異世界にきた俺はガス欠(魔力切れ)ステータスだった

のだ!

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コロンボ王国からの使者

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デトロイン帝国カルボ宮殿。

皇帝ワイズは、コロンボ王国からの外交使節団の使者と面会していた。

「国王からの書状によれば、貴国はデルビア神魔国から一方的に不可侵条約を破棄され、国境付近にデルビア神魔国軍の待機軍を確認しているとなっているな」
「その通りでございます。ワイズ皇帝陛下。先般、デルビア神魔国エカテリーナ王との会談が物別れに終わったのが、そもそもの事の発端でございます」
「ふむ。こちらもその情報は聞いておるよ。それで、このデトロイン帝国と軍事同盟を結びたいということかな」
「いかにも。無論ただとは申しませぬ。こちらも、一定の貴国への協力を致す所存」
「どの様な協力をお考えかな? こちらに理するものがなければ、残念ながら協定を結ぶにはリスクが高いものと考えますが」

宰相ドミニオンは、使者に条件を問いただす。

「まず、貴国の手薄になっているデルビア神魔国軍国境付近の都市にわが軍から増援を致します。それと、毎年、一定の軍事協力費をお支払い致します」
「失礼ながらおたずね申し上げるが、貴国から兵を出す余力がおありなのかな」
「無論、わが軍が一方的にという訳ではなく、この協定が適った折には、貴国からも我が国へ一定の兵力を派遣願いたいと考えています。それにより、デルビア神魔国軍も我が国に迂闊には手を出すことはないかと」
「成程、考えたものだな」
「つまり、現在、休戦条約を結んでいる国の兵に攻撃を仕掛けてきた場合、大儀はこちらにあることになる。その牽制効果を考えてとのことですかな」
「それ以外にもあります」
「ほう、それは?」
「一度、ザイアス卿に当方にお越し頂くことで、その牽制効果を確実なものに出来るかと考えています」
「確かに卿が転移可能と知れば、神魔国軍への効果は絶大になるな」

あの強大な力を前に並の軍では立ち向かう者などいないからな。余も立場が逆であったら同じ事を考えたかも知れん。

「しかし、彼がその申し出を受けるかはわからんぞ」
「と申されますと?」
「うむ。まあ、ある取り決めをかわしておってな、しばらくは、余が命令を下すことは出来ないのでな」
「・・・左様ですか」
「すまんですな。だが、事情を伝え依頼という形で協力することは出来るかもしれませんぞ」
「我々も直接お会いし協力を是非に取り付けいたしたい」
「まあ待ちなさい。まだ、皇帝陛下が貴国と協定を締結すると判断された訳ではない」
「失礼いたしました。では、陛下のご判断はいかに」

コロンボ王国は弱小王国のため、過去の歴史から蝙蝠外交を取ってきた国。先の聖戦でも中立的な立場をとり、何とか国土を防いだ国家。
魔族に近い種族とはいえ、魔族に虐げられている事実もあり、不可侵条約を破棄され危機に直面しているのも事実。

「よかろう、貴国との協定に応じようではないか」
「おお、感謝いたします。早速、エドワード国王にも連絡を致します」
「これを機に両国が活発な友好を結べる事を期待しておりますぞ」
「こちらこそ」

裏の事情を全く知らされていないコロンボ王国の外交使節団は心から感謝の意を示すのであった。

--------------------
要塞都市セレーネ、ザイアス邸。

俺は応接室で、デトロイン帝国皇帝からの使者とコロンボ王国からの外交使節団と面会していた。

「・・・なるほど、事情はお伺いいたしました。私が抑止力に少しでも役割を担うことが出来るというのであれば、喜んでご協力致しましょう」
「ご厚意ありがたく感謝にたえません」
「ワイズ皇帝陛下にも、よろしくとお伝えください」
「御意」

あの女(エカテリーナ)の考えていることはわからんな。いや、以前あったオロボスという戦略担当相の考えか。
対立しそうな芽を早く抓んでおこうという策略だったのだろうが、裏目に出たな。

しかし、どことなく引っかかる気もするが、神魔国軍が動いているのも事実だし裏があったとしても、当分様子を見る他はあるまいて。

俺は、コロンボ王国の使節団と握手を交わしながら、王国への出立の日程を打ち合わせする。
日程は、2週間後と決まった。一旦、使節団が戻り、王国側で受け入れ歓迎の準備をするらしい。

「あまり、大げさな歓迎は無用にお願いしたいですね」
「いや、噂に高いザイアス辺境伯をお迎えするのですから、国賓として丁重に応対しなければ」

要塞都市セレーネ攻防戦の一件以来、ますます自身に対する噂が一人歩きしていて、迂闊に外に護衛なしでは歩けない状態になっているのは事実だが。

「国賓といっても、実際は私は名誉貴族ですしね」
「貴族と同時に偉大なる英雄でもあらせられますし、同じ事ですよ辺境伯殿」

使節団は、にこやかに微笑むとこうして帰国の途に向かうのであった。

-------------------------
2週間後。

俺はカトリーヌとクレメントさん、スタッガーさんと、親衛隊数名を引き連れてコロンボ王国に出発した。

馬車に揺られながら、4人で会話を楽しむ。

「コロンボ王国かあ、オーガ族の人が殆どなんだよね?」
「あら、ザイアス様はオーガ族の方になにか思い入れがあるのですか」
「いや、オーガ族の人って筋肉マッチョな人のイメージがあって、そういう人がいっぱいいるとこを想像すると思わずっていうか」
「ご主人様、それは違うにゃ。人間族と変わらないにゃ、筋肉ないオーガも多いにゃよ」
「そうか、それはホッとしたよ」

確かに一番最初にこの世界であったオーガのおっさんも筋肉隆々ではなかったしな。

「美女も多いと聞きましたわ」
「そうなんですか、それも意外・・・いや失礼」

口からキバがはみ出ている美女を想像するが、あまりピンとこない。

「もしかして、キバが出ているところを想像してませんか」

珍しくスタッガーさんが、会話に入ってきた。

「えっ、いえ」
「女性は、キバは出ていない方が多いですよ」
「はっ、そうなんですか。しかし、スタッガーさんがそういう事に詳しいとは意外でしたね」
「あくまでも一般論ですよ、ね、クレメントさん」
「狼族の男性は、結構、オーガ族の女性が好みと聞いたことがありましたわねぇ」
「その様なことは・・・ない」

スタッガーさんの珍しく照れる姿に、3人で微笑する。
こうして、1週間をかけて、ようやくコロンボ王国に我々一行は到着したのであった。
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