そんなにホイホイ転生させんじゃねえ!転生者達のチートスキルを奪う旅〜好き勝手する転生者に四苦八苦する私〜

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子供が強いと言うことは親はとっても強い

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ブリザード・ウルフ改め、九尾狐の子は先程倒したヴェルと金髪の女の子を尻尾に巻き付け私達の方へと歩いてきた。私の目の前に来ると、無造作に2人を地面に放り投げた。不思議に思って首をかしげていると妖精(おっさん)が

「たぶんそれ、望結ちゃんから貰ったお肉のお礼じゃ無いかしら?」

そうなの?

「キュン!」

頷いた。どうやら妖精(おっさん)の言ったとおりらしい。じゃあ、ありがたく・・・
私はヴェルから髪の毛を1本引き抜いた。それだけで良いの?と九尾狐の子は見てくるが、それ以上貰ってもどうしようも無いから気持ちだけ貰っておいた。

・・・・・

・・・

しばらくすると、ポンッと音を立てて3つあった九尾狐の子の尻尾は1つに戻り、疲れたのか眠たげにしている。それを見て、やれやれと言ったようにライドは九尾狐の子を背中に乗せた。九尾狐の子は一鳴きするとそのままスヤスヤと寝てしまった

それを見てホッと息をつく妖精(おっさん)。そして次の瞬間には頭を抱えて崩れ落ちた。

「ああもうなんで神獣の子供が私の森にいるのかしら・・・」

「なにか拙いんですか?」

「いいえ、むしろ幸運なのよ。神獣なんてこの世界の理を外れた常識外れの力を振るう存在よ?この存在が森にいるだけで私の森の平和は守られるのよ。」

え?むしろ得しか無いじゃん。なのに何でそんなに青い顔をしているんだろう?そう思って聞いてみると、妖精(おっさん)は重々しく口を開いた。

「いや、この子が子供って言うことが問題なのよ。神獣の子に対する愛情はどんな生物よりも強いとされていて、神獣の親は子が傷ついたと知れば怒り狂って襲いかかってくるわ。」

え?そ、それってどのくらいヤバいの・・・?

「そうねえ・・・昔どこかのアホな貴族が神獣の子に悪戯したら、その貴族の住んでいた王国が更地にされて、今も荒野のままらしいわ。」

ってことはもしさっきヴェルがこの子を傷つけていたとしたら・・・

「私の森は更地になり、私達は逃げるまもなく死ぬでしょうね。それに死体どころか骨の欠片さえ残るかも怪しいわ。」

そ、それは拙い・・・私はヴェルが九尾狐の子よりも弱くて心底ほっとした。

ところで、一つ気になったんだけど・・・

「九尾狐ってどういう神獣なんですか?」

名前からして9本の尻尾がある狐だと思う。確かゲームや漫画でも出てきていたはず。でも私の認識とかけ離れている可能性もあるから一応聞いてみる。

「そうねぇ・・・9本の尻尾がある狐で、尋常じゃ無い魔力を持った存在ね。だから神獣の中でも魔法を使った攻撃を多くしてくる神獣ね。それに魔法とは違った、原理のよく分からない力も使ってくるらしいわ。だからいくら魔法に対する耐性が高くてもその力にやられてしまうらしいわ。」

じゃあライドでも勝のは難しいって事か・・・

つくづく敵じゃ無くてよかったと、ライドの背中で眠る九尾狐の子を見て思った。
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