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招かれざる客
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一泊二日の宿泊会は最初に客船内の広間件ロビーでの挨拶が終わった後、プログラムに則って、船内散策、自由時間、オーシャンビューを背景に海外の音楽団による音楽鑑賞会、旅芸人たちのプレミアムショーと演劇の後、歌姫と吟遊詩人によるディナーショーが行われ、1日の〆に港から打ちあがる花火を鑑賞するという流れだ。
従業員の監視もあってか挨拶から音楽鑑賞会までの予定の中、特に騒ぎ立てることもなく静かに催しを楽しんでいる雰囲気だった。
途中赤ちゃんがぐずってしまったが、うちの従業員たちの臨機応変な対応で別室に移動させたことで空気を壊さずに済んだ。
ユエルはなにか言いたげだったがそもそも三歳児以下の入場は規約で禁止していることを出せば強くいうこともなく。このまま順調に予定が終わればいいのだけど。
音楽鑑賞が終わり、休憩を挟んだ後、宿泊会でも期待されている演目のひとつ、演劇鑑賞が始まろうとしていた。
演劇鑑賞では激しい色味の照明や大きな音が使われる予定なので、心臓が弱い人や妊娠した女性や小さい子供は安全を考慮して別室で世界のお菓子試食会を楽しんでもらう予定だった。
ユエルも赤ちゃんを連れているのでそちらに案内する予定だったのだが、それが気に喰わない様だった。
「嫌よ。どうして演劇が楽しめないのよ。赤ちゃんの面倒くらいみててくれたっていいでしょう!」
「申し訳ありません。演出上の都合で体が弱い方は別室で別の出し物を楽しんでいただく予定となっておりますので、こちらに参加することはできません」
「貴方じゃ話にならない!リリエルを呼んできなさいよ!」
大声は裏方で段取りを確認していた私にも聞こえてきた。
参加者たちはそれぞれが指定された席に座り、鑑賞会を楽しみにしているというのに。
わざわざシアターの舞台の真ん前までやってきて抗議をしているようだった。
ユエルから発せられる怒鳴り声に胸の中に抱かれて眠っていた赤ちゃんが泣きだし、状況は余計に混沌を極めた。
監視役を頼んでいた従業員では手に負えないと判断した私は舞台袖から姿を見せると、ユエルは不満を込めてキっと睨んだ。
「リリエル、聞いてよ。赤ちゃん連れだと演劇が見れないんですって。これって差別じゃないの!?どうにか言ってよ!」
「演出の都合上、心臓が弱い方の鑑賞はお断りしているんです。妊婦や小さなお子様連れのお客様には別室で違うプログラムを楽しんでいるので、そちらに向かっていただくようにお願い申し上げます」
「この子のせいならあなたが預かっててよ。それとも、小さい子供を連れた私は客じゃないとでもいいたいの?」
小さい子供連れのお客様には事前に口頭で伝えてあるし、全員理解して別室に移ってもらっている。ユエルだけではなく関係なく等しく同じように扱うのは当然のことだ。
そもそも、楽しむために押し掛けたのならそれはそれで赤ちゃんを連れてこなければよかったのに。
癇癪を起こせば今まで相手が折れて思い通りになっていたから、今回も同じように癇癪を起して自分の主張を通そうとする。
いい大人が感情に任せて周りに迷惑をかけるなんて間違っている。
というか、それに巻き込まれるお客様も私も迷惑だ。
「リリエル、どうした。開演時間までもう――」
船内を巡回していたユーゴーが合流した。騒ぎを聞きつけて来てくれたのだろう。ユエルを止めることもなく、ただ静かに座るサイレーン。そして騒ぎを起こしてるユエルに表情を顰めた。
「……リリエル、ここはいいから別室に向かってくれ」
「あら、ユーゴー様じゃありませんか。サイレーン様と別れた後にリリエルに言い寄っているそうですけど、気があるんですかぁ?」
ユエルはユーゴーを見下すように語尾を跳ね上げて鼻息を鳴らすと、ユーゴーは安い挑発だと舌打ちを鳴らした。
駄目だ。感情的になって相手にすれば相手の思うツボだ。
それはわかっているだろうに、ユーゴーはあふれ出る怒りを我慢するように拳を作る。
「そうですよね。学園時代、リリエルばかり構っていたのですもの。離婚したらちょっかいかけるのも頷けますわ。でも、リリエル。離婚して1年も経っていないのにもう他の男に乗り換えなんて気が早過ぎない?」
ユエルは気づいてさらに罵倒を浴びせる。ユーゴーや私がなにをしているか、今の状況で出す話題でもない。私の評判をどうにかして下げたい意図が見えた。
今日はとても大切な日なのに。これしきのことで狼狽えては周りのお客様も幻滅してしまうだろう。
それに記者が複数人いる。対応を間違えればゴシップネタとして醜聞が広まる。
リリエルが私を尻軽女として騒ぎ立てて私がゴシップネタになるか。ユエルが自分から自滅してくれるのを待つか。しかし、彼女にはもう何も失うものがないと言いたげに暴走している。
サイレーンも目が死んでいる。
黙っていてはユーゴーまで巻き込まれてしまう。どうせ私が悪者になるくらいなら――。
「あら、夫と別れて新しい恋路を探すのはなにかおかしいことなの?ユーゴーは未婚だし、私も独身だし、アプローチしてもなにも関係ないことだと思うけど」
心の中で謝りながら、ユーゴーに腕を絡めてしなだれかかる。この間従業員として雇った元娼婦の女性から教わった誘惑術を披露する。
流し目なんて人生で初めてなんだけど、どうかな。とユーゴーを見上げると、鳩が豆鉄砲を食ったような表情で固まっていた。
黙っていた方が好都合だ。
「無神経だと罵りたいなら、あなたはどうなの?人の夫を寝取った挙句に、縁を切った元友人の職場まで子供を連れて無理に押しかける女の面の皮はどれほど厚いのでしょう。鋼鉄くらい?」
首を傾げてやると、ユエルは思いのほか挑発に乗り、わなわなと肩を震わせた。
まさか自分のことは棚に上げられたままだと思っていたの。浅はかすぎて笑いが漏れちゃう。
「あなたがどうなろうと知ったことではないけれど、生まれたばかりの子供の体調も考慮せず、ただ自分がしたいように振舞って周りに迷惑をかける両親に育てられる子供の環境を考えるといたたまれないわ。不倫した男の子供出産したって母親なんだから、少しは子供の為に自重したら?」
「~~~~っ!はっ。それがあんたの本性ってわけ。男好きの癖に貞淑を装っちゃって。サイレーン様も飽きてユーゴーに乗り換えたいから捨てたんでしょう」
「……?なにを言っているの?サイレーン様は自分の意思であなたと子供を選んだんでしょう?話を捏造しないでくれるかしら」
これ以上相手にしても話は堂々巡りになるだろう。こちらとしても礼儀は尽くしたつもりだし、特別待遇で客船に招いた。これ以上我慢する必要はない――。
気持ちが固まって彼女たちを追い出そうと口を開こうとしたとき。腰に当てられる手のひらの温もりを感じた。
ユーゴーが身体を引き寄せ、綺麗にセットされたブルーがかったブロンドの横髪を耳にかける。いつになく穏やかな表情で、逆に怖い。
悪魔の笑みをひやりと作ると、ユエルを静かに見つめた。
従業員の監視もあってか挨拶から音楽鑑賞会までの予定の中、特に騒ぎ立てることもなく静かに催しを楽しんでいる雰囲気だった。
途中赤ちゃんがぐずってしまったが、うちの従業員たちの臨機応変な対応で別室に移動させたことで空気を壊さずに済んだ。
ユエルはなにか言いたげだったがそもそも三歳児以下の入場は規約で禁止していることを出せば強くいうこともなく。このまま順調に予定が終わればいいのだけど。
音楽鑑賞が終わり、休憩を挟んだ後、宿泊会でも期待されている演目のひとつ、演劇鑑賞が始まろうとしていた。
演劇鑑賞では激しい色味の照明や大きな音が使われる予定なので、心臓が弱い人や妊娠した女性や小さい子供は安全を考慮して別室で世界のお菓子試食会を楽しんでもらう予定だった。
ユエルも赤ちゃんを連れているのでそちらに案内する予定だったのだが、それが気に喰わない様だった。
「嫌よ。どうして演劇が楽しめないのよ。赤ちゃんの面倒くらいみててくれたっていいでしょう!」
「申し訳ありません。演出上の都合で体が弱い方は別室で別の出し物を楽しんでいただく予定となっておりますので、こちらに参加することはできません」
「貴方じゃ話にならない!リリエルを呼んできなさいよ!」
大声は裏方で段取りを確認していた私にも聞こえてきた。
参加者たちはそれぞれが指定された席に座り、鑑賞会を楽しみにしているというのに。
わざわざシアターの舞台の真ん前までやってきて抗議をしているようだった。
ユエルから発せられる怒鳴り声に胸の中に抱かれて眠っていた赤ちゃんが泣きだし、状況は余計に混沌を極めた。
監視役を頼んでいた従業員では手に負えないと判断した私は舞台袖から姿を見せると、ユエルは不満を込めてキっと睨んだ。
「リリエル、聞いてよ。赤ちゃん連れだと演劇が見れないんですって。これって差別じゃないの!?どうにか言ってよ!」
「演出の都合上、心臓が弱い方の鑑賞はお断りしているんです。妊婦や小さなお子様連れのお客様には別室で違うプログラムを楽しんでいるので、そちらに向かっていただくようにお願い申し上げます」
「この子のせいならあなたが預かっててよ。それとも、小さい子供を連れた私は客じゃないとでもいいたいの?」
小さい子供連れのお客様には事前に口頭で伝えてあるし、全員理解して別室に移ってもらっている。ユエルだけではなく関係なく等しく同じように扱うのは当然のことだ。
そもそも、楽しむために押し掛けたのならそれはそれで赤ちゃんを連れてこなければよかったのに。
癇癪を起こせば今まで相手が折れて思い通りになっていたから、今回も同じように癇癪を起して自分の主張を通そうとする。
いい大人が感情に任せて周りに迷惑をかけるなんて間違っている。
というか、それに巻き込まれるお客様も私も迷惑だ。
「リリエル、どうした。開演時間までもう――」
船内を巡回していたユーゴーが合流した。騒ぎを聞きつけて来てくれたのだろう。ユエルを止めることもなく、ただ静かに座るサイレーン。そして騒ぎを起こしてるユエルに表情を顰めた。
「……リリエル、ここはいいから別室に向かってくれ」
「あら、ユーゴー様じゃありませんか。サイレーン様と別れた後にリリエルに言い寄っているそうですけど、気があるんですかぁ?」
ユエルはユーゴーを見下すように語尾を跳ね上げて鼻息を鳴らすと、ユーゴーは安い挑発だと舌打ちを鳴らした。
駄目だ。感情的になって相手にすれば相手の思うツボだ。
それはわかっているだろうに、ユーゴーはあふれ出る怒りを我慢するように拳を作る。
「そうですよね。学園時代、リリエルばかり構っていたのですもの。離婚したらちょっかいかけるのも頷けますわ。でも、リリエル。離婚して1年も経っていないのにもう他の男に乗り換えなんて気が早過ぎない?」
ユエルは気づいてさらに罵倒を浴びせる。ユーゴーや私がなにをしているか、今の状況で出す話題でもない。私の評判をどうにかして下げたい意図が見えた。
今日はとても大切な日なのに。これしきのことで狼狽えては周りのお客様も幻滅してしまうだろう。
それに記者が複数人いる。対応を間違えればゴシップネタとして醜聞が広まる。
リリエルが私を尻軽女として騒ぎ立てて私がゴシップネタになるか。ユエルが自分から自滅してくれるのを待つか。しかし、彼女にはもう何も失うものがないと言いたげに暴走している。
サイレーンも目が死んでいる。
黙っていてはユーゴーまで巻き込まれてしまう。どうせ私が悪者になるくらいなら――。
「あら、夫と別れて新しい恋路を探すのはなにかおかしいことなの?ユーゴーは未婚だし、私も独身だし、アプローチしてもなにも関係ないことだと思うけど」
心の中で謝りながら、ユーゴーに腕を絡めてしなだれかかる。この間従業員として雇った元娼婦の女性から教わった誘惑術を披露する。
流し目なんて人生で初めてなんだけど、どうかな。とユーゴーを見上げると、鳩が豆鉄砲を食ったような表情で固まっていた。
黙っていた方が好都合だ。
「無神経だと罵りたいなら、あなたはどうなの?人の夫を寝取った挙句に、縁を切った元友人の職場まで子供を連れて無理に押しかける女の面の皮はどれほど厚いのでしょう。鋼鉄くらい?」
首を傾げてやると、ユエルは思いのほか挑発に乗り、わなわなと肩を震わせた。
まさか自分のことは棚に上げられたままだと思っていたの。浅はかすぎて笑いが漏れちゃう。
「あなたがどうなろうと知ったことではないけれど、生まれたばかりの子供の体調も考慮せず、ただ自分がしたいように振舞って周りに迷惑をかける両親に育てられる子供の環境を考えるといたたまれないわ。不倫した男の子供出産したって母親なんだから、少しは子供の為に自重したら?」
「~~~~っ!はっ。それがあんたの本性ってわけ。男好きの癖に貞淑を装っちゃって。サイレーン様も飽きてユーゴーに乗り換えたいから捨てたんでしょう」
「……?なにを言っているの?サイレーン様は自分の意思であなたと子供を選んだんでしょう?話を捏造しないでくれるかしら」
これ以上相手にしても話は堂々巡りになるだろう。こちらとしても礼儀は尽くしたつもりだし、特別待遇で客船に招いた。これ以上我慢する必要はない――。
気持ちが固まって彼女たちを追い出そうと口を開こうとしたとき。腰に当てられる手のひらの温もりを感じた。
ユーゴーが身体を引き寄せ、綺麗にセットされたブルーがかったブロンドの横髪を耳にかける。いつになく穏やかな表情で、逆に怖い。
悪魔の笑みをひやりと作ると、ユエルを静かに見つめた。
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