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野営地に近づくと問答無用で敵認定される。
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ライドは草原の中を矢のように駆ける。周りの景色なんかほとんど見えない。少しでも気を抜いたら風圧で飛ばされそうになる。でも新しく取り付けた鞍のおかげで以前よりもずっと乗りやすい。
そしてライドに乗って移動を始めてしばらくしたところで、何かを感じたのかライドは急に止まった。
「どうしたの?」
ライドは何かを警戒するように辺りを見渡している。そして急に体を伏せた。不思議に思っていると、ライドは前脚を使って私の頭を無理矢理押さえつけ、強制的に伏せさせられた。
「痛つつ・・・もー・・なにすんのよライド」
「ヴォフ」
ライドは私を静かにしていろと言ったように私を見た後、ある一点を見つめ始めた。
ライドの視線の方向を見ると、そこには幾つものテントらしきものが張られており、野営地のようになっていた。黒いローブを着た人や、鎧を着た人が数人、野営地の周りを巡回している。
「キュオン?」
鞄の中からタマミが出てきた。どうやら急に静かになったので不思議に思って出てきたようだ。
「タマミ、静かにね。」
タマミは私の言葉に静かに頷くと、ライドと同じように伏せの体制を取った。
さて・・・どうやってあそこに行こうか。
こんにちは!入れてください!
なんて言ってあそこに行ったら確実に魔法やらなにやらで蜂の巣にされるだろう。そのくらいのことを余裕できる転生者が1人だけじゃ無くて20人もいるんだから。
そんなことを考えていたら
「ヴォウ!」
ライドが急に吠え、私の服を咥え引っ張る。あまりにも急なことだったので私はライドの方へと倒れる。その瞬間、私の顔の横を熱い何かが通り過ぎていくのを感じた。
見ると先程まで私のいたところが綺麗に抉られクレーターのようになっている。
「いたぞ!やれ!」
「食らえ蛮族が!」
「砕け散りなさい!」
見ると、野営地の方から何人もの黒いローブを着た人たちが私に向かって魔法を放ってきている。
球やら氷の礫、挙句の果てには雷までもが私達に向かって放たれた。
ライドに乗ってここから早く立ち去りたいところだけど、気がついたら鎧を着た人や黒いローブを着た人が私達を取り囲んでいた。
万事休す。そう思った瞬間
ボン!
破裂音と共に辺り一帯は濃い煙に包まれた。これもあの人達からの攻撃?!
そう思って身構えていると、いきなり後ろから肩を叩かれた。慌てて振り向くと、そこには顔に不思議な化粧をした男の人が。
「大丈夫か?」
「は、はい・・・あなたは・・・?」
「俺はエリック。訳あってお前を助けに来た。来い、こっちだ。」
当然だけど私はエリックさんと面識なんて無い。でも、この状況から脱するためには信じるしか無い。私はタマミとライドがちゃんといるのを確認し、エリックさんについて行った。
・・・・・
・・・
所変わって、ここは学術都市エルビスの地下深くに位置する、知るものはほとんどいない研究所。
「クク・・・無様だな我が友よ」
恰幅の良い男は怪しげな笑みを浮かべながらある物を見ていた。
「状態はどうなっている?」
「はい。戦士達を召喚したときの魔力量に概ね戻っております。そろそろ、通常の運用に戻っても問題ないかと。」
黒いローブを着た男は頭を下げながら説明する。それを聞いた恰幅の良い男は満足そうに頷く。
「よし、ならば明日から通常の運用に戻せ。」
「御意に。」
黒いローブを着た男は頭を下げ、そのまま音も無く消えた。
「さて、我のためにまだまだ頑張って貰うぞ“最高指導者”殿」
そういう恰幅の良い男の目の前にあったのは
十字架に磔にされた若い男だった。
そしてライドに乗って移動を始めてしばらくしたところで、何かを感じたのかライドは急に止まった。
「どうしたの?」
ライドは何かを警戒するように辺りを見渡している。そして急に体を伏せた。不思議に思っていると、ライドは前脚を使って私の頭を無理矢理押さえつけ、強制的に伏せさせられた。
「痛つつ・・・もー・・なにすんのよライド」
「ヴォフ」
ライドは私を静かにしていろと言ったように私を見た後、ある一点を見つめ始めた。
ライドの視線の方向を見ると、そこには幾つものテントらしきものが張られており、野営地のようになっていた。黒いローブを着た人や、鎧を着た人が数人、野営地の周りを巡回している。
「キュオン?」
鞄の中からタマミが出てきた。どうやら急に静かになったので不思議に思って出てきたようだ。
「タマミ、静かにね。」
タマミは私の言葉に静かに頷くと、ライドと同じように伏せの体制を取った。
さて・・・どうやってあそこに行こうか。
こんにちは!入れてください!
なんて言ってあそこに行ったら確実に魔法やらなにやらで蜂の巣にされるだろう。そのくらいのことを余裕できる転生者が1人だけじゃ無くて20人もいるんだから。
そんなことを考えていたら
「ヴォウ!」
ライドが急に吠え、私の服を咥え引っ張る。あまりにも急なことだったので私はライドの方へと倒れる。その瞬間、私の顔の横を熱い何かが通り過ぎていくのを感じた。
見ると先程まで私のいたところが綺麗に抉られクレーターのようになっている。
「いたぞ!やれ!」
「食らえ蛮族が!」
「砕け散りなさい!」
見ると、野営地の方から何人もの黒いローブを着た人たちが私に向かって魔法を放ってきている。
球やら氷の礫、挙句の果てには雷までもが私達に向かって放たれた。
ライドに乗ってここから早く立ち去りたいところだけど、気がついたら鎧を着た人や黒いローブを着た人が私達を取り囲んでいた。
万事休す。そう思った瞬間
ボン!
破裂音と共に辺り一帯は濃い煙に包まれた。これもあの人達からの攻撃?!
そう思って身構えていると、いきなり後ろから肩を叩かれた。慌てて振り向くと、そこには顔に不思議な化粧をした男の人が。
「大丈夫か?」
「は、はい・・・あなたは・・・?」
「俺はエリック。訳あってお前を助けに来た。来い、こっちだ。」
当然だけど私はエリックさんと面識なんて無い。でも、この状況から脱するためには信じるしか無い。私はタマミとライドがちゃんといるのを確認し、エリックさんについて行った。
・・・・・
・・・
所変わって、ここは学術都市エルビスの地下深くに位置する、知るものはほとんどいない研究所。
「クク・・・無様だな我が友よ」
恰幅の良い男は怪しげな笑みを浮かべながらある物を見ていた。
「状態はどうなっている?」
「はい。戦士達を召喚したときの魔力量に概ね戻っております。そろそろ、通常の運用に戻っても問題ないかと。」
黒いローブを着た男は頭を下げながら説明する。それを聞いた恰幅の良い男は満足そうに頷く。
「よし、ならば明日から通常の運用に戻せ。」
「御意に。」
黒いローブを着た男は頭を下げ、そのまま音も無く消えた。
「さて、我のためにまだまだ頑張って貰うぞ“最高指導者”殿」
そういう恰幅の良い男の目の前にあったのは
十字架に磔にされた若い男だった。
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