴冠までは居座らせてもらう予定だ。勝手に殺すなよ」
「それは失礼いたしました」
おどけて笑うウェールスの肩を、プロクスは「こら」とばかりに小さくこづく。
「ところで、団長の君がなんでここにいるんだ?指揮はどうした」
「もう一人の副団長アイビスに任せております。……話は戻りますが、さっきあなたの部屋の中で私の話をしていませんでしたか?」
「あぁ。君の暗殺計画を立てていたんだ」
ウェールスはプロクスを二度見した。
「だが、君がここにいるとなると、目標はアイビスに変えた方が良いのかな。彼女もなかなかの遣り手だ」
プロクスは、男にも勝る長身で立派な体躯のアイビスを思い出す。
「やめてください。貴重な人材を奪わないでいただきたい」
頭が痛いと、ウェールスは左手で額を押さえている。
「まぁ、これは冗談だが。あの二人がどんな攻略法を出すか楽しみだ」
「賭けますか?攻略法を見つけるかどうか」
「良いだろう。見つけるに賭ける。まぁ、無理だろうが……勝ったら君の妻の刺繍入りハンカチを一枚」
ふむ、とウェールスは顎を撫でる。
「妻の刺繍が随分評判なようだ。なら、私が勝ったらあなたの部屋に飾られているガーガリオンの槍をください」
ガーガリオンの槍とは、三つの頭を持つ蛇を射止めたという槍だ。英雄アトラスが精霊王から得たという槍の話は、昔からこの国で語られる英雄譚の一つとして愛されている。
実際にその槍は存在していて、今はプロクスのロバグッズと共に部屋の片隅に置かれていた。
「君は子どもの時からあれを欲しがるなぁ。さすがこの国一の槍遣いだ。引退するから別に構わんが」
プロクスは幼い頃のウェールスを思い出してくすくす笑う。
父親に連れられプロクスの元に訪れたウェールスは、部屋にある武器に興味津々であっちこっち引っかき回しては父親に怒られていた。
「約束ですよ」
堂々と国宝と妻の刺繍入りハンカチを同格だと言ったも同然の近衛騎士団長は、不敵な笑みを浮かべた。
✧ ✧ ✧
ライラは十三歳だが、すでに堂々とした立ち居振る舞いを身につけ、凜と背筋を伸ばして歩く。目線の遣り方、頷き方一つにしても、幼い頃よりプロクスにより指導を受けてきた。
その様子を見ると、まだ子どもだと侮っていた貴族も沈黙し、彼女に敬意を払い、頭を下げた。
ライラの眼差しは力強い。王の証である【夜】の目を見た者は、その美しさに息をのみ、或いはため息をついた。
【夜】は正統なる王家の血を引く者でも、魔力が非常に高く、優れた者のみが有する。ライラはすでに目の力を掌握しており、白目にその色が染み出すことなく、瞳にその色を収めている。
彼女は玉座にいる王と王妃に優雅に一礼した。
今日の王は、仮面を被り、痩せた体をゆったりとした服で隠している。普段寝付いているとは思えないほどしっかりと背筋を伸ばし玉座に座る。その隣では、美しい王妃がライラを微笑んで見下ろしている。
ライラは、両親に挨拶をし、次いで誕生日の祝いの口上を述べる。その高らかな声はよく響いた。
宰相が進み出て、宴の始まりの合図をする。
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