俺の妹は転生者〜勇者になりたくない俺が世界最強勇者になっていた。逆ハーレム(男×男)も出来ていた〜

陽七 葵

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第六章 二人目の転生者

結界の張り方

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「じゃあ早速やろっか」

「「よろしくお願いします」」

 開始までに色々あったが、無事に結界の講義が始まった。

「結界の張り方は、本来は学園の上級生が習うもので、とても難しいの。難しすぎて習ったところで使えるのは一握りの優等生だけ」

「え……」

 開始早々、出鼻をくじかれた気分になった。

「そもそも、シールドと結界はどう違うんですか?」

「良い質問ね。ちょっと待ってね」

 アイリス先生は詠唱し始めた。それは長く約三分間に渡って唱えられた。

 三分後、二種類のドーム状の光が現れた。

「こっちがシールド。で、こっちが結界の方ね」

「結界の方が薄いですね」

 シールドは目で見てはっきり分かるのに対し、結界は目を凝らさないと見えない程に薄い。

「シールドは、術者が遠く離れると消えるのは知ってるよね」

「はい」

「だけど、結界は一度張ってしまえば遠くに離れても大丈夫なの。それから、シールドは外部のモノを全て弾き返すのに対し……ノエルちゃん、ちょっとここ入ってみてくれる?」

 ノエルが結界の中に入った。

「外部からも結界の中に入ることが出来るんだけど……オリヴァー君も入ってみて」

 俺も結界に入ろうとすれば、結界に阻まれてそれ以上進めなかった。

「術者が許可した者しか出入り出来ないようになってるの」

「やっぱ結界の方が便利だな」

「だね」

「それと、結界は破られた箇所だけ修復すれば良いのもメリットかな。シールドは一度破られたら消えちゃうから」

「でも、難しいんですよね」

「だな。別の方法を考えるか」

 メリットの多い結界だが、張れないのでは意味がない。俺とジェラルドが半ば諦めていると、アイリス先生は含み笑いをした。

「二人とも何言ってるの?」

「え?」

「君達は大魔法使いになれる逸材。いいえ、もうなっていると言っても過言ではないわ。だって、今現在この世界で無詠唱で魔法を発動できるのは君達だけなんだよ。そして何より」

「何より……?」

「いつの時代も愛の力は偉大なのよ!」

 アイリス先生は自信満々に何を言っているのだろうか。

「結界はね、そもそも誰かを守る為に張るものよ」

「確かに」

「愛する者を守りたいという想いが結界を作ったとも言われているわ。愛が強ければ強い程、結界も強力なものになるし、互いに互いを想って作った結界は強固に絡み合い、更なる強さを発揮すると思うの」

 今って言った? 確かな根拠やこれまでの功績もないような、ただの憶測を俺達は聞かされているのか。

「では、お兄様とジェラルド様がお二人で結界を張れば、とても強力な結界を張れるということですわね」

「そういうことよ。ノエルちゃん」

「だけど張り方が……」

「二人ならきっと大丈夫! はい、手を取り合って」

 アイリス先生によって、俺はジェラルドと手を繋がされた。

 一瞬みーちゃんが出てくるのではと警戒したが、出て来なかった。

「二人ともイメージだよ。無詠唱で魔法が出せるならイメージでどうにでもなるはず」

「そんな無茶な」

 ジェラルドも困惑している。そんなジェラルドに、ノエルが一枚の絵を見せた。

「ジェラルド様、妹の危機をイメージ致しましょう」

 すると、ジェラルドの顔つきが真剣なものに変わった。

 ジェラルド……そんなにチョロい奴だっただろうか。

「ほら、オリヴァー君も! ジェラルド君を想って結界をイメージだよ」

「……はい」

 俺はジェラルドと手を繋いだまま目を瞑ってみた。

 真面目な俺は、言われるがままジェラルドのことを考えながら結界をイメージした。

「ジェラルド君、さすがね」

「やはり、愛の力ですわね」

 ジェラルドは初めてなのにもう結界が張れたのか? 

 俺も負けていられない。ジェラルドをイメージ……じゃなくて、結界、結界、結界。

「どう?」

 目を開けると、皆が下を見ていた。視線の先には猫が一匹入れるくらいの薄っすらと黄色い光のベールが見えた。

「うーん……初めて見る形だけど、結界みたいね」

「じゃあ成功ですか!?」

「でも、ジェラルド君の比ではないかな」

「そうだ。ジェラルドのは?」

 一斉に皆が上を向いた。俺もそれに倣って上を見た。

「デカッ」

 ドーム状に薄っすらと白い光が屋敷全体を覆っていた。そこには雪の結晶のような模様もあり、何とも神秘的な光景だ。

「何はともあれ、愛の力で結界が張れるという証明になったね! あとは細かい条件設定と……より大きく、より強固にする為に愛を深めよう!」

「本来は二人きりの方が宜しいのでしょうが、刻印のせいでそういう訳にも参りませんし、わたくし達も見守りますわ」

「うん……って、練習するんじゃないの? 愛を深めるって何?」

 ジェラルドも同意見だろうと横を見ると、ジェラルドはしゃがみ込んで俺の結界を眺めていた。

「兄貴への愛情はこんなもんか……」

「いやいやいや、そこ落ち込むとこじゃないから! 落ち込みたいの俺だから!」

「よし! 兄貴としてもっと愛情を注がなければ」

「ジェラルド君、頑張って!」

 結界術向上の為、ジェラルドから愛情を注がれる日々を過ごすことになりそうだ。
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