大聖女様 世を謀る!

丁太郎。

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76話 聖騎士である私の竜退治2

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 私達の目の前にはレッドドラゴンがいる。
 ドラゴンの背後にはもうモンスターは居なかった。
 つまり、こいつがダンジョンのラスボスで間違いない。
 こいつをここで止めなくては。
 防陣までは行かせない! 

「みんな、行くわよ!」

 私が突入しようとした時、心強い乱入者が現れた。

「ワシも暴れさせて貰うぞぃ」

「お父様!」

 王であるお父様は元とは言えSランクの冒険者でもあった実力者。
 今でもSランクカーとしての実力をキープしている。
 お父様もモンスターの中を突き抜けて来たのなら、ミリーからエリクサーを授かったという事なのだろう。

「王様、此処は私達にお任せ下さい!」

 クーンが一応声を掛けるけど、却下されるのを判っていて言っている。

「連れないこと言うでない。此処でコヤツは止めねばならん。手数は多いほうが良かろう」

 案の定、引き返す気はないようだ。
 此処まで来て何もせずに帰る人ではないわね。

「クーン、足止め出来る?」

「ええ、いいのが有るわ!」

「じゃあお願い。カリス!足止めした瞬間目を狙って」

「了解!」

「ミルファ、治療は任せるわ!」

「はい!」

 いくら生命力エリクサーの効果で無限の生命力があるとは言え、傷や怪我の治療はミルファの方が早い事がここ迄の強行突破でわかっている。

「行くわ!地水合成魔法『泥沼』」

 クーンが仕掛けた魔法によりドラゴンの四肢部のみに泥濘みが発生。
 ドラゴンは四肢が全て底無しの泥沼に嵌り踏ん張ることができず腹を地に付ける。
 その瞬間を狙ったカリスの2本の矢がドラゴンの各目に突き刺さり、両眼を潰す。
 矢は青い光を纏っていた。
 ミリーの加護は矢にまで掛かっている事がわかる。
 
 ドラゴンは暴れて何とか泥沼から抜け出そうとするも、泥沼は硬化して簡単には抜け出せなくしてある。

「今よ!」

 一斉に攻撃を開始する私達。
 此処からの作戦は無い。
 臨機応変の出たとこ勝負。
 レッドドラゴンは生命力が高いけど、このメンバーなら行ける!
 なによりも私達には今世最高の聖女の加護があるわ。

ーーーーーーーーーーーーーーー

 時間にしたら5分も戦って居なかったかもしれない。
 ミリーの加護を受けた矢が、ドラゴンの鱗に突き刺さる。
 矢はクーンの『風爆』を纏っていて外皮の内側から破裂する。
 ドラゴンの硬い外皮が鱗ごと吹き飛ぶ。
 そこを目掛け、私、お父様、プレゼが更に傷口を抉って行く。
 ドラゴンの生命力はかなり削られた筈。
 ドラゴンの動きは鈍くなってきて、もう大地に拘束された四肢を抜く力もない様だった。

「メガトンマッスルパーンチ!!」

 お父様の必殺技?で兎も角、普通にドラゴンの左頬を殴るお父様。
 殴られたドラゴンは頭を地面に叩きつけられ、そして沈黙した。
 
<倒した?でも消えない。このドラゴンはダンジョンモンスターでは無い?それともまだ生きている?>

 ともかく首を切断してしまえば確実ね。
 私は用心しながら正面に回り込んだ。
 その時、ドラゴンの目が光った。
 ドラゴンの色が赤から黒く染まっていく。
 
<そうだわ!このスタンピードは悪魔達の仕業!>

 悪魔がレッドドラゴンに何か仕掛けしていたとしておかしく無い。
 ドラゴンはいとも簡単に大地の拘束から四肢を引き抜いた。
 潰したはずの目は赤く光を放ち、都市の方を向いている。

<不味い!私たちには目もくれずに都市を目指すつもりだわ>

 ドラゴンが頭を地のスレスレまで低くした。
 これは突進のサインだ。

 私の体は勝手に動いていた。
 突進を開始するドラゴン。
 同じくドラゴンに向かって走り出す私。
 私は無心に剣を振り上げていた。

 今のは?
 
 この剣技は私の剣技ではない。でも私の剣技だった。
 それに何だろう?どこか懐かしい。

 私の剣はドラゴンの首をはねた。
 そして引き換えに私の剣は折れた
 
 私は奇跡的にドラゴンに轢かれず、私の頭上をドラゴンの腹が通って行く。
 私は無意識に尾を避ける様に横に跳んだ。
 
 ドラゴンが止まらない。
 
 何故?首をはねたのに何故!

 首無しドラゴンはかなり減ったモンスターの群れを跳ね飛ばしながら一直線に都市を目指す。
 そして、都市外壁に激突。
 まるで任務をやり遂げて満足したかの様にドラゴンは光となって消えた。
 ドラゴンが消えた後私たちの目に映ったのは、
何とか堅持し残存モンスターを迎え撃っている防陣と
崩れた都市外壁だった。
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