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16、かぼちゃのチーズケーキと彼のお家
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蒼宙くんのスキンシップが以前より甘くなった気がする。
とにかく距離が近い。
甘い雰囲気に持っていくのが特別上手だから
誘惑を退けるのが、大変だ。
10月最後の日曜日。
午後からおうちデートをしようということで
久々に神崎家に蒼宙くんが遊びに来た。
今日は両親が用事で出かけていて二人きりだ。
狙ったわけではない。
結ばれてから初めて家に招待したので、
少しだけ気まずい気持ちがあったのは確かだった。
(玄関先でピューロランドのお土産を渡した時は、すぐ帰ったし!)
「愛璃ちゃん、さっき食べたばかりなのに動いてえらいね」
妙なことをほめられた。
昨日、作ったケーキを冷蔵庫から取り出した私は、
後ろから抱きしめられて心臓を高鳴らせる。
少し背をかがめて肩に腕を回された状態。
いわゆるバックハグ。
吐息が首筋に触れると肌が熱くなる。
声が漏れるのをこらえていたが、
首筋を指先でたどられてついに吐息をもらした。
「……蒼宙くん、最近密着度が高いよね」
「かわいい君といるとそうなっちゃうんだ。
愛璃ちゃんだけにしかしたことないよ?」
耳朶にキスを落とし、彼は離れていく。
ぞくぞくとした余韻を感じ、心臓がバクバクしていた。
「慣れてないなんて嘘よね……」
「本能に抗うのをやめただけ」
独り言を聞きとがめた彼が、答えをくれた。
ホイップクリームで飾り切り終えたケーキを皿に盛り付ける。
両親の分はホイップを飾らずに冷蔵庫に入れたままにした。
二人分のコーヒーを淹れてケーキと一緒にトレイに載せる。
リビングへ運ぶと、彼が受け取りテーブルに置いてくれた。
「ありがとう。かぼちゃのケーキは秋っぽくていいね」
甘いもの好きの彼はケーキに釘付けになっている。
「主成分は水切りヨーグルトと低脂肪のホイップだから、
ヘルシーよ。かぼちゃが甘いからお砂糖も控えめ」
「僕が甘いもの大好きだから、
気をつけてくれてるんだね」
「そういうわけじゃないけど……
簡単で材料も少なかったからね!」
感心したように言われて照れくさくなる。
いただきますと手を合わせてケーキにフォークを刺した。
「美味しい……。
お菓子作り、上手だと思うよ」
「冷蔵庫に貼っているレシピを見ながら慎重に作ってるのよ。
蒼宙くんはレシピを確認しなくても作れるでしょ」
「作ったことがあるやつなら、分量も頭に入ってるけど。
初めて作るやつはレシピサイトや動画で確認するよ」
「お菓子作りの話をするって楽しい。
前はバレンタインチョコくらいしか作らなかったもの」
蒼宙くんの瞳はからかう眼差しになった。
「今年は友達用の義理チョコもらったね。
去年は誰かにあげたりした?」
「買ったやつを家族と翠ちゃんのご家族にあげたわ」
「来年はお互いに贈ろうよ。
バレンタインもホワイトデーも」
「それいい!
でもお互い手作りとか無理しないようにしよ?」
「そうだね」
ケーキを食べている時、ふいに蒼宙くんの視線を感じた。
栗色の大きな瞳が食い入るように見てくる。
(な、なんなの!?)
「ここ……」
ふいに蒼宙くんの身体が近づく。
彼は頬についたクリームをティッシュで拭いてくれた。
「あ、ありがとう。はしたないわね……」
「食事中じゃなかったらキスで拭ってあげたのに」
いたずらっぽい眼差しに撃ち抜かれた。
「いいお天気だしおでかけしない?」
このままここにいたら危険な気がする。
早口で言葉を発していた。
「その前にキッチン使わせてもらっていい?
お皿を片づけるよ」
「ありがとう」
「こちらこそごちそうさま。
ここで待っててね」
にこっと笑う姿は、前と同じようで違う。
かわいい感じのルックスだけど、
やはりかっこいい感じもある。
今日はスカートではなくデニムのジーンズを履いていた。
実は蒼宙くんとお揃いである。
「行きたい場所とかある?」
丸いフォルムの車の中で蒼宙くんが、ちらりと視線を向ける。
「テニスしない?
おじさまの所なら道具も全部そろってる」
「今日は珍しくジーンズ履いてるもんね。運動するつもりだったんだ」
「背が小さいから似合わないかな?」
「そんなことないよ。愛璃ちゃんは何を着ても似合う」
彼の長い指が頬を撫でる。
一瞬の仕草でさえ惑わせてくるから、悔しい。
「……別の所でもいいの」
「使っていいと言われてるんなら、
お邪魔しちゃってもいいんじゃない。
電話してみようか?」
「連絡先、交換してるのよね」
蒼宙くんは笑みを浮かべて電話をし始める。
こちらに聞こえるようにハンズフリーにしてくれた。
「おじ様、こんにちは!」
『蒼宙くん、どうしたの? もしかして遊びに来てくれる予定なのかな』
「愛璃ちゃんと一緒にテニスしたいなって。
テニスコートを使わせてもらっていいですか?」
『いいよ! そんなの勝手に使ってよー。
昨日、操子さんと一緒に掃除しといてよかった』
「ベストタイミングだったんですね。
おじ様、ご多忙なのにすごいな」
「清掃は気分転換になるしね。
操子さんもいないしおもてなしはできないけど、
ゆっくりしていけばいいよ」
「おじ様とはお会いできますか?」
『お会いできます。待ってるよ』
おどけた伯父さまの声を聞くと和む。
ここを訪れるのは今年二回目だ。
去年のハロウィンパーティーから一年が経とうとしていた。
母の兄・藤城隆の家は神崎家より大きいが、
今、ここに住んでいるのは家長である藤城隆だけだ。
近くにある総合病院を切り盛りする立派な経営者。
広々とした敷地内で、車はどこでも停められる。
ここの家族は、専用のガレージがあるが、
蒼宙くんは庭の中に停めた。
車から降りて屋敷の方へ歩いていくと、
伯父様がいらっしゃるのが見えた。
「おじ様、夏以来ですね!」
「蒼宙くん、愛璃ちゃんっ」
伯父様が広げた腕の中に蒼宙くんは飛び込んだ。
「蒼宙くんとはハグできるんだよね。本当にうれしい」
「ハグくらいもったいぶるものでもないでしょ」
「そうだよね」
伯父さまは片方の手で私の頭を撫でてくれた。
「愛璃ちゃんもハグしたい。でもやめとく!」
「怒んないですよ。二人は肉親じゃないですか」
「……伯父様、蒼宙くんはわきまえてますよ」
伯父様は、にこにこっと笑いながらとんでもないことを言った。
「私ならかろうじて許されても、それ以外なら
ジェラシーがすごそうだ」
「当然じゃないですか?」
伯父様がぽん、と肩に手を置いてきた。
「お二人さん、まずはお茶でもどうかな」
「ではごちそうになります」
屋敷の中へと案内される。
リビングのソファーに座りしばらくした所で
伯父様がお茶を持ってきてくれた。
「今年はハロウィンは平日だしあと数日だからもうなしだね。
クリスマス、どうしようかな」
「今年も開催予定なんですか?」
「身内と会える機会にちょうどいいんだよねえ」
「伯父さま、もし大丈夫なら
クリスマスパーティーしませんか?
両親にも伝えて三人で来たいと思います。
この前、私も20歳になりましたし時間的制約はないので。
何かデザートか料理も持参します!」
「そうだった! 愛璃ちゃん、20歳になったんだった!
蒼宙くんも24歳の誕生日だったよね!」
伯父様は、血相を変えた様子で立ち上がる。
蒼宙くんと顔を見合わせていると伯父様は笑顔で戻ってきた。
かわいい袋を手にしている。
「おじ様、あの……姪っ子の愛璃ちゃんはともかく
僕の分まではいいです。もう子供じゃないですし」
蒼宙くんはあっけにとられた様子だった。
顔を赤らめて目をそらしている。
「二人へのプレゼントだよ。開けてみてよ」
おじ様の笑みに引き寄せられ渡された封筒を二人で開けた。
蒼宙くんは食い入るように紙きれを見つめている。
「ありがとうございます……」
浅草にあるテーマパークのチケットだった。
「楽しんできてよ。お化け屋敷で二人の愛も
深まっちゃうと思うよ!
いや、ホテルの宿泊券とかいろいろ考えたんだけどねえ。
そんなの私の出る幕でもないし」
(この前、結ばれたし色々意識は……しないけど!)
「ここ行ったことなかったし、本当にうれしい。
いつもお気遣いいただきすみません」
「姪の愛璃ちゃんと結婚したら蒼宙くんとも親戚になるんだしさ。
気にしないの」
「楽しんできますね! お土産を買ってきます」
「かまってくれる人には尽くすよ。
プライベートで独りぼっちは悲しい。ぐすん。
あ、お土産はいいからね」
こちらに微笑みかけるおじ様の言葉に裏はなさそうだ。
「おじ様とお会いするとほっとしますね」
「嬉しいよ」
蒼宙くんは伯父さまに寄り添っている。
二人はとても仲がよいのだ。
お盆と年末年始にだけ姿を現す従兄弟に
去年ここで会えたのは奇跡だった。
あの人が蒼宙くんを連れてきていたから会えたのだ。
「僕が愛璃ちゃんと一緒に会いに来ますから!
親不孝な馬鹿息子のことは忘れちゃいましょ」
「ああ……蒼宙くん。一年で随分と変わったようで、
変わってない。君は本当にかわいいんだから」
「男性でかわいいのはずるいですよね」
「愛璃ちゃんの愛らしさとは別次元だよ。妬かないでね」
「妬いてません」
ふざけた伯父にはっきりと伝えておく。
「おじ様の淹れてくれるお茶は美味しいですね」
「操子さんの淹れるお茶の方が美味しいんだよ。
今日は会えないの残念だよね」
「操子さん、私もまたお会いしたいな」
「伝えておくよ。愛璃ちゃんは平日の大学帰りにでも
時間があったらおいで。次はクリスマスといわず!」
「はーい!」
また頭を撫でられた。
「客室は一階にもあるし二人で泊まりにおいでよー」
「か、考えておきます」
蒼宙くんは、少しためらいがちに返事をしていた。
深い意味に取らなくていいと思い、笑顔で伯父さまに答える。
「このお屋敷に泊まったのって小さいころ以来だから、
楽しみです」
「そう言ってもらえるの嬉しいよ。倉庫の鍵はこれね」
しばらく伯父さまとお茶の時間を楽しんで、屋敷の外に出た。
お茶を楽しんだ後、テニスコートに向かった。
テニスコートと、運動用の道具が収納された倉庫。
預かったカギを使い倉庫の扉を開ける。
二人分のテニスのラケットとボールを取りだして扉を閉めた。
「結婚して子供が生まれたらここでテニスできるといいな」
「楽しそう」
なんて空想を語る。
ラケットを二人で握りボールを投げ合う。
ここでテニスをするのは翠ちゃんと遊んだ時以来。
あの時は翠ちゃんの車で連れてきてもらった。
翠ちゃんは上手かったが、あの時は私が勝った。
恋人の蒼宙くんは抜群に上手い。
動きに見とれているとボールを打ち返し損ねてしまう。
「愛璃ちゃん、あくまでゲームだから
そんなに本気(マジ)にならなくていいよ。
でもボールはちゃんと見てね」
「蒼宙くんがかっこいいから……
見とれてたの!」
「……え、そうなの!?」
蒼宙くんは、さっと顔を赤らめた。
「やっぱり好きな人に言われるとくるな」
ボソッとつぶやく。
「ハートに直撃しちゃったな。
もっと頑張って素敵なところを見せたい」
蒼宙くんは軽くジャンプしてボールをラケットで打つ。
私は懸命に打ち返した。
本気にならなくていいと言った人の方が
熱くなっていた気がする。
ゲームだからどちらが勝つとか闘志を燃やさなくていいはずが、
真剣にテニスをしていた。
さわやかに汗をかいた。
「久々にいい運動したよ」
「そうね。楽しかったわ」
「今日は青空でいいお天気だし絶好のテニス日和だったね。
これからどうしようか?」
どうしようかと聞かれて一瞬考えてしまうのは、
蒼宙くんの時間は大丈夫なのかという疑問からだ。
「今日は、もう何もないよ。
愛璃ちゃんとゆっくり過ごせる」
バッグには汗をかいた時用に着替えも用意していた。
出かけて遅くなるかもと家族に伝えておいたし、
まだ家に帰らなくてもいい。
「少しドライブをして蒼宙くんのおうちに連れてって」
「実家じゃなくて僕が暮らす部屋の方だよね?」
こくりと頷く。
藤城家に戻り伯父さまにお礼を伝えると車に乗った。
車は、藤城総合病院の方を通っていく。
いつ見ても大きな建物で圧倒されるが、
ここを親戚が経営していると思えば不思議な気分にもなる。
「僕の両親もここで定期検査受けているらしい。
母は父に勧められてだけどね。
産婦人科だけじゃなくて色んな科があるから、
一度で済むのがいいらしいよ」
「……うちの両親もここで受けてるわ。
父は会社のかかりつけ医がここで、受けに来てる。
そういえば今年の春は陽兄さんの診察だったって聞いた」
「内科の先生なんだよね」
「そう。私は病院で親戚に会いたくないな。伯父さまはいいんだけど」
「……わかるよ」
「あちらはお仕事だし気にしてないと思う」
「それもわかるな」
何年後かに、私はあの場所を訪れるのかもしれない。
今は何もわからないけれど。
ドライブを楽しんで午後四時頃、蒼宙くんのマンションに着いた。
ここに来てしまったら戻れない。
「買い物に行かなくても夕食の材料はあるし問題ないよ」
「スーパー寄らなかったものね」
車から降りて差し出された手を取る。
蒼宙くんの部屋の扉が開く。
彼が後から入り鍵が閉まった。
「さっき、愛璃ちゃんの家で部屋に行きたいって言わなかったでしょ」
「……お出かけするつもりだったからじゃないの?」
「ぬいぐるみに見られながらいちゃつくのはどうかと思って」
「な、な……!?」
くすっと笑った蒼宙くんはお茶を出してくれた。
ダイニングキッチンのテーブルに座りお茶を飲む。
「時間は流れ落ちる砂のようなもの。
だからこそ大切にしなければね」
「私もそう思う」
「愛璃ちゃん、君と一緒に暮らしたいって思いは
日に日に増してる。抱いてから、
片時も離れたくない。
一日中ずっとは無理でも朝と夜くらいは一緒にいたい」
椅子の上に置いた手に手が重なる。
重ねた手のひらがかかげられる。
「重いよな。でも僕は二度と愛を失いたくないんだ」
「私だって……」
「ねえ。愛璃ちゃんは自分の生まれについて信じていることが、
全部正しいと思ってる?」
「……ど、どうして?」
「パズルのピースが上手くはまってないだけかもしれないよ」
真摯な眼差しだった。
夕陽が差し込み彼の顔に陰影ができている。
「確かめてみる。
あなたと結婚する前に真実を知らなければ」
「愛璃ちゃんは愛璃ちゃんだから関係ないよ。
気負わずにね。
ご両親は君を慈しんで育ててきたのは確かだ」
私から蒼宙くんに近づいて後ろから肩に腕を回した。
ほっそりしていても異性を感じる身体だ。
「私、誰かを傷つけるのは怖いの……。
あの二人を信じてなかったって思われるのが嫌」
「僕がいる。大丈夫」
低く落ち着いた声音だった。
艶っぽい感じではなくこちらを包み込むような。
「ご飯作る間にお風呂入ってくる?」
シリアスな空気が打ち破られる。
身体を離して向かい合う。
試すように口にした彼は蠱惑的でずるい。
「潤んだ目でにらむのは僕だけにしなよ。
そんな目で見られると勘違いするから」
「してない……」
きっと蒼宙くんが気づく程度には、
彼に強い眼差しを送っていた。
「気が強い所、もっと見せてよ」
顎を持ち上げられる。
至近距離で見る綺麗さに頬を染めた。
「そうやって私を黙らせるのずるい」
ふいっ、と背を向ける。
彼がどんな瞳でこちらの後姿を見ていたかなんて、
知ることもなかった。
とにかく距離が近い。
甘い雰囲気に持っていくのが特別上手だから
誘惑を退けるのが、大変だ。
10月最後の日曜日。
午後からおうちデートをしようということで
久々に神崎家に蒼宙くんが遊びに来た。
今日は両親が用事で出かけていて二人きりだ。
狙ったわけではない。
結ばれてから初めて家に招待したので、
少しだけ気まずい気持ちがあったのは確かだった。
(玄関先でピューロランドのお土産を渡した時は、すぐ帰ったし!)
「愛璃ちゃん、さっき食べたばかりなのに動いてえらいね」
妙なことをほめられた。
昨日、作ったケーキを冷蔵庫から取り出した私は、
後ろから抱きしめられて心臓を高鳴らせる。
少し背をかがめて肩に腕を回された状態。
いわゆるバックハグ。
吐息が首筋に触れると肌が熱くなる。
声が漏れるのをこらえていたが、
首筋を指先でたどられてついに吐息をもらした。
「……蒼宙くん、最近密着度が高いよね」
「かわいい君といるとそうなっちゃうんだ。
愛璃ちゃんだけにしかしたことないよ?」
耳朶にキスを落とし、彼は離れていく。
ぞくぞくとした余韻を感じ、心臓がバクバクしていた。
「慣れてないなんて嘘よね……」
「本能に抗うのをやめただけ」
独り言を聞きとがめた彼が、答えをくれた。
ホイップクリームで飾り切り終えたケーキを皿に盛り付ける。
両親の分はホイップを飾らずに冷蔵庫に入れたままにした。
二人分のコーヒーを淹れてケーキと一緒にトレイに載せる。
リビングへ運ぶと、彼が受け取りテーブルに置いてくれた。
「ありがとう。かぼちゃのケーキは秋っぽくていいね」
甘いもの好きの彼はケーキに釘付けになっている。
「主成分は水切りヨーグルトと低脂肪のホイップだから、
ヘルシーよ。かぼちゃが甘いからお砂糖も控えめ」
「僕が甘いもの大好きだから、
気をつけてくれてるんだね」
「そういうわけじゃないけど……
簡単で材料も少なかったからね!」
感心したように言われて照れくさくなる。
いただきますと手を合わせてケーキにフォークを刺した。
「美味しい……。
お菓子作り、上手だと思うよ」
「冷蔵庫に貼っているレシピを見ながら慎重に作ってるのよ。
蒼宙くんはレシピを確認しなくても作れるでしょ」
「作ったことがあるやつなら、分量も頭に入ってるけど。
初めて作るやつはレシピサイトや動画で確認するよ」
「お菓子作りの話をするって楽しい。
前はバレンタインチョコくらいしか作らなかったもの」
蒼宙くんの瞳はからかう眼差しになった。
「今年は友達用の義理チョコもらったね。
去年は誰かにあげたりした?」
「買ったやつを家族と翠ちゃんのご家族にあげたわ」
「来年はお互いに贈ろうよ。
バレンタインもホワイトデーも」
「それいい!
でもお互い手作りとか無理しないようにしよ?」
「そうだね」
ケーキを食べている時、ふいに蒼宙くんの視線を感じた。
栗色の大きな瞳が食い入るように見てくる。
(な、なんなの!?)
「ここ……」
ふいに蒼宙くんの身体が近づく。
彼は頬についたクリームをティッシュで拭いてくれた。
「あ、ありがとう。はしたないわね……」
「食事中じゃなかったらキスで拭ってあげたのに」
いたずらっぽい眼差しに撃ち抜かれた。
「いいお天気だしおでかけしない?」
このままここにいたら危険な気がする。
早口で言葉を発していた。
「その前にキッチン使わせてもらっていい?
お皿を片づけるよ」
「ありがとう」
「こちらこそごちそうさま。
ここで待っててね」
にこっと笑う姿は、前と同じようで違う。
かわいい感じのルックスだけど、
やはりかっこいい感じもある。
今日はスカートではなくデニムのジーンズを履いていた。
実は蒼宙くんとお揃いである。
「行きたい場所とかある?」
丸いフォルムの車の中で蒼宙くんが、ちらりと視線を向ける。
「テニスしない?
おじさまの所なら道具も全部そろってる」
「今日は珍しくジーンズ履いてるもんね。運動するつもりだったんだ」
「背が小さいから似合わないかな?」
「そんなことないよ。愛璃ちゃんは何を着ても似合う」
彼の長い指が頬を撫でる。
一瞬の仕草でさえ惑わせてくるから、悔しい。
「……別の所でもいいの」
「使っていいと言われてるんなら、
お邪魔しちゃってもいいんじゃない。
電話してみようか?」
「連絡先、交換してるのよね」
蒼宙くんは笑みを浮かべて電話をし始める。
こちらに聞こえるようにハンズフリーにしてくれた。
「おじ様、こんにちは!」
『蒼宙くん、どうしたの? もしかして遊びに来てくれる予定なのかな』
「愛璃ちゃんと一緒にテニスしたいなって。
テニスコートを使わせてもらっていいですか?」
『いいよ! そんなの勝手に使ってよー。
昨日、操子さんと一緒に掃除しといてよかった』
「ベストタイミングだったんですね。
おじ様、ご多忙なのにすごいな」
「清掃は気分転換になるしね。
操子さんもいないしおもてなしはできないけど、
ゆっくりしていけばいいよ」
「おじ様とはお会いできますか?」
『お会いできます。待ってるよ』
おどけた伯父さまの声を聞くと和む。
ここを訪れるのは今年二回目だ。
去年のハロウィンパーティーから一年が経とうとしていた。
母の兄・藤城隆の家は神崎家より大きいが、
今、ここに住んでいるのは家長である藤城隆だけだ。
近くにある総合病院を切り盛りする立派な経営者。
広々とした敷地内で、車はどこでも停められる。
ここの家族は、専用のガレージがあるが、
蒼宙くんは庭の中に停めた。
車から降りて屋敷の方へ歩いていくと、
伯父様がいらっしゃるのが見えた。
「おじ様、夏以来ですね!」
「蒼宙くん、愛璃ちゃんっ」
伯父様が広げた腕の中に蒼宙くんは飛び込んだ。
「蒼宙くんとはハグできるんだよね。本当にうれしい」
「ハグくらいもったいぶるものでもないでしょ」
「そうだよね」
伯父さまは片方の手で私の頭を撫でてくれた。
「愛璃ちゃんもハグしたい。でもやめとく!」
「怒んないですよ。二人は肉親じゃないですか」
「……伯父様、蒼宙くんはわきまえてますよ」
伯父様は、にこにこっと笑いながらとんでもないことを言った。
「私ならかろうじて許されても、それ以外なら
ジェラシーがすごそうだ」
「当然じゃないですか?」
伯父様がぽん、と肩に手を置いてきた。
「お二人さん、まずはお茶でもどうかな」
「ではごちそうになります」
屋敷の中へと案内される。
リビングのソファーに座りしばらくした所で
伯父様がお茶を持ってきてくれた。
「今年はハロウィンは平日だしあと数日だからもうなしだね。
クリスマス、どうしようかな」
「今年も開催予定なんですか?」
「身内と会える機会にちょうどいいんだよねえ」
「伯父さま、もし大丈夫なら
クリスマスパーティーしませんか?
両親にも伝えて三人で来たいと思います。
この前、私も20歳になりましたし時間的制約はないので。
何かデザートか料理も持参します!」
「そうだった! 愛璃ちゃん、20歳になったんだった!
蒼宙くんも24歳の誕生日だったよね!」
伯父様は、血相を変えた様子で立ち上がる。
蒼宙くんと顔を見合わせていると伯父様は笑顔で戻ってきた。
かわいい袋を手にしている。
「おじ様、あの……姪っ子の愛璃ちゃんはともかく
僕の分まではいいです。もう子供じゃないですし」
蒼宙くんはあっけにとられた様子だった。
顔を赤らめて目をそらしている。
「二人へのプレゼントだよ。開けてみてよ」
おじ様の笑みに引き寄せられ渡された封筒を二人で開けた。
蒼宙くんは食い入るように紙きれを見つめている。
「ありがとうございます……」
浅草にあるテーマパークのチケットだった。
「楽しんできてよ。お化け屋敷で二人の愛も
深まっちゃうと思うよ!
いや、ホテルの宿泊券とかいろいろ考えたんだけどねえ。
そんなの私の出る幕でもないし」
(この前、結ばれたし色々意識は……しないけど!)
「ここ行ったことなかったし、本当にうれしい。
いつもお気遣いいただきすみません」
「姪の愛璃ちゃんと結婚したら蒼宙くんとも親戚になるんだしさ。
気にしないの」
「楽しんできますね! お土産を買ってきます」
「かまってくれる人には尽くすよ。
プライベートで独りぼっちは悲しい。ぐすん。
あ、お土産はいいからね」
こちらに微笑みかけるおじ様の言葉に裏はなさそうだ。
「おじ様とお会いするとほっとしますね」
「嬉しいよ」
蒼宙くんは伯父さまに寄り添っている。
二人はとても仲がよいのだ。
お盆と年末年始にだけ姿を現す従兄弟に
去年ここで会えたのは奇跡だった。
あの人が蒼宙くんを連れてきていたから会えたのだ。
「僕が愛璃ちゃんと一緒に会いに来ますから!
親不孝な馬鹿息子のことは忘れちゃいましょ」
「ああ……蒼宙くん。一年で随分と変わったようで、
変わってない。君は本当にかわいいんだから」
「男性でかわいいのはずるいですよね」
「愛璃ちゃんの愛らしさとは別次元だよ。妬かないでね」
「妬いてません」
ふざけた伯父にはっきりと伝えておく。
「おじ様の淹れてくれるお茶は美味しいですね」
「操子さんの淹れるお茶の方が美味しいんだよ。
今日は会えないの残念だよね」
「操子さん、私もまたお会いしたいな」
「伝えておくよ。愛璃ちゃんは平日の大学帰りにでも
時間があったらおいで。次はクリスマスといわず!」
「はーい!」
また頭を撫でられた。
「客室は一階にもあるし二人で泊まりにおいでよー」
「か、考えておきます」
蒼宙くんは、少しためらいがちに返事をしていた。
深い意味に取らなくていいと思い、笑顔で伯父さまに答える。
「このお屋敷に泊まったのって小さいころ以来だから、
楽しみです」
「そう言ってもらえるの嬉しいよ。倉庫の鍵はこれね」
しばらく伯父さまとお茶の時間を楽しんで、屋敷の外に出た。
お茶を楽しんだ後、テニスコートに向かった。
テニスコートと、運動用の道具が収納された倉庫。
預かったカギを使い倉庫の扉を開ける。
二人分のテニスのラケットとボールを取りだして扉を閉めた。
「結婚して子供が生まれたらここでテニスできるといいな」
「楽しそう」
なんて空想を語る。
ラケットを二人で握りボールを投げ合う。
ここでテニスをするのは翠ちゃんと遊んだ時以来。
あの時は翠ちゃんの車で連れてきてもらった。
翠ちゃんは上手かったが、あの時は私が勝った。
恋人の蒼宙くんは抜群に上手い。
動きに見とれているとボールを打ち返し損ねてしまう。
「愛璃ちゃん、あくまでゲームだから
そんなに本気(マジ)にならなくていいよ。
でもボールはちゃんと見てね」
「蒼宙くんがかっこいいから……
見とれてたの!」
「……え、そうなの!?」
蒼宙くんは、さっと顔を赤らめた。
「やっぱり好きな人に言われるとくるな」
ボソッとつぶやく。
「ハートに直撃しちゃったな。
もっと頑張って素敵なところを見せたい」
蒼宙くんは軽くジャンプしてボールをラケットで打つ。
私は懸命に打ち返した。
本気にならなくていいと言った人の方が
熱くなっていた気がする。
ゲームだからどちらが勝つとか闘志を燃やさなくていいはずが、
真剣にテニスをしていた。
さわやかに汗をかいた。
「久々にいい運動したよ」
「そうね。楽しかったわ」
「今日は青空でいいお天気だし絶好のテニス日和だったね。
これからどうしようか?」
どうしようかと聞かれて一瞬考えてしまうのは、
蒼宙くんの時間は大丈夫なのかという疑問からだ。
「今日は、もう何もないよ。
愛璃ちゃんとゆっくり過ごせる」
バッグには汗をかいた時用に着替えも用意していた。
出かけて遅くなるかもと家族に伝えておいたし、
まだ家に帰らなくてもいい。
「少しドライブをして蒼宙くんのおうちに連れてって」
「実家じゃなくて僕が暮らす部屋の方だよね?」
こくりと頷く。
藤城家に戻り伯父さまにお礼を伝えると車に乗った。
車は、藤城総合病院の方を通っていく。
いつ見ても大きな建物で圧倒されるが、
ここを親戚が経営していると思えば不思議な気分にもなる。
「僕の両親もここで定期検査受けているらしい。
母は父に勧められてだけどね。
産婦人科だけじゃなくて色んな科があるから、
一度で済むのがいいらしいよ」
「……うちの両親もここで受けてるわ。
父は会社のかかりつけ医がここで、受けに来てる。
そういえば今年の春は陽兄さんの診察だったって聞いた」
「内科の先生なんだよね」
「そう。私は病院で親戚に会いたくないな。伯父さまはいいんだけど」
「……わかるよ」
「あちらはお仕事だし気にしてないと思う」
「それもわかるな」
何年後かに、私はあの場所を訪れるのかもしれない。
今は何もわからないけれど。
ドライブを楽しんで午後四時頃、蒼宙くんのマンションに着いた。
ここに来てしまったら戻れない。
「買い物に行かなくても夕食の材料はあるし問題ないよ」
「スーパー寄らなかったものね」
車から降りて差し出された手を取る。
蒼宙くんの部屋の扉が開く。
彼が後から入り鍵が閉まった。
「さっき、愛璃ちゃんの家で部屋に行きたいって言わなかったでしょ」
「……お出かけするつもりだったからじゃないの?」
「ぬいぐるみに見られながらいちゃつくのはどうかと思って」
「な、な……!?」
くすっと笑った蒼宙くんはお茶を出してくれた。
ダイニングキッチンのテーブルに座りお茶を飲む。
「時間は流れ落ちる砂のようなもの。
だからこそ大切にしなければね」
「私もそう思う」
「愛璃ちゃん、君と一緒に暮らしたいって思いは
日に日に増してる。抱いてから、
片時も離れたくない。
一日中ずっとは無理でも朝と夜くらいは一緒にいたい」
椅子の上に置いた手に手が重なる。
重ねた手のひらがかかげられる。
「重いよな。でも僕は二度と愛を失いたくないんだ」
「私だって……」
「ねえ。愛璃ちゃんは自分の生まれについて信じていることが、
全部正しいと思ってる?」
「……ど、どうして?」
「パズルのピースが上手くはまってないだけかもしれないよ」
真摯な眼差しだった。
夕陽が差し込み彼の顔に陰影ができている。
「確かめてみる。
あなたと結婚する前に真実を知らなければ」
「愛璃ちゃんは愛璃ちゃんだから関係ないよ。
気負わずにね。
ご両親は君を慈しんで育ててきたのは確かだ」
私から蒼宙くんに近づいて後ろから肩に腕を回した。
ほっそりしていても異性を感じる身体だ。
「私、誰かを傷つけるのは怖いの……。
あの二人を信じてなかったって思われるのが嫌」
「僕がいる。大丈夫」
低く落ち着いた声音だった。
艶っぽい感じではなくこちらを包み込むような。
「ご飯作る間にお風呂入ってくる?」
シリアスな空気が打ち破られる。
身体を離して向かい合う。
試すように口にした彼は蠱惑的でずるい。
「潤んだ目でにらむのは僕だけにしなよ。
そんな目で見られると勘違いするから」
「してない……」
きっと蒼宙くんが気づく程度には、
彼に強い眼差しを送っていた。
「気が強い所、もっと見せてよ」
顎を持ち上げられる。
至近距離で見る綺麗さに頬を染めた。
「そうやって私を黙らせるのずるい」
ふいっ、と背を向ける。
彼がどんな瞳でこちらの後姿を見ていたかなんて、
知ることもなかった。
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