20 / 26
18話 悪魔とナーガ
しおりを挟む
「レイン…………?…うっ…」
フェルトラは痛みに耐えながらレインにまた声をかけた。
その時、ナーガがレインの腕を切り落とし、フェルトラを抱え、大きく後ろに下がった。
「おい!ナーガ、何してるんだ!?」
「何って……あいつにお前殺されそうになったんだぞ!!」
「そんなわけが………」
言いかけてフェルトラや国王達は絶句をした。
レインの切られたはずの腕が再生しており、新しく出来ていたのだ。
レインは無言ですっと立ち上り口元を拭った。
「レイン………目どうしたんだ?」
レインの目は正気を失っており、また紅く血のような色になっていた。
「ア…ぁ……に…げ…ロ……」
その言葉を最後にレインは一気に駆け抜け、先程怪我をした女性に襲いかかった。
フェルトラは咄嗟にレインが小さな剣にして飾りのようにしてくれ、持ち込むことができた剣に魔力を注ぎ元の大きさに戻してレインに向けた。
「ふふ。いいですねぇ~。わたくしの思ったとおりです。貴方は克服したのではなくて我慢をしてたようですね。もうすぐ極上の魂が私のものに。あー、ワイン注がなくては!」
ナーガはそんなことを言ってる男に気付いたらしく声を上げてフェルトラに言った。
「おい、元凶の悪魔見つけた。あいつ締めてきていいよな?」
「あ?……いいぞ。…ついでにレインをもとに戻す方法聞いて来い」
フェルトラはレインを傷つけず防御ばかりをとっており解決方法が分からなかった。
ナーガは許可を取り、面白そうにソファーに座りこちらをさも愉快そうに見物しながらワインを嗜む黒の洒落た服とハットを被った男に近づいた。
「よぉ!な~にしてんだ?」
「おや、飼い犬殿ではないですか?お久しぶりですね。何ってわたくしらしく食材を取ろうとしてるだけですが?」
「相変わらず趣味悪ぃ。自分の手を汚さず他人の手を汚すやり方は俺は好きじゃねぇな」
「人間の欲は尽きないんですよ?なら利用すればいいんです。わたくしの好物は狂気的な愛情と憎しみ、強欲なんですから。その欲を囁いて増強させるだけで自滅し、極上の魂が手に入る。はぁ、なんて美しい手に入れ方なのでしょう」
黙ってれば綺麗で紳士的な人間に見えそうなのにこの最悪な性格は本当にどうにかならないかと同じ悪魔であるナーガは思ってしまった。
「悪いが…主に何したんだ?」
ナーガは愛用の細い剣をとり悪魔の喉元にあてて聞いた。
「おや、人聞きの悪いことを仰る。何も。あー、でもああなったのはワインがいけなかったのかも知れないですね?」
くつくつと笑う悪魔にナーガは苛つき一番取りたくない方法を取った。
「こいつ……やりたくねぇが…仕方ないか……」
ナーガは今までで一番嫌な表情を作りつつ実行したのだった。
フェルトラは痛みに耐えながらレインにまた声をかけた。
その時、ナーガがレインの腕を切り落とし、フェルトラを抱え、大きく後ろに下がった。
「おい!ナーガ、何してるんだ!?」
「何って……あいつにお前殺されそうになったんだぞ!!」
「そんなわけが………」
言いかけてフェルトラや国王達は絶句をした。
レインの切られたはずの腕が再生しており、新しく出来ていたのだ。
レインは無言ですっと立ち上り口元を拭った。
「レイン………目どうしたんだ?」
レインの目は正気を失っており、また紅く血のような色になっていた。
「ア…ぁ……に…げ…ロ……」
その言葉を最後にレインは一気に駆け抜け、先程怪我をした女性に襲いかかった。
フェルトラは咄嗟にレインが小さな剣にして飾りのようにしてくれ、持ち込むことができた剣に魔力を注ぎ元の大きさに戻してレインに向けた。
「ふふ。いいですねぇ~。わたくしの思ったとおりです。貴方は克服したのではなくて我慢をしてたようですね。もうすぐ極上の魂が私のものに。あー、ワイン注がなくては!」
ナーガはそんなことを言ってる男に気付いたらしく声を上げてフェルトラに言った。
「おい、元凶の悪魔見つけた。あいつ締めてきていいよな?」
「あ?……いいぞ。…ついでにレインをもとに戻す方法聞いて来い」
フェルトラはレインを傷つけず防御ばかりをとっており解決方法が分からなかった。
ナーガは許可を取り、面白そうにソファーに座りこちらをさも愉快そうに見物しながらワインを嗜む黒の洒落た服とハットを被った男に近づいた。
「よぉ!な~にしてんだ?」
「おや、飼い犬殿ではないですか?お久しぶりですね。何ってわたくしらしく食材を取ろうとしてるだけですが?」
「相変わらず趣味悪ぃ。自分の手を汚さず他人の手を汚すやり方は俺は好きじゃねぇな」
「人間の欲は尽きないんですよ?なら利用すればいいんです。わたくしの好物は狂気的な愛情と憎しみ、強欲なんですから。その欲を囁いて増強させるだけで自滅し、極上の魂が手に入る。はぁ、なんて美しい手に入れ方なのでしょう」
黙ってれば綺麗で紳士的な人間に見えそうなのにこの最悪な性格は本当にどうにかならないかと同じ悪魔であるナーガは思ってしまった。
「悪いが…主に何したんだ?」
ナーガは愛用の細い剣をとり悪魔の喉元にあてて聞いた。
「おや、人聞きの悪いことを仰る。何も。あー、でもああなったのはワインがいけなかったのかも知れないですね?」
くつくつと笑う悪魔にナーガは苛つき一番取りたくない方法を取った。
「こいつ……やりたくねぇが…仕方ないか……」
ナーガは今までで一番嫌な表情を作りつつ実行したのだった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
神は激怒した
まる
ファンタジー
おのれえええぇえぇぇぇ……人間どもめぇ。
めっちゃ面倒な事ばっかりして余計な仕事を増やしてくる人間に神様がキレました。
ふわっとした設定ですのでご了承下さいm(_ _)m
世界の設定やら背景はふわふわですので、ん?と思う部分が出てくるかもしれませんがいい感じに個人で補完していただけると幸いです。
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる
あっとさん
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。
でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。
でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。
その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。
そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。
転生したら名家の次男になりましたが、俺は汚点らしいです
NEXTブレイブ
ファンタジー
ただの人間、野上良は名家であるグリモワール家の次男に転生したが、その次男には名家の人間でありながら、汚点であるが、兄、姉、母からは愛されていたが、父親からは嫌われていた
没落ルートの悪役貴族に転生した俺が【鑑定】と【人心掌握】のWスキルで順風満帆な勝ち組ハーレムルートを歩むまで
六志麻あさ
ファンタジー
才能Sランクの逸材たちよ、俺のもとに集え――。
乙女ゲーム『花乙女の誓約』の悪役令息ディオンに転生した俺。
ゲーム内では必ず没落する運命のディオンだが、俺はゲーム知識に加え二つのスキル【鑑定】と【人心掌握】を駆使して領地改革に乗り出す。
有能な人材を発掘・登用し、ヒロインたちとの絆を深めてハーレムを築きつつ領主としても有能ムーブを連発して、領地をみるみる発展させていく。
前世ではロクな思い出がない俺だけど、これからは全てが報われる勝ち組人生が待っている――。
備蓄スキルで異世界転移もナンノソノ
ちかず
ファンタジー
久しぶりの早帰りの金曜日の夜(但し、矢作基準)ラッキーの連続に浮かれた矢作の行った先は。
見た事のない空き地に1人。異世界だと気づかない矢作のした事は?
異世界アニメも見た事のない矢作が、自分のスキルに気づく日はいつ来るのだろうか。スキル【備蓄】で異世界に騒動を起こすもちょっぴりズレた矢作はそれに気づかずマイペースに頑張るお話。
鈍感な主人公が降り注ぐ困難もナンノソノとクリアしながら仲間を増やして居場所を作るまで。
チート魅了スキルで始まる、美少女たちとの異世界ハーレム生活
仙道
ファンタジー
ごく普通の会社員だった佐々木健太は、異世界へ転移してして、あらゆる女性を無条件に魅了するチート能力を手にする。
彼はこの能力で、女騎士セシリア、ギルド受付嬢リリア、幼女ルナ、踊り子エリスといった魅力的な女性たちと出会い、絆を深めていく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる