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元魔王が住む山
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「え…、なんで一緒に寝てるんですか!?……知ってますか?異性が一緒に寝ると子供ができるそうなんですよ?!私困るんですが…」
セルフィーは本当の意味でただ一緒に寝てただけなのだがその言葉を聞いてシェリアの頭を少しなでてまた、包まった。
「え…今の撫ではなんなんですか!?起きてくださいってば。どっから入ってきたんですか!!」
毛布の中に頭までいれるタイプなのかセルフィーは顔を出さずに手を出して指でと大きな本棚を指さした。
「本棚…………しかないですが…?あの…そろそろ起きてくれませんか?…はぁ。私セルフィーが作った服着る予定だったのですが残念ですね…。せっかくなら作ってくれた人に見てほしかったのですが……」
これはシェリアの罠だ。
とりあえずちょっとだけ怒ってるシェリアはセルフィーを起こすために言ったことなのだが、シェリアの好みに合わせセルフィーがいつの間にか作った服なので着る予定ではあったのだ。
セルフィーは最後のその一言でガバリと起き上がりシェリアに抱きついて微笑んだ。
「おはようございます。あの本棚の後ろは避難経路にもなるでしょうから覚えててくださいね」
結果セルフィーは自白しながら朝の挨拶をした。
朝ご飯を食べて門前に集まる。
今日親代わりの方に会いに行こうと集まったのだ。
「セルフィーそれは…なんですか?」
セルフィーはシェリアのみに上着をかけながら言った。
「多分、見つけた瞬間逃げようとするので捕縛用に。あとは寒い地域の山なので風邪を引かないように色々と持ってきました」
「お、主やりますね~」
「俺も寒いのは好きじゃないからね……」
「あなた達の分用意してるわけないでしょう。知りませんよ。そこら辺で野垂れ死んでいいですよ」
「シェリア………様がいて忘れてたけど主ってもともと無慈悲で暴力的だったんだっけ……」
「………うん、言うと思った。…いきなり性格までは変わらないか……。ナイフが飛んでこないだけましかもな…」
二人は哀愁漂わせており、シェリアは心配になったのだがここで声を掛けると間違いなくセルフィーの機嫌も悪くなるし、二人の方が危なくなりそうなので心のなかで誤りつつ無視することにした。
転移した先は一面が銀世界の山で気が少なく動物が多かった。
「キュ?」
ユキがカバンから飛び出し楽しそうにシェリアの周りを回った。
「確かに防寒対策に加えセルフィーがかけてくれた上着もあるのに寒く感じますね……あ、でもきれいな場所ですね、素敵です」
「あ゙?人間…か?またどこからか………って見覚えあるやつが3人程……やべっ………」
後ろから声がし、振り向くと慌てたように逃げていく男が見えた。
「アレがそうなんですよ」
「何でかなぁ…俺たちを見ると絶対逃げるんだよなぁ。他はそうでもないのに」
「(お前ら2人が原因だろが!!)主は偉大だからじゃね?」
「な、なるほど…。角がかっこいいですね。魔族の方でしょうか?」
セルフィーの額に青筋が浮かび雷の魔法を逃げる男に全力でぶつけた。5発くらいうちこみ男は動かなくなった。
「!?!?!?死んじゃいました!?…お墓はどうすればいいんでしょうか……」
「…………我は生きてるぞ……」
「そんなのいらないでしょう。いなくなったのは残念ですが埋めて帰りましょう」
「クソガキ…我は生きてるんだが?!……っ痛ってぇえ!」
クソガキと言われたセルフィーは目に見えない速度で飲み終わった瓶を投げつけた。
「死んじゃうと分かってたなら毎日通ってあげたのに…………」
「おーい、聞いてんのかー?我は生きてるぞー。つーか来んじゃねぇよ。迷惑すぎるわ」
「主、殺さなくてもペットにすりゃ良かったんじゃねーすか?見た目は良い部類なわけですし。主最近部下が使えないって言ってたと思うんっすが」
「あー、確かに。でもシェリーが目移りする可能性がありますし……殺しそうで怖いんですよね~」
「……………テメェらいいかげんにしろよ!!我は生きてるって言ってんだろうがァァァァァァァア゙!」
「「「「あ、生きてた」」んですか!?」」
「たわけ。我は腐っても元魔王だぞ?ったくあんな魔法を使うメチャクチャなやつはエルガルドぐらいだ……」
「魔王…………?封印されたあの魔王ですか…?」
「…お前ははじめましてだな。あぁ、そうだ。……弱いが器の気配だな………我と相性は悪いだろう帰ったほうがいい」
紫色の髪の毛を弄りつつ魔王はそう言うが何処か懐かしげに目を細め小さくため息を付いた。
セルフィーは本当の意味でただ一緒に寝てただけなのだがその言葉を聞いてシェリアの頭を少しなでてまた、包まった。
「え…今の撫ではなんなんですか!?起きてくださいってば。どっから入ってきたんですか!!」
毛布の中に頭までいれるタイプなのかセルフィーは顔を出さずに手を出して指でと大きな本棚を指さした。
「本棚…………しかないですが…?あの…そろそろ起きてくれませんか?…はぁ。私セルフィーが作った服着る予定だったのですが残念ですね…。せっかくなら作ってくれた人に見てほしかったのですが……」
これはシェリアの罠だ。
とりあえずちょっとだけ怒ってるシェリアはセルフィーを起こすために言ったことなのだが、シェリアの好みに合わせセルフィーがいつの間にか作った服なので着る予定ではあったのだ。
セルフィーは最後のその一言でガバリと起き上がりシェリアに抱きついて微笑んだ。
「おはようございます。あの本棚の後ろは避難経路にもなるでしょうから覚えててくださいね」
結果セルフィーは自白しながら朝の挨拶をした。
朝ご飯を食べて門前に集まる。
今日親代わりの方に会いに行こうと集まったのだ。
「セルフィーそれは…なんですか?」
セルフィーはシェリアのみに上着をかけながら言った。
「多分、見つけた瞬間逃げようとするので捕縛用に。あとは寒い地域の山なので風邪を引かないように色々と持ってきました」
「お、主やりますね~」
「俺も寒いのは好きじゃないからね……」
「あなた達の分用意してるわけないでしょう。知りませんよ。そこら辺で野垂れ死んでいいですよ」
「シェリア………様がいて忘れてたけど主ってもともと無慈悲で暴力的だったんだっけ……」
「………うん、言うと思った。…いきなり性格までは変わらないか……。ナイフが飛んでこないだけましかもな…」
二人は哀愁漂わせており、シェリアは心配になったのだがここで声を掛けると間違いなくセルフィーの機嫌も悪くなるし、二人の方が危なくなりそうなので心のなかで誤りつつ無視することにした。
転移した先は一面が銀世界の山で気が少なく動物が多かった。
「キュ?」
ユキがカバンから飛び出し楽しそうにシェリアの周りを回った。
「確かに防寒対策に加えセルフィーがかけてくれた上着もあるのに寒く感じますね……あ、でもきれいな場所ですね、素敵です」
「あ゙?人間…か?またどこからか………って見覚えあるやつが3人程……やべっ………」
後ろから声がし、振り向くと慌てたように逃げていく男が見えた。
「アレがそうなんですよ」
「何でかなぁ…俺たちを見ると絶対逃げるんだよなぁ。他はそうでもないのに」
「(お前ら2人が原因だろが!!)主は偉大だからじゃね?」
「な、なるほど…。角がかっこいいですね。魔族の方でしょうか?」
セルフィーの額に青筋が浮かび雷の魔法を逃げる男に全力でぶつけた。5発くらいうちこみ男は動かなくなった。
「!?!?!?死んじゃいました!?…お墓はどうすればいいんでしょうか……」
「…………我は生きてるぞ……」
「そんなのいらないでしょう。いなくなったのは残念ですが埋めて帰りましょう」
「クソガキ…我は生きてるんだが?!……っ痛ってぇえ!」
クソガキと言われたセルフィーは目に見えない速度で飲み終わった瓶を投げつけた。
「死んじゃうと分かってたなら毎日通ってあげたのに…………」
「おーい、聞いてんのかー?我は生きてるぞー。つーか来んじゃねぇよ。迷惑すぎるわ」
「主、殺さなくてもペットにすりゃ良かったんじゃねーすか?見た目は良い部類なわけですし。主最近部下が使えないって言ってたと思うんっすが」
「あー、確かに。でもシェリーが目移りする可能性がありますし……殺しそうで怖いんですよね~」
「……………テメェらいいかげんにしろよ!!我は生きてるって言ってんだろうがァァァァァァァア゙!」
「「「「あ、生きてた」」んですか!?」」
「たわけ。我は腐っても元魔王だぞ?ったくあんな魔法を使うメチャクチャなやつはエルガルドぐらいだ……」
「魔王…………?封印されたあの魔王ですか…?」
「…お前ははじめましてだな。あぁ、そうだ。……弱いが器の気配だな………我と相性は悪いだろう帰ったほうがいい」
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