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すずん

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出会い

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 今日、あいつが死んだ

~中学生~
 あいつに初めて会ったのは小学5年生の時だ。地域の小学校陸上大会で、学校代表としてリレー大会に参加した私にあいつは話しかけてきた。
 悪ぶった感じで、よくある思春期特有のカッコつけ。これがあいつの第一印象。

 「お前、サッカーしてるんだ。チームどこ?」

 驚くほど、馴れ馴れしい。

 「〇〇FCだよ。」

 苦手なタイプのやつだから、軽くあしらって返しておいた。

 「まじ!おれ○○FCやねん。」

 いや聞いてない。フレンドリーなあいつと人見知りの私。
 最初の出会いは最悪な出会いだった。

 



 時は流れて、中学生。サッカーを続けるつもりで部活見学、体験を行っていた私。
 すると、大きな声でうるさいやつがいた。
 「〇△:hpl。;。;l@」
 うるさい上に何を言ってるか分からない。誰だよ。少しイライラして声のする方に目を向ける。

 あいつだ。忘れもしない2年前。一目で苦手なタイプだと判断した。あいつがここにいる。
 私の中学校は2つの小学校の生徒からなる中学校。
 そう。あいつは近くのもう1つの小学校だったのだ。

 最悪の展開だ。なぜあいつと同じで、しかもチームメイトに、、、
 まあでもしょうがない。必要最低限に関わっていこう。

 こいつのことはまだ苦手だ。




 いざ、サッカー部に入部。練習当日を迎えた。
 「あ。ソックス忘れた。誰か予備もってねえ?」

 こいつの発した1言に反応してしまった。私は予備のソックスを持っていたのである。
 まあ、苦手なタイプなだけでソックスくらい貸してやらんこともない。サッカーができないのは同じサッカー選手としてかわいそうだ。

 「俺ので良ければ、貸すよ」

 「まじ、ありがとう。」

 小学5年生以来の会話だ。無論、こいつは馬鹿だから私のことは覚えていない。
 まあ、そりゃそうだろう。会話したと言っても10分程度だったから。
 でも、10分程度で苦手な奴と判断されたこいつもなかなかのやつである。

 「洗って返すね」 その言葉だけ残して、彼はソックスを返さず、1週間過ぎた。




 ある日、小学校からサッカーを一緒にやっている友人と遊びに出かけることになった。
 待ち合わせ場所に行くと思いよらぬ、出来事があった。

 こいつなんでここにいるんだよ、、、

 そう、友達が誘っていたのだ。

 「よう!ソックスありがとな。」

 綺麗に洗われたソックスが返ってきた。2週間以上は経っていたと思う。
 まあ、返してくれたのはそれで良いのだが、なかなかのいい加減ぶりだ。
 2週間に一回しか洗濯しない家庭があるのか?
 やはり、こいつは苦手だ。




 「孝雄、今日何時にゲーセン集合する?」

 「おう、18時とかで良くね?」

 急に出てきた少年 孝雄。読者の方々は誰だよってなるかもしれない。
 まあ察している方もいるだろう嫌いだったこいつだ。
 なぜだか、友人たちと遊んでいる中で孝雄とは次第に距離が縮まっていった。

 いい加減・馬鹿・だらしない・クソ悪口をかき集めたような奴だか面白い。
 なぜか、関わっていくうちに魅了されていった。
 このころには、毎日孝雄と一緒にいた。
 人間不思議なものだ。あんなに嫌っていたのに、今では一番仲のいいやつになった。
 実は私たちは同じ高校に進学することになる。これはまだ先の話である。

 ここから、私と孝雄の馬鹿げた中学生物語がスタートする。
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