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第八章 逆ハーレムまっしぐら
パワースポット巡りをしよう
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翌朝、俺達は再び天界まで神を探しにやってきた。
魔王とメレディスは流石に浄化させられそうなので付いて来なかった。
「はぁ、やっと羽を伸ばせる」
魔王が俺と初夜を迎えようと何処からともなく現れるのだ。魔王と二人きりになってしまったら最後、魔王に結界を張られて仲間は誰も入って来られない。
なので、昨日はメレディスとキースの間に挟まれピッタリとくっ付いて寝た。ちなみに人選は公平にジャンケンなるもので決まった。
え? 魔王は警戒するのにこの二人は大丈夫だったのかって?
大丈夫な訳がない。
病み上がりだからと、スキンシップは少なめだった。少なめなだけで、あるにはある。そして、メレディスは耳元で終始愛を囁いてくるのだ。寝られない。
そして肝心のキースだが、恋愛に関しては随分と慎重な性格だった。
普段は自然と髪をクシャッと撫でてくる事が多いキース。そんなキースはベッドの上では髪を触ったり手を繋いだり抱擁したり、とにかく、さりげない動作一つひとつにも許可を得てくるのだ。嫌だと言えば本当に何もしてこない。
自ら拒んでおきながら何もないのも寂しいような……何とも複雑な気分にさせられる。
故に途中からコクリと首を縦に振った。
今まで半ば強引な人ばかりだったので、確認されながらするそれは、今までで一番恥ずかしかった——。
「ほら、やっぱり兄ちゃんはオリヴァーの事好きだったでしょ?」
ショーンが俺の頭の上にピョコンと乗ってきた。
「今はそうかもしれないけどさ……」
キースは『男色に偏見を抱いていた』と言っていた。仲間になった当初は弟くらいにしか見られていなかったはず。ノエルの絵から始まったキースの思考の転換。まさかこんな結末になってしまうとは……。
「そんな事よりショーン、早くおりた方が……遅かったか」
ショーンはジェラルドに首根っこを掴まれた。
「誰がオリヴィアに近付いて良いって言った? この変態が!」
「そんなに怒んなくても。ジェラルドだってもう触ってるんでしょ?」
「触ってる訳ねーだろ!」
ショーンは遠くへ放り投げられた。
「わ、ジェラルドやりすぎ」
「だってよ……でもすぐ戻って……うわ、やべッ」
ショーンは上空で鷹のような鳥に捕まってしまった。そのまま鳥は翼を広げて飛んで行った。
「悪い、キース。すぐ探してくる」
「オレも行く」
ジェラルドとキースは走り出した。
「俺も行ってくるよ。ノエル達は先に泉で待ってて」
遅れて走り出そうとすれば、エドワードに腕を掴まれた。
「僕が行くよ」
「エドワードはノエル達と一緒にいてあげてよ。何かあったらどうすんの?」
「ジェラルド達もう行っちゃったし、女の子を一人で行かせられないよ」
「女の子って、俺は男だよ」
「今は女の子でしょ」
力が強すぎてエドワードの手は振り解けない。頬を膨らませて怒っているとノエルが言った。
「お二人で行かれてはどうですの?」
「こんな未知の世界に護衛なしは危ないよ」
「お兄様、ここは天界ですわよ。魔界と違って平和に決まっていますわ」
「そうかもしれないけど……」
リアムもトナカイを撫でながら言った。
「僕らにはサンタがついるから大丈夫だよ」
「何もないとは思うがの。愛し子の妹と仲間じゃ、わしが守ってやろう」
「ありがとう。エドワード行こう」
サンタにその場を任せて俺はエドワードとショーンを探しに行った。
◇
森の中を探すこと二十分。
気まずい……。
エドワードに嫌われていると思うと話しかけるのが怖い。エドワードも話しかけてこないところから見て、本当に嫌われているようだ。
「はぁ……」
「オリヴァー、大丈夫? 疲れたんじゃない?」
「うん、ちょっとだけね」
女の体になってから体力がないからか疲れやすい。それは確かにある。あるのだが……エドワードとの関係をどうしていくべきか。そこで俺は閃いた。
ノエルのように後方支援をして信頼を取り戻せば良いのでは? そうと決まれば、早速エドワードの恋愛を応援しよう!
ショーンを探している最中にどうかとも思うが、俺はエドワードの横に並んで手を繋いだ。
「わッ! みーちゃん、ごめん! 今のは違うから。浮気じゃないから!」
最近キスを始め、エロいシーンになってもみーちゃんが出て来ないのでうっかりしていた。エドワードと手を繋いだことで、みーちゃんが出てきてしまった。
エドワードを庇いながら必死にみーちゃんに謝罪をすれば、みーちゃんは刻印に戻っていった。
「オ、オリヴァー突然どうしたの?」
「あ、いや……エドワード、前に言ってたでしょ? 『ノエルと手を繋ぐ練習させて』って。だけど、ダメだったみたい」
今は森の中で実質二人きり。外なので歩いているだけではみーちゃんは出て来ない。しかし、手を繋ぐのはアウトだったようだ。
ちなみにジェラルドとリアムは、みーちゃんが出て来ない条件下、若しくは魔力封じの首輪を上手いこと使って俺にスキンシップを図っていた。
俺が死にそうになって皆が口移しで聖水を飲ませてくれたのだって、夫婦であるメレディス本人がその場に居合わせたから出来たこと。油断していた。
出だし早々失敗してしまったが、俺は諦めない。
「パワースポット巡りしよう!」
「は? ショーン探すんだよね?」
「今だって闇雲に歩いて探してるだけなんだから、パワースポットを巡りながら探しても変わらないよ」
「オリヴァー、何だかノエルみたいだね。女の子になっちゃったからかな……」
魔王とメレディスは流石に浄化させられそうなので付いて来なかった。
「はぁ、やっと羽を伸ばせる」
魔王が俺と初夜を迎えようと何処からともなく現れるのだ。魔王と二人きりになってしまったら最後、魔王に結界を張られて仲間は誰も入って来られない。
なので、昨日はメレディスとキースの間に挟まれピッタリとくっ付いて寝た。ちなみに人選は公平にジャンケンなるもので決まった。
え? 魔王は警戒するのにこの二人は大丈夫だったのかって?
大丈夫な訳がない。
病み上がりだからと、スキンシップは少なめだった。少なめなだけで、あるにはある。そして、メレディスは耳元で終始愛を囁いてくるのだ。寝られない。
そして肝心のキースだが、恋愛に関しては随分と慎重な性格だった。
普段は自然と髪をクシャッと撫でてくる事が多いキース。そんなキースはベッドの上では髪を触ったり手を繋いだり抱擁したり、とにかく、さりげない動作一つひとつにも許可を得てくるのだ。嫌だと言えば本当に何もしてこない。
自ら拒んでおきながら何もないのも寂しいような……何とも複雑な気分にさせられる。
故に途中からコクリと首を縦に振った。
今まで半ば強引な人ばかりだったので、確認されながらするそれは、今までで一番恥ずかしかった——。
「ほら、やっぱり兄ちゃんはオリヴァーの事好きだったでしょ?」
ショーンが俺の頭の上にピョコンと乗ってきた。
「今はそうかもしれないけどさ……」
キースは『男色に偏見を抱いていた』と言っていた。仲間になった当初は弟くらいにしか見られていなかったはず。ノエルの絵から始まったキースの思考の転換。まさかこんな結末になってしまうとは……。
「そんな事よりショーン、早くおりた方が……遅かったか」
ショーンはジェラルドに首根っこを掴まれた。
「誰がオリヴィアに近付いて良いって言った? この変態が!」
「そんなに怒んなくても。ジェラルドだってもう触ってるんでしょ?」
「触ってる訳ねーだろ!」
ショーンは遠くへ放り投げられた。
「わ、ジェラルドやりすぎ」
「だってよ……でもすぐ戻って……うわ、やべッ」
ショーンは上空で鷹のような鳥に捕まってしまった。そのまま鳥は翼を広げて飛んで行った。
「悪い、キース。すぐ探してくる」
「オレも行く」
ジェラルドとキースは走り出した。
「俺も行ってくるよ。ノエル達は先に泉で待ってて」
遅れて走り出そうとすれば、エドワードに腕を掴まれた。
「僕が行くよ」
「エドワードはノエル達と一緒にいてあげてよ。何かあったらどうすんの?」
「ジェラルド達もう行っちゃったし、女の子を一人で行かせられないよ」
「女の子って、俺は男だよ」
「今は女の子でしょ」
力が強すぎてエドワードの手は振り解けない。頬を膨らませて怒っているとノエルが言った。
「お二人で行かれてはどうですの?」
「こんな未知の世界に護衛なしは危ないよ」
「お兄様、ここは天界ですわよ。魔界と違って平和に決まっていますわ」
「そうかもしれないけど……」
リアムもトナカイを撫でながら言った。
「僕らにはサンタがついるから大丈夫だよ」
「何もないとは思うがの。愛し子の妹と仲間じゃ、わしが守ってやろう」
「ありがとう。エドワード行こう」
サンタにその場を任せて俺はエドワードとショーンを探しに行った。
◇
森の中を探すこと二十分。
気まずい……。
エドワードに嫌われていると思うと話しかけるのが怖い。エドワードも話しかけてこないところから見て、本当に嫌われているようだ。
「はぁ……」
「オリヴァー、大丈夫? 疲れたんじゃない?」
「うん、ちょっとだけね」
女の体になってから体力がないからか疲れやすい。それは確かにある。あるのだが……エドワードとの関係をどうしていくべきか。そこで俺は閃いた。
ノエルのように後方支援をして信頼を取り戻せば良いのでは? そうと決まれば、早速エドワードの恋愛を応援しよう!
ショーンを探している最中にどうかとも思うが、俺はエドワードの横に並んで手を繋いだ。
「わッ! みーちゃん、ごめん! 今のは違うから。浮気じゃないから!」
最近キスを始め、エロいシーンになってもみーちゃんが出て来ないのでうっかりしていた。エドワードと手を繋いだことで、みーちゃんが出てきてしまった。
エドワードを庇いながら必死にみーちゃんに謝罪をすれば、みーちゃんは刻印に戻っていった。
「オ、オリヴァー突然どうしたの?」
「あ、いや……エドワード、前に言ってたでしょ? 『ノエルと手を繋ぐ練習させて』って。だけど、ダメだったみたい」
今は森の中で実質二人きり。外なので歩いているだけではみーちゃんは出て来ない。しかし、手を繋ぐのはアウトだったようだ。
ちなみにジェラルドとリアムは、みーちゃんが出て来ない条件下、若しくは魔力封じの首輪を上手いこと使って俺にスキンシップを図っていた。
俺が死にそうになって皆が口移しで聖水を飲ませてくれたのだって、夫婦であるメレディス本人がその場に居合わせたから出来たこと。油断していた。
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「は? ショーン探すんだよね?」
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