俺の妹は転生者〜勇者になりたくない俺が世界最強勇者になっていた。逆ハーレム(男×男)も出来ていた〜

陽七 葵

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第三章 新メンバー登場

いざ穴場スポットへ

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 一週間後。

 ココット村はまだ完全とは言えないものの、人が生活していくには支障が無い程まで回復した。

「キース見てよ。やっとだよ! やっとDになれたよ」

 今回、野盗を捕縛したことで特別に報酬が得られたのだ。しかも、ランクまで上がった。

 俺は冒険者カードを自慢げにキースに見せると、驚いた様子でキースは言った。

「お前らこの間までランクEだったのか?」

「冒険始めたの三ヶ月前だからね。中々上がらないもんだね」

「三ヶ月で各地に名を残しながら歩くなんて凄いな」

 キースが感心しているとノエルが言った。

「当然ですわ! お兄様は特別ですもの。幼い頃から勇者になる為、日々精進した甲斐がありましたわね」

「はは……」

 嫌々ながらヒューゴの特訓を継続し、アイリス先生の魔法特訓のおかげで魔法もスムーズに出せる。冒険を始めた今となっては、頑張って良かったとは思う。思うが、正直各地に名を残すのは恥ずかしい。

 ちなみに、キースは自然とそこにいるが、やはりジェラルドとリアムは快く仲間になることを承諾した訳ではなかった。念の為ジェラルドとリアムに聞いてみると——。

『ノエルが訳わかんねぇ煽りしてくるからさ』

『煽り?』

『一人増えたからってお二人にはどうってことありませんわよね? それともジェラルド様とリアム殿下はそんなに自分に自信がありませんの? まさかキース様に負けるのが怖いのですか? って』

『それは……』

 いつものようにノエルは肝心な言葉を上手いこと隠しながら話している。ノエルは俺との恋愛についての話をしているが、ジェラルドとリアムは普通に能力的な話だと思っているはずだ。

 負けず嫌いな二人の答えは決まっている。

『でもさ、本当のところ分かんねーんだよ。悪党のはずなのに、人を助けるし……良い奴なのか、悪い奴なのか」

 ジェラルドが複雑そうに話すので、俺も素直な気持ちを伝えた。

『俺はさ、野盗を正当化する訳じゃないけど、キースの気持ちも分かるんだ』

『え?』

『ノエルがもし俺のせいで猫の姿になったら、どんな手段を使っても元の姿に戻してあげたいって思うから』

 リアムもジェラルド同様に複雑そうな顔をしていたが、ニコッと笑顔を作って言った。

『気に入らなければ、捨て駒として使えば良いよ』

『は?』

『魔王の能力なんて計り知れないと思うんだ。だから、まずキースに攻撃を受けてもらってカウンターで返す。オリヴァーが治癒して、また攻撃を受ける。それ繰り返して、死んだらそこでおしまい』

『『うわ……』』

 残酷すぎる。確かに魔王の攻撃を増幅して魔王に返せば勝率は上がるだろうが、人を人とも思っていないやり方だ。さすがにジェラルドも引いている。

『冗談だけどね』

『なんだ、冗談か』

『まぁ、暫くはお試し期間ってことで、ね?』

 ——そういう訳で、お試し期間中にリアムの機嫌を損なうことがあればキースは捨て駒にされてしまう可能性が高い。

 外の様子を眺めていたキースが聞いてきた。

「ところで、オレ達は何処に向かってるんだ?」

「どこだろ……みんな何処行きたい?」

 実は既にココット村を出た後だ。いつものことながら目的地はまだ決まっていない。

「もう少し行った先、マルクル領には、なんと温泉があるらしいですわよ」

「温泉……ってあの温泉?」

「はい、あの温泉ですわ」

 噂では聞いたことがある。地面を掘ると、お湯が出てくるのだとか。この国でも何ヶ所か温泉を引き当てて、リゾート地になっている。

 俺は広い空間で他人と入浴をするより、狭くても一人で入浴をしたいタイプだ。故に温泉には興味がない。

「やはり絆を深めるには裸の付き合いが一番ですわ。ね、ショーン様」

 ノエルとショーンが目を合わせて互いにニコリと笑えば、キースは何やら勘違いをし始めた。

「ショーン、それはまだ早い! いくら好き同士と言えど裸はまずい。まだ婚約だってしていないんだ」

「えー、良いじゃん。減るもんじゃなし」

 キースとショーンは揉め始めた。その隣で、ジェラルドとエドワードが温泉に興味を示した。

「温泉良いな。暫くまともな風呂に入ってないからな」

「宿のは狭いもんね。壊れてて水が出ないところもあるし……僕がいるから水魔法でどうにかなってはいるけど。リアム殿下も温泉入りたいんじゃない?」

「あー、僕はどっちでも良いかな」

 リアムはあまり乗り気では無さそうだ。俺と同じで一人で入りたいタイプかもしれない。

「でも温泉って、リゾート化して温泉都市になってるんだよね? 上流貴族の交流の場って聞いたけど……」

「お前らも上流貴族だろ」

「そうなんだけど……ね、ジェラルド」

「ああ、やっぱやめとくか」

 俺達も上流貴族ではあるが、今はただの冒険者。貴族間の噂はすぐに広まるので、出来れば貴族とは会いたくない。

 「大丈夫ですわ! 穴場がありますの。ね、ショーン様」

「最近温泉を掘り当てたばかりの農村があって、そこはまだリゾート化してないんだって。さっき鳥が話してた」

「へぇ。ショーンは鳥語も分かるんだ」

「動物の類は大体ね」

「リゾート化してないなら良いかな。どう思う?」

 皆に意見を聞けば、ジェラルドは上機嫌に言った。

「面倒ごとが無けりゃどこでも良いしな。風呂だ風呂! リアムも一緒に入ろうぜ」

「う、うん……」

 やはりリアムだけ乗り気ではない気がするが、周りが盛り上がってきたので、次は温泉のあるララル村に行くことに決定した。 
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