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21話 大賢者である私と衝撃のオーディション1
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騒めく会場。
なぜ、パン食い競争なのか?
うん、私からみても意図が全く不明だ。
ついに狂ったかセバ。
ふと見ればいつの間にか、セバっちゃんは私を睨んでいた。
ほほう、私の位置に気づくとはさすがバディ。
あと思考を読むのはやめて欲しい。
「静粛にお願いします」
セバっちゃんの鋭い声に会場は静まる。
「さて、皆様には、この競技の意図を説明致しましょう。この競技は各パーティーのリーダーに出場して頂きます。リーダーたる者、如何なる状況でも生き残り、パーティーを維持する義務がございます。真っ先に死ぬリーダーなど言語道断。そこで、例え敵わぬ敵から逃げている最中でさえ補給できるバイタリティーがあるのか?をこの競技で試します。ルールは3つでございます」
「一つ、10チームづつ無作為に呼ぶので、呼ばれた者は速やかにスタート地点に集る事。尚、時間内に来なかったチームは失格となります」
「二つ、ゴールする前にパンを食べきり、ゴールする事。ゴール時に口の中にパンが残っている場合も失格となります」
「三つ、1レースに付き次に進めるのは上位5位まで。つまりこの競技で候補を半分に減らします。何か質問は御座いますか?」
なかなかに最もらしい滅茶苦茶な理由を付けてきたものだ。
いきなり半分に絞るとは中々に厳しい試験である。
静まる参加者等の中手を挙げた者がいた。
「そこのお方、どうぞ」
質問者はおじいさんだった。
但し体格は良い。
「オッホン! 走る距離とパンを見せて貰いたい」
なるほどー!
パンになんらかの細工していることはあり得る事だ。
激辛パンとかね。
「走る距離は400mです。200m時点でパンを取って食べて頂きます。手を使って取って頂いて構いません。立ち止まって食べるのも、走りながら走るのも自由でございますがパンを全て食べきる事が条件になります。パンはこちら 超激甘メロンパンです。味は一級品ですぞ。ちなみに競技中の水分補給は厳禁です」
セバっちゃんはナルっちからメロンパンを渡され、皆に見える様掲げてみせた。
うは、さぞ美味しいだろう、競争をしながらでなければであるけど。
水無しで超激甘か。
激辛より鬼の競技だね。
冒険者は辛いものを好む傾向にある。
香辛料をふりかければ例え腐りかけの食材であっても食べる事ができる。
冒険とは過酷なものなのだ。
しかし、激甘は加工食品でしかあり得ない。
甘いものは喉が乾く。
しかも走りながらで水無しときた。
「あ、そうそう。一つ重要な事を言い忘れていました。出場者の各リーダー様には登録時に記載の武器防具を装備したまま走って頂きます」
ふむ重装備に不利な内容だねえ。
不公平なんじゃない?など弱者の戯言。
セバっちゃんはドーピングも能力強化スキルや付与魔法を禁止していない。
個人戦の様でいて、これはあくまでパーティー戦なのだ。
それに気づかないようでは今後生き残るなんて無理だね。
いろいろ言いたいことはあるだろうけど、生き残れない弱者に発言権は無い。
騒めく参加者等にセバっちゃんは有無を言わせない。
「では、今から読み上げる者は10分の間にあちらのスタート地点にお集まりください」
====================
こうして勝ち残りをかけたパン食い競争が始まった。
そして最初のレースでいきなり大番狂わせが起きた。
Aランクチーム 「一矢百中」が、いきなり敗退したのだ。
大きな弓矢を持ち、走りにくい上に、リーダーは食べるのが遅かった。
そしてそのレースで5位ギリギリで合格したのが「ビフテの星」のリッキルトだった。
剣士であるリッキルトだが、お金のない貧乏パーティの為、ソフトレザーのブレストアーマーとショートソードという軽装がここでは幸いした。
地力が低いので足はそこまで速くなかったのだが、重装の男等をかわし、なんとか5位に滑り込んだのだった。
「生き残った!」
<でも最後急に体が軽くなった様な?>
リッキルトは勝ち残ったという事実が信じられないでいた。
喜ぶ仲間の顔にも実感が湧かない。
最後の50m地点でリッキーは8位だった。
折角の軽装も、パンを食べる方に意識し過ぎて活かしきれていなかった。
パンを何とか食べきって後はゴールするだけ、しかしその時点で既に2人ゴールしていた。
自分の前にはまだ5人いる。
絶望したその瞬間、急に足が軽くなり、力がみなぎった。
そこからは必死だった。
走り終わったとき歓声が沸いたが理由は分からない。
一矢百中をぎりきりで抜いて5位になったと知ったのもギルドの係員に知らされてだ。
競技は進む。
リッキルトは心ここに在らずで競技を眺めていた。
不意にスタートを見れば、フードを目深に被った小柄な少女ミリミリがこれから走るようだ。
緊張のかけらもない余裕が感じられる。
どことなく、ヒーラーのあの子、ミリーに似ているとリッキルトは思った。
審査する側が出場している筈もない。
我ながらバカな事を考えたものだと思った。
「スタート!」
合図が響き渡る。
どよめき!その後に 歓声!
それらはミリミリが巻き起こしたものだ。
彼女は武闘家なので超軽装の上、素手だ。
ミリミリはスタート直後、いきなり全力疾走!
トップで激甘メロンパンに到達するや、ロングジャンピングで吊るされた激甘メロンパンを口で直接咥えて着地。
その時彼女のフードが外れて素顔が露わになった。
黒目に黒髪のロングヘアを左右に団子にしている。
ミリミリはそのまま速度を落とさず、全力失踪でパンを3つにちぎり、3口で飲み込む様に食べ切りぶっちぎりでゴール!
この競技で一番の記録だった。
「なんだあのちびっ子 早すぎだろ!」
「あの激甘メロンパンを水もなしに3口だと!」
驚く冒険者等。
競技後ミリミリはリッキーを見つけたのか近づいてきた。
「リッキーも勝ち進めたみたいだねー。おめでとー!」
「5位ギリギリなんとかね。それに引き換えミミは凄いね!あんなに速いなんて!」
「そりゃ武闘家だもん。スピード命だよ?速いに決まってるじゃん」
手を後ろに組んで余裕のポーズを取るミリミリ。
「ん? どったの?」
リッキーは気づけばミリミリを見つめてしまっていた。
「いや、なんでも無いよ!」
慌てて、視線を外すリッキーの顔は赤い。
「ふーん。ま、いいけど。」
リッキーは思わずにはいれなかった。
〝ヒーラーのミリーに雰囲気は似ている。
ただ彼女はもう少し距離感があった気がする。
こんなにフレンドリーでは無かった。
何より、ミリーは金髪、碧眼だ。
髪の色はごまかせても目の色までは無理だろう。
それに競技に参加する意味が無い。〟
リッキーは似てはいるけど別人と結論付けた。
ただ、まじまじと見ると彼女は可愛かった。
ドギマギしながらリッキーはなんでこの子は自分に話しかけてくれるのだろう?
と考えていた。
その時、背後から声をかけられた。
「おい!、ビフテの星のリッキルトは貴様か!」
振り返ると立っていたのは先程敗退した 一矢百中のリーダーだった。
なぜ、パン食い競争なのか?
うん、私からみても意図が全く不明だ。
ついに狂ったかセバ。
ふと見ればいつの間にか、セバっちゃんは私を睨んでいた。
ほほう、私の位置に気づくとはさすがバディ。
あと思考を読むのはやめて欲しい。
「静粛にお願いします」
セバっちゃんの鋭い声に会場は静まる。
「さて、皆様には、この競技の意図を説明致しましょう。この競技は各パーティーのリーダーに出場して頂きます。リーダーたる者、如何なる状況でも生き残り、パーティーを維持する義務がございます。真っ先に死ぬリーダーなど言語道断。そこで、例え敵わぬ敵から逃げている最中でさえ補給できるバイタリティーがあるのか?をこの競技で試します。ルールは3つでございます」
「一つ、10チームづつ無作為に呼ぶので、呼ばれた者は速やかにスタート地点に集る事。尚、時間内に来なかったチームは失格となります」
「二つ、ゴールする前にパンを食べきり、ゴールする事。ゴール時に口の中にパンが残っている場合も失格となります」
「三つ、1レースに付き次に進めるのは上位5位まで。つまりこの競技で候補を半分に減らします。何か質問は御座いますか?」
なかなかに最もらしい滅茶苦茶な理由を付けてきたものだ。
いきなり半分に絞るとは中々に厳しい試験である。
静まる参加者等の中手を挙げた者がいた。
「そこのお方、どうぞ」
質問者はおじいさんだった。
但し体格は良い。
「オッホン! 走る距離とパンを見せて貰いたい」
なるほどー!
パンになんらかの細工していることはあり得る事だ。
激辛パンとかね。
「走る距離は400mです。200m時点でパンを取って食べて頂きます。手を使って取って頂いて構いません。立ち止まって食べるのも、走りながら走るのも自由でございますがパンを全て食べきる事が条件になります。パンはこちら 超激甘メロンパンです。味は一級品ですぞ。ちなみに競技中の水分補給は厳禁です」
セバっちゃんはナルっちからメロンパンを渡され、皆に見える様掲げてみせた。
うは、さぞ美味しいだろう、競争をしながらでなければであるけど。
水無しで超激甘か。
激辛より鬼の競技だね。
冒険者は辛いものを好む傾向にある。
香辛料をふりかければ例え腐りかけの食材であっても食べる事ができる。
冒険とは過酷なものなのだ。
しかし、激甘は加工食品でしかあり得ない。
甘いものは喉が乾く。
しかも走りながらで水無しときた。
「あ、そうそう。一つ重要な事を言い忘れていました。出場者の各リーダー様には登録時に記載の武器防具を装備したまま走って頂きます」
ふむ重装備に不利な内容だねえ。
不公平なんじゃない?など弱者の戯言。
セバっちゃんはドーピングも能力強化スキルや付与魔法を禁止していない。
個人戦の様でいて、これはあくまでパーティー戦なのだ。
それに気づかないようでは今後生き残るなんて無理だね。
いろいろ言いたいことはあるだろうけど、生き残れない弱者に発言権は無い。
騒めく参加者等にセバっちゃんは有無を言わせない。
「では、今から読み上げる者は10分の間にあちらのスタート地点にお集まりください」
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こうして勝ち残りをかけたパン食い競争が始まった。
そして最初のレースでいきなり大番狂わせが起きた。
Aランクチーム 「一矢百中」が、いきなり敗退したのだ。
大きな弓矢を持ち、走りにくい上に、リーダーは食べるのが遅かった。
そしてそのレースで5位ギリギリで合格したのが「ビフテの星」のリッキルトだった。
剣士であるリッキルトだが、お金のない貧乏パーティの為、ソフトレザーのブレストアーマーとショートソードという軽装がここでは幸いした。
地力が低いので足はそこまで速くなかったのだが、重装の男等をかわし、なんとか5位に滑り込んだのだった。
「生き残った!」
<でも最後急に体が軽くなった様な?>
リッキルトは勝ち残ったという事実が信じられないでいた。
喜ぶ仲間の顔にも実感が湧かない。
最後の50m地点でリッキーは8位だった。
折角の軽装も、パンを食べる方に意識し過ぎて活かしきれていなかった。
パンを何とか食べきって後はゴールするだけ、しかしその時点で既に2人ゴールしていた。
自分の前にはまだ5人いる。
絶望したその瞬間、急に足が軽くなり、力がみなぎった。
そこからは必死だった。
走り終わったとき歓声が沸いたが理由は分からない。
一矢百中をぎりきりで抜いて5位になったと知ったのもギルドの係員に知らされてだ。
競技は進む。
リッキルトは心ここに在らずで競技を眺めていた。
不意にスタートを見れば、フードを目深に被った小柄な少女ミリミリがこれから走るようだ。
緊張のかけらもない余裕が感じられる。
どことなく、ヒーラーのあの子、ミリーに似ているとリッキルトは思った。
審査する側が出場している筈もない。
我ながらバカな事を考えたものだと思った。
「スタート!」
合図が響き渡る。
どよめき!その後に 歓声!
それらはミリミリが巻き起こしたものだ。
彼女は武闘家なので超軽装の上、素手だ。
ミリミリはスタート直後、いきなり全力疾走!
トップで激甘メロンパンに到達するや、ロングジャンピングで吊るされた激甘メロンパンを口で直接咥えて着地。
その時彼女のフードが外れて素顔が露わになった。
黒目に黒髪のロングヘアを左右に団子にしている。
ミリミリはそのまま速度を落とさず、全力失踪でパンを3つにちぎり、3口で飲み込む様に食べ切りぶっちぎりでゴール!
この競技で一番の記録だった。
「なんだあのちびっ子 早すぎだろ!」
「あの激甘メロンパンを水もなしに3口だと!」
驚く冒険者等。
競技後ミリミリはリッキーを見つけたのか近づいてきた。
「リッキーも勝ち進めたみたいだねー。おめでとー!」
「5位ギリギリなんとかね。それに引き換えミミは凄いね!あんなに速いなんて!」
「そりゃ武闘家だもん。スピード命だよ?速いに決まってるじゃん」
手を後ろに組んで余裕のポーズを取るミリミリ。
「ん? どったの?」
リッキーは気づけばミリミリを見つめてしまっていた。
「いや、なんでも無いよ!」
慌てて、視線を外すリッキーの顔は赤い。
「ふーん。ま、いいけど。」
リッキーは思わずにはいれなかった。
〝ヒーラーのミリーに雰囲気は似ている。
ただ彼女はもう少し距離感があった気がする。
こんなにフレンドリーでは無かった。
何より、ミリーは金髪、碧眼だ。
髪の色はごまかせても目の色までは無理だろう。
それに競技に参加する意味が無い。〟
リッキーは似てはいるけど別人と結論付けた。
ただ、まじまじと見ると彼女は可愛かった。
ドギマギしながらリッキーはなんでこの子は自分に話しかけてくれるのだろう?
と考えていた。
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