異世界にきた俺はガス欠(魔力切れ)ステータスだった

のだ!

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顕現せよ我が伴(神剣)よ

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「で、魔法攻撃が防げたから、安心しているのではないよな」

魔神イフリートは、空中からゆっくりと地面に降り立った。

馬車の前に一人、黒ずくめの男。なかなかに愉しめそうな男には見えるが、まだ俺の敵ではないな。
聖アリラン教の高位魔法士の女。魔術戦では相当に厄介と思われるが、所詮は猫族。魔力の桁が違う俺には結局敗れることになるだろう。
そして、聖騎士。先ほどの前哨戦では、その実力を一切出すことのなかった者。

「ところで、聖騎士。お前は俺様と戦えるのかい?」
「無論」

ザイアスは、剣を構えるとカトリーヌにテレパシーを行う。

完全魔法無効化パーフェクショトマジックキャンセルを頼む』
『承知にゃりん』

カトリーヌが詠唱を行うと、俺の身体をかすかに薄い光が取り巻いた。完全魔法無効化は、先ほどの魔法とは違い単体の人物への全ての魔法効果を無効化する。
全てであるため、こちらからの魔法攻撃も出来ないし、補助魔法による強化・回復系の魔法も無効化されるというものだが、対魔法戦では圧倒的な効果を持ち、肉弾戦に持ち込めるので、戦闘士には有効な魔法である。

「抜かりはないか、良いぞ。聖騎士よ」

魔神イフリートは、魔法攻撃が無効化されると直感で先読みし、物理攻撃に直ぐに切り替えるべく斧を振り回し始まる。斧は、目で追うのが困難な程の超高速でザイアスの身体を横一文字に抜けていく。

俺は、髪一重で避けながら、攻撃を繰り出す。
しかし、魔神イフリートは攻撃を避けるそぶりも見せず、ずっと前に踏み出してきた。

「ちいっ」

瞬時に攻撃を止め、イフリートと同じく高速で前進すると横を駆け抜ける。

「ほお~、切れるな」

攻撃を止めずに俺の肉で剣を受け止めた後に、斧で一撃食らわせるのを読むとはいい感だ。
超回復のある俺だからできる攻撃方法だがらな、人間ではこうはいかんよな。

セリフを言い終えるも間もなくイフリートは反転し、炎を吐きながら接近してくる。
魔法で生成されていない炎は完全魔法無効化の効力が働かないため、俺の髪をちりちり焼き付けた。

キーン! キーン!

斧と刀のぶつかり合う音が響いてくる。魔神たるイフリートの斬撃は脅威である。並の人間族10人いても防ぐことなどできない。
しかし、ザイアスは人間族であっても、レベルはEXTRAであり人間を超越した腕力と卓越した武技を有しているだけあり、打ち合い勝負でも魔神とは互角に渡り合っていた。

「それでこそ、聖騎士だ!」

魔神は愉快そうに斧をブンブン振り回してくる。力まかせかと思いきや、それなりの技巧を持ちあわせており、攻撃の先・後を読み自在に攻防可能な武技を持つザイアスにつけいる隙を、今の処、一切与えていない。

驚いたな。魔神とはこれほどまでに強いのか、では、そろそろ本気を試させてもらうとするか。

一旦、俺は距離をとり、瞬時に気を練りこむ。気は神のレベルまでに練りこまれ神気となる。
刀剣と身体に神気を纏い、再び魔神に突撃する。

「千龍光斬破!」

超高速の斬撃が光の龍の形となり無数につらがりながら、イフリートを切り刻む。

「ぐはあっ!!!」

イフリートは斬撃の半分ほどを斧で防ぎつつ、肉体強化した腕で斬撃を強制的に相殺したものの神気の切れ味に、すざまじいダメージを受け、膝をついた。

「見事なものだ。あのお方に匹敵するぐらいの武技があると見受けるぞ。しかし・・・だ」

イフリートは魔力を全開にする。溢れ出した強力な魔力は瞬時に超速再生を肉体に施し、数十秒のうちにかなり復活を遂げた様であった。

「所詮は人間。それだけの気、長い間使える訳ではあるまい。それにな」

俺の刀を見ると、斧の相殺攻撃により折れていた。

「それでは戦えまいて。そして、もうすぐ魔法防御効果も切れるころだろうな。それだけの最高位魔法を連発すれば、魔神以外の者では、すぐに魔力切れとなるだろうよ」
「ご心配・・・、痛み入る」
「いやいや、で、次はあるのかな。なければ、これから、お主の命をもらって宴を終えることとしよう」

参ったな。とんでもないタフさだな。魔神とやらは。
カトリーヌの魔力残量がわからんが、Sランクの魔力量としても今後の事も考えると、ここで全て使いきらせる訳にもいくまい。

先はまだ長い。魔神一人に手こずっている様では、この道進めないだろう。
かといって、神気も使える時間は限られているが、武器がない。

俺は重大な事を思い出した。いや、正確にいえば、頭に霞がかかっていてに忘却させていた記憶が呼びさまされた感覚。

ともを呼び出すことを忘れるなんてな・・・試してみるか。高位魔法一発分の魔力を使ってしまうが。

「顕現せよ、我が神剣- 天地乖離剣ジャッジメント

突如何もない空間から、黄金の装飾に彩られた荘厳な長さ70センチ程の刀身を持つ両刃剣が出現する。
鞘を抜くと、剣先が空気にふれ分子を分断することで、輝きを見せている。

この剣は、神剣ゆえに神気を纏わない者には取り扱えず、それ故に俺が以前いた世界でも普段は、別の空間に保管しており必要になった場合のみ召喚していたものであった。
別空間に保管してあったため、俺が転移させられたこの世界でも召喚が可能となりえた訳だが、もともと召喚自体も時空魔法を使用するためにカトリーヌと隷属契約前のザイアスでは魔力不足で召喚魔法自体の起動ができなかっただろう。

「ほお! なんという見事な剣だ。神剣か!? 見掛け倒しでないことを祈っているぞ」
「ははっ、ははっ。いくぞ、伴よ」

俺は、剣が召喚できた喜びを隠しきれず言葉にだす。と同時に、魔神との距離も測らず、軽く神剣を振る。

「なんだ!?」

魔神は呆れて嗤うと、斧を振りかざす。が、その斧は真っ二つに断裂していた。
イフリートの視界も左右同時に両方から天地が交差する。
いや、イフリートが縦真っ二つに分断されていたのであった。

「ばっ・・・・」

超回復力を持つイフリートは、己が身体同士をくっつけるため魔力を最大出力した。
が、元に戻る気配がない。

「・・・この剣は、世界を創造する際に天と地を分断するため、創成神が創ったと云われる唯一無二の神剣。切られた者は、我が望む限り何であろうと未来永劫に分断し結びつくことはない」
「がぁあ・・・・・・・」
「そして、俺が愛する唯一の神具トモでもある」

俺は、ジャッジメントを数回振り回すと苦しんでいたイフリートに留めを刺したのであった。
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