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要塞都市セレーネ攻防編Ⅳ
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魔神アンラマンユは、眼前の男を見つめていた。その男は、片手に黄金の剣を持ち、剣ともども全身が光り輝いている。
「強き者よ。斃す前に挨拶をしておこうと思ってな。我は、アンラマンユ。魔王軍の大将軍であり、NO.2の魔王代行の地位にある者だ」
ほう。この者、神気を使える様だな。しかもあの剣、神剣とみた。なるほど、並の魔神では相手にならん訳だ。
挨拶は口上であり、くまなく敵の身体から発する情報を収集している。
「俺は、ザイアス・オルフェウスだ」
「では、死合おうかのう」
「少し話さないか?」
「ほう、なんだ云ってみろ。少しなら聞いてやらんでもないぞ」
俺も時間を取りながら、アンラマンユの情報を探っていた。
魔王(エカテリーナ)と同じ匂いがする。こいつも、恐らくは魔神気が使える公算が高いな。
「実は、俺の敵は、魔王軍でない」
「笑わせるな」
意外な言葉にアンラマンユは失笑する。
「魔王軍ではなく、魔王そのものただ一人だということさ。つまり、アンタも俺の敵ではない」
「戯言を。臆したか」
「アンタ程の実力者なら、俺の実力もわかるはず。俺が臆する者の様に見えるか」
「超位魔法を相殺する程の神技の持ち主であることはわかったが、その発言の意図が理解できぬな。お主、人間であろうが。魔族は敵ではないのか」
「俺が、この世界の住人であったらそうだろうな。しかし、俺はもともとこの世界の人間ではない。異次元から転移してきた者故に、そういうしがらみは一切ない」
「なんだと!? 転移者だと」
なるほど。そういうことか、オロバスの読み通りという訳か。人外の力もそれなら理解できるわ。
「言い分は分ったが、こちらも面子がある。これだけいい様にやられては、もはや引き下がれまいて」
「では、どうだろう。10分間戦って決着がつかなかったら、引き分けということで仕切りなおさないか。無論、アンタが望むなら条件付きで再戦もしよう」
「・・・魔王を斃した後にということか?」
「察しがいいな。その通りだ」
二人は神気を纏いつつ、お互いの隙を探りながら会話を進める。
「なかなか大胆な奴よのう。条件を呑むに相応しき程の実力者と認めることができたなら、こちらも条件つきで提案に乗ってもいいぞ」
「感謝する」
「では、お互いに10分間生死を掛けて死合おうではないか。っと、その前にこちらの条件として互いに死の宣告をかけさせてもらうぞ」
「死の宣告?」
「ああ、お主からの提案だ。それがこちらの条件だ。死合うとは、こういうことではないかな。余が死ねば自動で解除されるし、引き分けならば自動で解除できる。無論、この話が与太である可能性も十分にあるし、検証の仕様もないがな。ふふっ、さて受けるや否や」
アンラマンユは、戦いに餓えていた。眼前の敵は間違いなく自分の生命を脅かすことのできる漢。血が沸々と湧いてくるのを感じる。
「・・・・死ぬ気でやるしかないということだな」
「もとより、死合いとはそういうものだ」
「いいだろう」
「うむ。いい心意気だ。死の宣告!」
俺は、自身に悪寒が通り抜けるのを感じる。
「サービスという訳ではないが、額の前辺りに数字が見えるだろう。それが死までのカウントダウンだ。では、始めるぞ」
「承知」
「完全遮蔽」
アンラマンユは忽然と姿を消した。パーフェクショナルインジビルは物体透明化による視覚検知に限らず匂い・音も含め探索系魔法から完全に捉えられない魔法である。
厄介な魔法を。しかし、それは経験済だ。
「空神」
空神は、神剣ジャッジメントを利用し神気を周囲の空間にソナーの様に放つことで、同じ空間に存在するすべての物を探索する武技の一つである。
ただし、神気を飛ばす故、一回当たりの気の消耗が激しいため多用はできない。また、なまじ情報量が多く跳ね返ってくるため、脳内の演算処理を圧迫するというデメリットがある。
「そこだ! 一気通貫!」
気配を感じた空間に、神剣から地平線まで届くであろう威力を誇る空間を抉る貫通ビームが放たれる。正確には神気の通る軌道上の分子が原子分解され、その斬撃がビームの様に見えている。
完全瞬間転移か・・・
気配を捉えて居た場所に斬撃が届くほぼ瞬間に、アンラマンユが完全に消失する。
と同時に、ザイアスに一斉に四方から闇の即死系電撃が向かってきた。喰らえば魂が瞬時に闇に消失する最高位魔法デスオブザダークネスサンダーだ。
俺は、神気と空中浮遊による高速移動により電撃をかわしつつジャッジメントで電撃を分断する。
遅延魔法の多用技か、俺自身の攻撃の様な錯覚を覚えるぞ
アンラマンユは、完全瞬間転移を繰り返しながら攻撃魔法に遅延魔法を組み合わせ、ザイアスに自身の居所を完全にわからない様に、かつ、魔法も不作為に発動させることで容易に躱せない攻撃手法を使っていた。
あれを躱すとはやりおるが、余を捉えられない限り、いかな神技も無意味よのう
俺とアンラマンユは目にもとまらぬ素早さで、一撃必殺の武技と魔法をお互いに繰り出していく。
「はにゃ、ご主人様の姿が捉えられないですにゃー」
カトリーヌは、高速軌道を描くネオンライトの渦に目をクルクル回しながら、ザイアスを見ていた。
ザイアスからコンタクトするまで、話しかけないことといわれているので、我慢しながら様子を監視塔から伺っている。
隣で警護するクレメントは、ザイアスの高速移動をなんとか捉えてはいたものの二人の闘いに茫然と立ちすくんでいた。
神話の戦いとは、こういう感じだったのよね。きっと・・・
要塞都市セレーネの上空では、閃光や闇が乱舞する壮絶な展開が繰り広がれ、都市に住む人々は窓から固唾をのんで見守るのであった。
「強き者よ。斃す前に挨拶をしておこうと思ってな。我は、アンラマンユ。魔王軍の大将軍であり、NO.2の魔王代行の地位にある者だ」
ほう。この者、神気を使える様だな。しかもあの剣、神剣とみた。なるほど、並の魔神では相手にならん訳だ。
挨拶は口上であり、くまなく敵の身体から発する情報を収集している。
「俺は、ザイアス・オルフェウスだ」
「では、死合おうかのう」
「少し話さないか?」
「ほう、なんだ云ってみろ。少しなら聞いてやらんでもないぞ」
俺も時間を取りながら、アンラマンユの情報を探っていた。
魔王(エカテリーナ)と同じ匂いがする。こいつも、恐らくは魔神気が使える公算が高いな。
「実は、俺の敵は、魔王軍でない」
「笑わせるな」
意外な言葉にアンラマンユは失笑する。
「魔王軍ではなく、魔王そのものただ一人だということさ。つまり、アンタも俺の敵ではない」
「戯言を。臆したか」
「アンタ程の実力者なら、俺の実力もわかるはず。俺が臆する者の様に見えるか」
「超位魔法を相殺する程の神技の持ち主であることはわかったが、その発言の意図が理解できぬな。お主、人間であろうが。魔族は敵ではないのか」
「俺が、この世界の住人であったらそうだろうな。しかし、俺はもともとこの世界の人間ではない。異次元から転移してきた者故に、そういうしがらみは一切ない」
「なんだと!? 転移者だと」
なるほど。そういうことか、オロバスの読み通りという訳か。人外の力もそれなら理解できるわ。
「言い分は分ったが、こちらも面子がある。これだけいい様にやられては、もはや引き下がれまいて」
「では、どうだろう。10分間戦って決着がつかなかったら、引き分けということで仕切りなおさないか。無論、アンタが望むなら条件付きで再戦もしよう」
「・・・魔王を斃した後にということか?」
「察しがいいな。その通りだ」
二人は神気を纏いつつ、お互いの隙を探りながら会話を進める。
「なかなか大胆な奴よのう。条件を呑むに相応しき程の実力者と認めることができたなら、こちらも条件つきで提案に乗ってもいいぞ」
「感謝する」
「では、お互いに10分間生死を掛けて死合おうではないか。っと、その前にこちらの条件として互いに死の宣告をかけさせてもらうぞ」
「死の宣告?」
「ああ、お主からの提案だ。それがこちらの条件だ。死合うとは、こういうことではないかな。余が死ねば自動で解除されるし、引き分けならば自動で解除できる。無論、この話が与太である可能性も十分にあるし、検証の仕様もないがな。ふふっ、さて受けるや否や」
アンラマンユは、戦いに餓えていた。眼前の敵は間違いなく自分の生命を脅かすことのできる漢。血が沸々と湧いてくるのを感じる。
「・・・・死ぬ気でやるしかないということだな」
「もとより、死合いとはそういうものだ」
「いいだろう」
「うむ。いい心意気だ。死の宣告!」
俺は、自身に悪寒が通り抜けるのを感じる。
「サービスという訳ではないが、額の前辺りに数字が見えるだろう。それが死までのカウントダウンだ。では、始めるぞ」
「承知」
「完全遮蔽」
アンラマンユは忽然と姿を消した。パーフェクショナルインジビルは物体透明化による視覚検知に限らず匂い・音も含め探索系魔法から完全に捉えられない魔法である。
厄介な魔法を。しかし、それは経験済だ。
「空神」
空神は、神剣ジャッジメントを利用し神気を周囲の空間にソナーの様に放つことで、同じ空間に存在するすべての物を探索する武技の一つである。
ただし、神気を飛ばす故、一回当たりの気の消耗が激しいため多用はできない。また、なまじ情報量が多く跳ね返ってくるため、脳内の演算処理を圧迫するというデメリットがある。
「そこだ! 一気通貫!」
気配を感じた空間に、神剣から地平線まで届くであろう威力を誇る空間を抉る貫通ビームが放たれる。正確には神気の通る軌道上の分子が原子分解され、その斬撃がビームの様に見えている。
完全瞬間転移か・・・
気配を捉えて居た場所に斬撃が届くほぼ瞬間に、アンラマンユが完全に消失する。
と同時に、ザイアスに一斉に四方から闇の即死系電撃が向かってきた。喰らえば魂が瞬時に闇に消失する最高位魔法デスオブザダークネスサンダーだ。
俺は、神気と空中浮遊による高速移動により電撃をかわしつつジャッジメントで電撃を分断する。
遅延魔法の多用技か、俺自身の攻撃の様な錯覚を覚えるぞ
アンラマンユは、完全瞬間転移を繰り返しながら攻撃魔法に遅延魔法を組み合わせ、ザイアスに自身の居所を完全にわからない様に、かつ、魔法も不作為に発動させることで容易に躱せない攻撃手法を使っていた。
あれを躱すとはやりおるが、余を捉えられない限り、いかな神技も無意味よのう
俺とアンラマンユは目にもとまらぬ素早さで、一撃必殺の武技と魔法をお互いに繰り出していく。
「はにゃ、ご主人様の姿が捉えられないですにゃー」
カトリーヌは、高速軌道を描くネオンライトの渦に目をクルクル回しながら、ザイアスを見ていた。
ザイアスからコンタクトするまで、話しかけないことといわれているので、我慢しながら様子を監視塔から伺っている。
隣で警護するクレメントは、ザイアスの高速移動をなんとか捉えてはいたものの二人の闘いに茫然と立ちすくんでいた。
神話の戦いとは、こういう感じだったのよね。きっと・・・
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