異世界にきた俺はガス欠(魔力切れ)ステータスだった

のだ!

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要塞都市セレーネ攻防編Ⅴ

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残り5分を切ったか。

俺は、目の前に浮かぶ光の数字を見る。数字は4を表示している。
激しい攻防戦は、既に5分を経過。
お互いに傷を負えば即、死につながる攻撃の応酬を見事な体術と神技と魔術により、まったく傷を負うことなく繰り広げている。

魔神アンラマンユは血が沸騰する程の高揚感で戦闘を愉しんでいた。

これほどの高次元の闘い、いつぶりか。あの女(エカテリーナ)とやった以来かのう

地獄の魔槍ヘルランス

真っ黒に燃え盛る闇の槍が幾重にも展開し、ザイアスに襲い掛かる。
しかし、ザイアスは天地乖離剣により、全てを異空間にのみ込む。

「一気通貫」

俺は、地獄の魔槍とは全く違う位置に存在するアンリマンユに向かって技を発動する。

完全遮蔽しているにも関わらず、実に見事な探知よのう。完全瞬間転移を使い続けねばならぬ程の見事な読み、戦士として超一流なのだろうて。
だが、悪いが余に手傷を負わせぬ限りは、引き分けを認めることは出来ぬな。

アンリマンユは不敵な笑顔で、更に追い込みをかけるべく高位魔法を展開していく。

空間振動ディメンションウェーブ

時空魔法に属する高位魔法。空間を振動することで振動を受けた物体を強力に破壊する。

俺は、瞬間移動を使い、瞬時に監視塔まで移動する。

カトリーヌ。超回復ハイヒールと魔力供給を頼む。
はいにゃり。

ギリギリまで体力を消耗しつくした俺は、超回復により一気に体力が全回復した。

が、残り4分。

ご主人様、どうするにゃ。完全魔法無効化を使うにゃりか?

カトリーヌは、ザイアスの眼前に光る数字をみて緊張しハラハラしていた。

このままでは、時間切れで死んでしまうにゃ

いや、残り2分を切ったら、・・・・を頼む。それで、もし俺が死ぬようなことがあったら、完全蘇生復活リザレクションを宜しくな。

俺は、極めた武技をアンリマンユに叩きこんでいたが、全て完全に躱されてしまうことに正直焦りを感じていた。推測ではあるが、先読みスキルにより動きを完全に読んでいるのだろう。

想像以上に厄介な闘いだな

そして、再度、アンリマンユの気配のする場所に瞬間移動する。

ご主人様・・・

魔王とあった時は、その強大なオーラに震えていたカトリーヌであったが、
「そうだ、敵を前にびびってちゃ、勝てるものも勝てない。少なくとも神に一心不乱にお祈りできるぐらいの状態でなきゃね」
とのザイアスの言葉を想いだし今度は気を引き締め、祈りを主人に捧げる。

さて、聖騎士よ。このままだと時間切れで死ぬぞ、どうする

アンリマンユは一切手を抜くことなく、高位魔法を連発する。ザイアスの死亡確定までの残り2分を切った。
ザイアスもまた、先読みスキルをもっており、この戦闘の終焉を未来予知していた。

では、俺は死ぬ。

この世界から強制的な能力制限を受けている今の俺では、この10分で魔神を倒すまでにはいたらないらしい。

「おらおら!」

アンラマンユは不敵な笑みを浮かべ、一瞬だけ静止をかける。おそらく、彼もまた先読みスキルで未来予測をして結果を理解したのだろう。

しかし、それは油断だ。カトリーヌ、今だ!

俺の強いパスを受け、カトリーヌは無系統高位魔法を発動させる。

魂の対価コンシダレーションオブザソウルにゃー!」

魂の対価コンシダレーションオブザソウルは、自身の生命を糧に魔力を一時的に対価として引き上げる一種の魔法。
特に生命の危機に瀕していればいる程に、その対価としての威力は急激に上昇する。
そして、まさにザイアスの命運がいま尽きようとしているこの瞬間、対価はとてつもなく跳ね上がり、転移前の究極に近い魔力をザイアスは手に入れていた。

いま、この瞬間しか使えない。因果を捻じ曲げる!

「いくぞ! 世界の終焉エンドオブワールド!」

俺の叫びとともに、世界が暗転する。白は黒く、黒は白く。ネガポジの世界。
完全魔法無効化を無視し、世界にあるありとあらゆるすべての時空物体を完全停止させる大禁呪の時空超位魔法。
時空最高魔法である時間停止タイムストップを超える概念で構成されているため、時間停止中で活動できる者でさえ、この魔法の前では時間を停止させられていることを認識できない。
この魔法に対抗するには、唯一のもう一つの大禁呪時空魔法をぶつけるしかないが、そもそもこの魔法を使えるものがザイアスしか存在しないため、実質的な無敵魔法であり、むしろ概念でいえば超位魔法を超えるとされる神位魔法に属するといっても差し支えない。

完全に時空の停止した中、魔神アンラマンユを空神で探索する。

「悪いな、アンタが死の宣告カウントダウンオブザデスを俺にかけた時から、既にこれを発動する手はずは整っていたのさ」

天地乖離剣で魔神アンラマンユを一刀両断する。

「が、背水の陣である策ゆえに俺も無事では済まぬのだがな」

大禁呪魔法の発動時間は超短時間であっても、神が保有するであろう程のすざまじい魔力を消費する。
魂の対価を使用した俺の魂は、対価として既に半分ほど消失していた。

・・・後は、頼むぞ。カトリーヌ・・・

俺は、瞬間移動し時間停止しているカトリーヌの前までくると、その場で意識を完全に失い、死亡した。
瞬間、世界の暗転は反転し元に戻る。

「カハッ、一体・・・な・に・が・・・起・こったの・だ?」

アンラマンユは左右に反転する景色を見ながら、自身に起こった事象を認識できなかった。

未来は完全に聖騎士が死亡している姿を映していたはず・・・・

そして、そのまま絶命する。

ご、ご主人様!!!

突如、目の前で倒れているザイアスをカトリーヌは発見する。息をしていない。

死者蘇生リザレクション!!!」

ザイアスをオレンジ色の聖魔法が包み込む。土色の顔色に生気が漲ってくる。

「ご主人様! 起きるにゃリ!」

カトリーヌは、ザイアスを抱えるとゆっくりと動かした。
だが、主人の意識は戻らない。

「カトリーヌ様、ここは私にお任せを」

クレメントはザイアスの胸に耳をあてる。心臓の鼓動は聴こえる。息づかいもある。

「一旦、屋敷に戻りましょう。医者を手配するのが最善の策と思います」

クレメントはザイアスを抱えると監視塔の階段を、涙を浮かべながら後をついてくるカトリーヌとともに足早に降りていくのであった・・・
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