残念異能生活日記

紡未夏樹

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二章

16.当初の予定からズレたぞ?

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さぁ! 作戦決行だ! 何でこんなにテンションが高いかって? そんなの、今から人を誘拐するとか考えたら、こんなテンションじゃねぇとやってらんねぇぜ! ハッハッハッ·········
──いや、すまん。取り乱した。一旦落ち着く。
さて、ともかく放課後だ。
俺と健は一度廊下で集まり、その後、教室から出てきた姫島を追った。
姫島は特に俺達に気付いた様子もなく、真っ直ぐ昇降口の方向へ向かった。
部活はしていないのか? もしくは外の部活なのか? いや、でも運動してそうな見た目じゃないしなぁ。
あ、そうそう。歩香と神流先輩は状況に応じて動いてくれているから、俺もどこに居るかは分からない。多分近くにいるんじゃないか?
「よし、そろそろかな」
知らん。勝手にやってろ。俺はそれに合わせるだけだ。
「よう、天音さん。ちょっと良いかな?」
こいつ、初対面のはずなのに妙に馴れ馴れしいな。大丈夫か?
「ん? 平塚君と氷室君? どうしたの?」
「俺は付き添いだ。無視してくれ」
用事があるのは健の方だ。
「おう、用事というか、話というかなんだが、この前、祐希から天音さんの能力について話があったと思うんだが、覚えてるか?」
「能力? 何の事? 話なんてしたっけ?」
覚えていないのに俺に振るか。まぁ、いい。
「したらしいぞ」
「そうなんだ~」
言いながら眉をひそめる姫島。能力を見破られたとでも思っているのだろうか。あいにくだが、俺は知らんぞ。
「それで? 何の用事? 勧誘でもしに来たの?」
「まぁ、そうなる」
「へぇ~そうなんだ。でも、あたしに能力は無いよ? ほら、そんな話なんてこれっぽっちもないでしょ?」
まぁ、普段使うわけでもないし、知られても能力を使えば広まる事が無いしな。
「そこで、だ。一旦俺と話さないか? そこで納得できなかったらこれ以上は聞かない」
「なるほど、それなら良いよ」
「え······」
あれ? この展開で良いのか? おい健、何か言えや。
「どうかしたの、平塚君?」
「い、いや、なんでもない。じゃあ、明日話すってことでいいか?」
「分かった。良いよ」
「お、おう。じゃあ、明日」
「うん、バイバイ」
姫島はヒラヒラと手を振って帰ってしまった。
と、物陰にいた歩香と神流先輩が出てきた。
「ねぇ、祐希。これって良かったの?」
「い、いや、当初決めてた作戦とは違った方向だな」
「もしかしたら、私達に気付かれたかもしれないわね」
気付かれた? 隠れていたのに?
「自分から遠ざけたはずなのに、改めて話をしに来たということは、能力を見破る何かがあったと考えるのではないかしら?」
なるほど、リスクを避けたわけか。
「じゃあ、明日はどうするの? あれ? 健?」
何か、健が予想外の展開でフリーズして、微動だにしない。ここまで動かないと逆にすごいな。
「部室に琴音ちゃんを待たせてるから、健は置いて戻ろうよ」
「そうだな」「そうね」
予想外の展開になったし、健は戦力外になったし、そもそも別に勧誘しなくても良いと思うし。いや、ホント、姫島を部活に入れる理由が出てこないんだが。
まあ、ここまできたらちゃんとするしかないからするけどさ。
まぁ、何はともかく、部室に戻って一旦話し合いだな。
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