俺の妹は転生者〜勇者になりたくない俺が世界最強勇者になっていた。逆ハーレム(男×男)も出来ていた〜

陽七 葵

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第一章 幼少期

相関図

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 ノエルが俺の部屋で大きな紙を広げた。

「ノエル、何してるの?」

「相関図を描こうと思いまして」

「何それ?」

「お兄様と関係のある人を書き出すことで、今後どのような展開になりそうかを予測するのですわ」

 自分が主体なのが恥ずかしいが、ゲームみたいで面白そうだ。

「さぁ、お兄様の親しい人を男女問わず教えて下さいませ」

「えっと、ジェラルドと最近はエドワードもよく会うかな……それくらい」

 改めて聞かれると俺って友達少ないな。まだ七歳で社交の場に出る機会も少ないので仕方がないのだが。

「では、カリーヌ様とヒューゴ師匠も書き足しましょう」

「それでも白い部分が多すぎるね」

「これから増えていくはずですので、今はこれで十分ですわ」

 ノエルが楽しそうだ。楽しそうなノエルを見ると自然と顔が緩む。ノエル曰く、俺は妹が大好きなシスコンらしい。それは否定しないが、妹が嫌いな兄はいないと思う。

「あれ、何書いてるの? ガチムチ? 細マッチョ?」

 ノエルが名前だけではなく、他にも小さな文字で何か書き足している。

「体型と性格も分かる範囲で書き出しているのですわ」

「へー。これ誰に教わった言葉?」

 知らない言葉ばかりが並んでいる。

「誰……誰でしょうか。自然と身についたものですわ」

 その環境下に長時間さらされていないと自然に身につくはずはない。それならノエルとほぼ一緒にいる俺にも身についているはず。しかし、ノエルが嘘を言っているようにも思えない。

「このハートマークは何?」

 俺とジェラルド間の矢印に大きなハートマークが描かれている。

「好感を抱いているかどうかですわ」

「なるほど」

 ジェラルドとは産まれた時からの仲だ。互いに好感を持っているのは当たり前。それに対して他はまだ知り合って日も浅いから何も描かれていないのか。

「よく出来てるね」

「間違いはありませんか?」

「うん。でも、好感で言えばエドワードも俺のこと認めたとか言ってたよ。結構好かれてると思うよ」

「まぁ……既に三角関係と言うわけですわね」

「三角関係?」

 俺とジェラルドとエドワードの並びが三角形のように並んでいるからか。

「で、描いてみて何か分かった?」

「まだ何とも言えませんが、修羅場にはなりますわね」

「修羅場?」

 皆、仲は悪くないのにどうしたら修羅場になるのだろうか。疑問は残るが、ここに勇者の文字は記されていない。

 つまり、ノエルは新たな遊びを見つけ、転生者ごっこは終了したと考えて良いだろう。安堵したのも束の間、ノエルはうっとりとした顔で言った。

「きっと将来、ジェラルド様とエドワード様を率いて冒険に行くのですわ。そこで互いに惹かれあったり喧嘩をしていく内に真の愛を見つけ、ハッピーエンドに……」

「え、みんなで冒険するの? それに俺はやっぱ勇者しないとダメなの?」

「もちろんですわ! ピンク髪に光魔法と言えば主人公ですもの。勇者になってもらいたいですわ」

 ノエルの転生者ごっこはまだ続いていたのか。そして、周りの人を巻き込んでまで俺を冒険させたいらしい。

「エドワード様が当て馬的存在か、はたまたサポート的な存在かは分かりませんが、きっと皆様一緒に冒険して下さいますわ。でないとBLが成り立ちませんもの」

「その、びーえるって何なの?」

「えっと……男性同士の恋愛のことですわ」

「は? 何て?」

「ボーイズラブ、お兄様とジェラルド様の恋の行方が気になりますわね」

 五歳児が何故そんな言葉を知っている。しかも嬉しそうに話す内容ではない。

 ハッ、まさかこのハートマークの好感というのは恋愛の好感?

「ノエル、これは違うよ! 俺はジェラルドのこと好きだけど、そういうのじゃないから!」

 七歳で婚約している人も中にはいるが、恋愛に発展している人は少ないと思う。必死に否定するがノエルは少し声のトーンを落として言った。

「大丈夫ですわ。誰にも言いませんから」

「いやいやいや、違うから」

 それから何度否定しても分かってはもらえなかった。
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