残念異能生活日記

紡未夏樹

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1.五秒って案外大事だぜ?

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皆は異能力と聞いたら何を思い浮かべる?
空を飛ぶ? 火を操る? 心を読む?
──そうだ。そんな感じで良い。
なぜ唐突にそんな話をするかって? ──ふっ······聞いて驚け、俺は時を止めることができる!
······はい、そこ。可哀想な人を見る目はやめろ。俺は至って真面目だ。やめろ! 救急車なんて呼ぶんじゃない! お願いしますやめてください!

──ふぅ。さて、落ち着いたところでもう一度言うが、俺は時を止めることが出来るんだ。だが、これは凄いことじゃない。いや、凄いことではあるが、俺のは使い勝手が悪い。なんせ五秒の集中が必要なのだ。
物が落ちたから、時を止めて落ちる前に拾うとか、ボールが飛んできたから時を止めて避けるとか、そんなことが不可能に近い。
何でこんな微妙な能力を授けたんだ神よ。と一度嘆いたくらいだ。
世の中にはもっと凄い能力者だっているのに······。いや、使えるだけマシなのは分かっているんだ。······分かって、いるはず、なんだけどなぁ······。

······ん、すまない、自己紹介がまだだったな。
俺は氷室祐希ひむろゆき。五秒の集中が必要な、時を止める能力を持っていて、異能力研究会というものに所属している。
そこには、異能力大好きだが、異能力を持たない、異能力研究会の部長で、親友の平塚健ひらつかけんや、幼馴染みの、影に潜る能力を持っていて、少々ヤンデレの気がある日野歩香ひのあゆか。そしてクールで眼鏡で、未来予知能力持ちの先輩、神流美夜子かんなみやこが、日夜、異能力(や、関係無いこと)について話し合ったり合わなかったりしている·····はずだ。

さて、ここまで読んでくれてありがとう。次からが本編だ。俺らの自己紹介よりも数倍面白い話を期待してくれ。
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