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戦場へ行く準備

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おばさん(妖精)は暫く黙った後、私に着いてくるように言った。

私とおばさん(妖精)は薄暗いトンネルの中を進む。

「女神様からの命とあれば行かなければならないだろう。だが最終的に大事なのは自分の命だ。それを忘れちゃ駄目よ。」

おばさん(妖精)は道を案内しながらさらに続ける。

「アタシはここから離れられないから戦場でアンタの手助けをしてやれないけど、準備を手伝ってやることは出来る。」

そう言って、おばさん(妖精)は立ち止まり、フィンガースナップを鳴らした。すると、次々と辺りにあった松明に火が点き、辺りは明るくなる。

「好きなだけ持って行きな。」

そこは、かなり広い空間が広がっており、瓶詰めにされた干し肉やピクルスなどの保存食、それに包帯などの医療品が大量にあった。

「ど、どうしてこんなに・・・」

「この国が北の奴らと戦争をするってなったときに、南の街や王都からかき集めたのさ。いざとなったらここの住人達をここに避難させようと思ってね。」

「い、いいんですか?そんな大事な物を・・・」

「いいんだよ。かなり余分に仕入れているし、いざとなったらまたあの狼たちに頼めば良いしね。」

狼?この物資の山ってブリザード・ウルフ達が運んできてくれたの?

「ああ。この先に街の外に通じている小さな洞穴があってね。そこからこの物資を運び入れて貰ったのさ。最悪の場合はそこを避難路としても使えるしね。」

なるほど・・・

「アタシにはこの地に住む妖精としてこの地に住まう人々を守る義務がある。森を失おうと、その役目は残っているのさ。」

先程までとは打って変わっておばさん(妖精)の目には強い光を称えていた。

・・・・・

・・・

「それで大丈夫なのかい?」

「はい。これだけあれば大丈夫です。本当にありがとうございました。」

私はおばさん(妖精)からかなりの量の干し肉とピクルスの瓶詰め。そして包帯を3つほど貰った。これだけあれば大丈夫だろう。それにライドに乗るときに使うようにと、馬に乗る際に使う鞍や手綱まで貰った。その上ライドの大きさに合わせて調整までしてくれた。

何から何までお世話になってしまった。

お礼を言って立ち去ろうとした瞬間、おばさん(妖精)は何かを思い出したように私を呼び止めた。

「そういえばアンタ地図はあるかい?」

「え?ええ・・・」

「見せてみな」

私は言われるがままに地図を見せる。

「戦場が今どの辺りにあるのか、私には分からないが、困ったらここにある森にいきな。」

おばさん(妖精)は地図上の学術都市エルビスから北東に位置する小さな森を指さしながら言う。

「ここにアタシの知り合いの妖精が居るはずだ。困ったらそこに逃げ込むといい。気をつけるんだよ。」

そうして私はお礼を言って、おばさん(妖精)の居る洞窟を後にした。
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