お狐様の恩返し

泡沫 呉羽

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子狐の治療と夜ご飯

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 子狐の首を傾げる仕草は可愛かった。

「大丈夫……。ちょっと沁みるけどこれをすると菌を防いでくれるか……らね。ゴホッゴホッ…。我慢して…ね」

 喋りすぎたかな。子狐は威嚇はしつつ僕を睨んで入るが理解はしてくれたのか動かず手当を受けてくれた。あ、いや辛いから動かなかっただけなのかな?体中傷だらけだから痛かっただろうけど我慢できて偉いと思う。手当てが終わればくたーとしてしまい、寝かせてあげることにした。ダンボールにタオルを入れて寝かせようかとも思ったけど流石に怪我してるし、固いだろうから僕のベットの端っこ、勿論寝返りしてもいいように落ちないところに寝かせてあげた。ふと僕の手を見れば血がたくさん出ていた。さっき噛まれたから出たのか。手当てをしてきついからもう寝ることにした。大きなベットに僕は倒れるように眠った。

 目が覚めると、窓の外は暗くなっておりかなりの時間を寝てしまったらしい。あ、そういえば子狐はどこに行ったんだろ。寝かせたところをみてもいなくてちょっとびっくりした。寝ている間にメイドが連れて行ってしまったのかな?別途の上から降りて立ち上がろうとし、見事にコケた。あ、子狐いた!ベッドの下に潜ってたらしい。僕がコケたのを見てびっくりしたのか毛が逆立った。暫くしてもとに戻った。あれ?かなりの傷だったはずなのによく移動できたね。……なるほどそうやって体を引きずって移動したんだ。どうやら、体を床に引きずって移動したらしい。倒れてる僕の目の前にやってきて、噛んだ手をじーと見ている。

「はー、また私が負けた。なんでこんな王子の配膳役に選ばれたのかしら。ったく食事置いときます」

 バンっと扉を開け食事が乗ったトレーをガシャンと音をたてて扉近くにおいて出ていった。いつのも事だから言いたくないけど……せめてベット横において欲しい。僕、とるのに時間かかるし、時々時間に間に合わずに回収されてしまい食べれない時があるんだからね?今日は子狐もいるし、なにか食べれるものがあれば食べさせてあげないと………。僕は立ち上がり壁伝いに歩き片手でトレーをもってきてベットの上に置いた。さぁ、どれが食べたい……?

「………?食べ…ないの?」

 子狐は何を思ったのか僕にりんごの乗った器を頭でグイグイと押した。あと…飲み物を倒そうとしたからキャッチした。どうしたというのだろう。そしたら子狐はプイッとして丸くなり目をつぶった。戻そうと器を置こうとしたら威嚇してくるし……うーん。

「僕に食べろってこと……?」

 まさかと思ったけど正解と言うように尻尾を振っている。えっと…じゃあ、いただきます。あむあむ………。3口くらい食べたのを満足そうに見て寝てしまった。僕もお腹がいいからトレーを戻しておく。リンゴは子狐に食べさせようと口に持っていった。小さな口でハムハムしてるのは可愛い。でもそんな目で見てたら睨むんだよね。なんだか人の言葉がわかってるみたいで凄いと思ったよ。
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