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第十ニ話
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「それで相談なんだけど」
「何だ」
「ここを出たら帝都に向かうんだ」
「帝都にか?」
「そう。帝王と光王に浄化の報告をするんだ」
「光王にもか?」
「ほら、追放中だからさ、人目を忍んで会うんだよ。年に一度の会談という訳」
「帝都なら俺の店もあるからな。養生するのもいいだろう」
「あ、犀形屋だよね。いつも逸品の品揃えが良くて買い物が楽しいよ」
「それは感謝する。その髪飾りもうちの品だな」
立厦は目を見張った
「よく知ってるね」
「店に出す品は全て目を通しているからな」
「へぇ、さすが店主だね。このさ髪飾りの細工が気に入ってるんだ。色違いで幾つか欲しいんだけど」
「了解した。細工屋に発注しよう」
「よろしくー」
立厦は嬉しそうにてを叩いて、姿を消した
まったく来た時も帰る時も突然だ
光界に帰って光王とやらに報告に行ったか
月詠とは正反対の性格だ
自由で楽しむことになれている
友人というには少し疑問があるなと思った
一人になった冷は、右手を前に突き出した
シュッと手先で払うとその空間が揺らいだ
開いた空間に手を入れて紙と筆記用具を取り出した
卓に置き、さらに別の空間を開けると冊子を取り出す
見出しに「髪飾り」と書かれた一冊を残して、開いたままの空間に戻した
冊子の中から注文を受けた髪飾りを探し出し紙に書き留める
手紙として折り目をつけて畳んだ
立ち上がると、人の気配が無いのを確認して今度は指先で扉を描く
描かれた線が青白く光ると、冷は手で押して扉を開け中に入って行った
一週間が経った
それだけ術力を消耗したのだ
やっと完全に人間の姿を保てるまで回復した
「帝都に行きます」
「まだ療養した方がいいんじゃないか?」
「待ち合わせの日時もありますから」
そう言って馬車を購入した
来た時と同じ貨車だ
冷は分厚い布団を買い求めて来て貨車に敷いた
そこに月詠を寝かせて、自分は御者台に座った
月詠は何も言わない
元気そうに見えてもまだ体力が回復していないのだ
時折苦しそうに体を丸めていた
「何だ」
「ここを出たら帝都に向かうんだ」
「帝都にか?」
「そう。帝王と光王に浄化の報告をするんだ」
「光王にもか?」
「ほら、追放中だからさ、人目を忍んで会うんだよ。年に一度の会談という訳」
「帝都なら俺の店もあるからな。養生するのもいいだろう」
「あ、犀形屋だよね。いつも逸品の品揃えが良くて買い物が楽しいよ」
「それは感謝する。その髪飾りもうちの品だな」
立厦は目を見張った
「よく知ってるね」
「店に出す品は全て目を通しているからな」
「へぇ、さすが店主だね。このさ髪飾りの細工が気に入ってるんだ。色違いで幾つか欲しいんだけど」
「了解した。細工屋に発注しよう」
「よろしくー」
立厦は嬉しそうにてを叩いて、姿を消した
まったく来た時も帰る時も突然だ
光界に帰って光王とやらに報告に行ったか
月詠とは正反対の性格だ
自由で楽しむことになれている
友人というには少し疑問があるなと思った
一人になった冷は、右手を前に突き出した
シュッと手先で払うとその空間が揺らいだ
開いた空間に手を入れて紙と筆記用具を取り出した
卓に置き、さらに別の空間を開けると冊子を取り出す
見出しに「髪飾り」と書かれた一冊を残して、開いたままの空間に戻した
冊子の中から注文を受けた髪飾りを探し出し紙に書き留める
手紙として折り目をつけて畳んだ
立ち上がると、人の気配が無いのを確認して今度は指先で扉を描く
描かれた線が青白く光ると、冷は手で押して扉を開け中に入って行った
一週間が経った
それだけ術力を消耗したのだ
やっと完全に人間の姿を保てるまで回復した
「帝都に行きます」
「まだ療養した方がいいんじゃないか?」
「待ち合わせの日時もありますから」
そう言って馬車を購入した
来た時と同じ貨車だ
冷は分厚い布団を買い求めて来て貨車に敷いた
そこに月詠を寝かせて、自分は御者台に座った
月詠は何も言わない
元気そうに見えてもまだ体力が回復していないのだ
時折苦しそうに体を丸めていた
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