大聖女様 世を謀る!

丁太郎。

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40話 大賢者である私がゴブリンのクズゴミ共に正義の怒りをぶつけていた裏で起こっていた男の友情

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 「くそ!許さんぞ!何がG様だ!クソガキが調子に乗りやがって!」

 安くない酒をガブガブ飲み干し、酔の勢いに任せて思いの丈をぶちまける男がいた。
 高級酒場ではあまり見られない光景だ。
 お店としては折角の大人なムーディーな雰囲気を大衆酒場の様にされてしまって迷惑千万であるのだが、上客であるこの男に店の側は寛大だった。
 この大荒れの男の名はロードルシュ。
 第22話でようやく名前が出てきたAランクパーティー『一矢百中』のリーダーだ。

 だったというべきかも知れないが、一矢百中は解散していない。
 ただメンバーが全員彼を見限り抜けてしまっただけだ。
 パーティーに残ったのはロードルシュ只一人。
 たった一人のパーティーのリーダーだ。

 メンバーに見限られたのは自業自得だった。
 オーディション1回戦敗退の上、その後あれだけの醜態を晒し、武闘家ミリミリと名乗っていたFランクのヒーラーのミリーに一発で沈められたのだ。
 メンバーから集めていた尊敬は一気に地に落ち、軽蔑の対象になっただろうことは想像に難くない。

「グレートマムめ!俺の力を思い知らせてやる!」

 あの日から、ロードルシュは荒れていた。
 そんな姿を遠くで眺めている男がいる。
 オッサンであるが気品が漂う紳士な感じがする男だ。

「ふむ、同志達に相談する必要がありそうだ」

 男はスッと席を立つと会計を済ませて高級酒場から出ていくのだった。


ーーーーーーーーーーーーーーー


 ここは冒険者ギルドの会議室。
 今、あるパーティーが会議室を借りていた。
 Aランクパーティー「G様親衛隊」。
 ギルド登録されて数日にも関わらずパーティーメンバー数107人という恐るべきモンスターパーティーだ。
 ギルドへの登録の便宜上、リーダーはブレイドになっているが
 メンバー内に優劣はない。
 遥かなる頂点にG様がいるのみである。
 形としては1パーティーになるが、実体は複数のパーティーの集合チームである。

 ちなみにギルドの依頼に対し、一つのパーティーが複数の依頼を受けることは可能なので、それそれのグループが好きな依頼を受ければいいのだが、その結果はパーティーの評価に直結する。

 今日は第1回目の会合である。
 流石に全員が参加することはスペース的に出来ないので元パーティーリーダー達約20人が出席していた。

「「「「「全てはグレートマムの為に!」」」」」

 どこぞの秘密結社のような謎の合言葉で始まった第一回目の会合。

「同志達よ、緊急の相談があるのだが」

 といきなり相談を持ちかけたのは高級酒場に居た紳士風の男だ。

「どうした、同志よ」

「うむ、実は…」


ーーーーーーーーーーーーーーー


 ロードルシュは情報屋からビフテの星がゴブリン討伐を受けて、ブッサイーク村に向かった事を知った。
 ロードルシュは流石にAランク冒険者だけのことはあり、その村近辺でゴブリンが住み着きそうな場所に心当たりがあった。

 ロードルシュはその場所に先回りし、ゴブリンの住む洞窟を見つけると森の出口に潜んだ。
 待ってる間、如何にGに絶望を味合わせるか考えていた。

<ただ殺すのでは済まさない。まずご執心のリッキルトとかいう小僧の脳天に爆裂矢を撃ち込んでやる!飛び散った小僧の顔に驚いたところで今度はオマエだミリー!>

 ロードルシュは100m先の獲物を狩れる弓の腕を持つ。
 つまりミリー達が気配を感知できる外から一方的に攻撃できるのだ。
 復讐心に逸り、セバがミリーの側にいることなど忘れてしまっていた。
 しばらく待っていると誰かがやっくる気配がする。

<来たか!直ぐに矢を御見舞してやる!>

 しかし、やってきたのはミリー達では無かった。
 しかもこちらに向かってやって来る。
 遠目に近づいてくるのが顔知り合いでる事が判った。

 ちっ!

 ロードルシュは思わず舌打ちをした。

「ロードルシュ。オーディションぶりだな」

「ブレイドか。わざわざ俺に会いにきたのか?」

「ああ、ここで何をする気かを聞きたくてな」

「知ってて会いにきたんだろう?」

「一応確認したのさ、斬って後悔が無いようにな」

 二人の間に緊張が走る。
 ロードルシュは手に弓を持っているものの矢は腰の矢筒にある。
 ブレイドもまた剣を腰に差したままだった。

 先に動いたのは痺れを切らしたロードルシュだ。
 ブレイドにかまってミリーを逃しては堪らない。
 素早く矢筒から矢を抜くと流れるような動作で弓を番え速射する。
 当たらずとも良い、これは牽制だ。
 矢はまっすぐブレイドの頭をめがけて飛ぶ。
 ブレイドは剣の抜き打ちで矢を弾いた。
 今度はブレイドがロードルシュに向かって走り出す。
 早い。
 ロードルシュは焦らず弓の2射目を放った。
 狙いは足。
 足止めできれば第3射で頭を射抜く。
 しかしブレイドはこの狙いを読んでおり、走りを止めずに剣の柄で矢を弾いた。
 ロードルシュは、ブレイドの技量に感嘆しつつも第3射目を放とうとするしたがブレイドが目前に迫っていた。

 ミリーほどの距離ではないが、ブレイドが縮地で距離を詰めたのだ。
 ブレイドはロードルシュを剣の間合いに捕えたが、更に間合いを詰める。

 パーン!

 乾いた音が響く!
 ブレイドが行ったのは平手打ちだった。

「ぐ! 何を!」

「目を覚ませ!ロードルシュ」

「目を覚ませだと?俺は全てを失った!お前もそうだろうが!何故邪魔をする!」

 逆上し腰の短剣を抜こうとして、止めた。
 急激に周囲から殺気を感じたからだ。

「そうだ。それでいい!俺は一人で来た訳では無いからな」

 いつの間にかロードルシュは囲まれていた。
 しかも、それぞれが手練だ。

「俺の負けだ。どうにでもすればいい」

「そうか、ならお前の身柄は我々『G様親衛隊』で預からせてもらうぞ」

「は?」

 理解できない単語が飛び出し、目が点になるロードルシュだった。

 G様親衛隊に復讐者が拐われ1時間後。
 ようやくミリー達がこの場を通過していったが、激しい攻防があったことなど知る由もなかった。


ーーーーーーーーーーーーーーー


 翌日、冒険者ギルドにできた行列の中にブレイドとロードルシュの姿があった。
 ロードルシュの武装は解かれていたが手首に手錠がはめられており、その手錠は鎖に繋がれいた。
 鎖のもう一端はブレイドの手首にはめられた手錠に繋がっている。
 つまりは逃げれない状態だ。

「今更Gに会わせて何をさせるつもりだ?」

「別に何も」

「ふん、まあいい、散々罵ってやる」

「ほー。出来るといいな」

 どこか恍惚状態のブレイドはまともに取り合わない。
 やがて2人の順番になる。

 ミリーはいつもの変態が手錠で男をつないでやってきたのを見て、サッサと済まそうと思った。

<コイツラの事を深く考えてはいけない>

 ミリーの前に立つ2人。
 ロードルシュが思いのままに罵ろうとした、まさにその瞬間。

「怪我もしてないのに並ぶんじゃねー!ド変態が!!」

 二人は瞬時に繰り出された2発のハイキックを綺麗に貰った。
 瞬間見えたパンチラ。
 直後脳天に突き抜ける衝撃!
 その衝撃はロードルシュの恨みも怒りも全て持っていってしまった。
 真っ白になりそしてイッた。
 途轍もない快楽だった。

「お代は100Gづつね」

 ミリーの言葉に我にかえり、内股でそそくさと並びなおす二人だった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「「「「「全てはグレートマムの為に!」」」」」

 第2回 G様親衛隊会合にて。

「早速、新たな同志を紹介したい」

「ロードルシュです。この度同志の末端に加えてもらえて感激しております」

 G様より初のハイキックを貰った日、ロードルシュは自らのパーティーを解消しG様親衛隊に入った。
 こうして、G様親衛隊は、強力な同志を得て108人となった。
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