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もう怒った

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しばらくの沈黙の後、4人が

「ぼ、僕の名前は砂原 敏也って言います。」

「俺は佐藤 一樹。」

「私は・・・佐々木薫」

「す、鈴木有紗・・・」

と、自己紹介をしてくれた。どうやら話してくれるらしい。

「貴方たちはこの世界に来る前から知り合いなの?」

私の問いに4人が頷く。

「僕たちは・・・ここで言う異世界、日本という国から来ました。僕たちは学校のクラスメートで、ある日突然真っ白な光に包まれたかと思うと、よく分からない場所にいました。」

砂原君が代表して答えてくれた。どうやら彼らの中では砂原君がリーダー格らしい。砂原君はぽつりぽつりと話してくれた。

そのよく分からない場所は神様が用意した物だと言うこと。
その神様から砂原君たちは全員教室に置いてあった爆弾で死んだとのこと。
爆弾犯は捕まったが砂原君たちの肉体は無くなってしまったため異世界に行くかそのまま成仏するかしか方法が無いとのこと。
砂原君のクラスメートは全員転生を選んでこの世界にやってきた。

とのことだった。

「ちなみに君たちの年齢は?」

「17歳です」

つまり高校生と言うことか。なるほど、通りで今回の転生者は全員なんとなく幼さを感じる訳か。
「分かりました。こちらとしてはあなた方を殺すような真似はしません。しばらくの間多少窮屈な生活をして貰いますが、この戦いが終わったら解放します。」

私は近くにいた数人の兵士の人に4人の監視をお願いして立ち去ろうとした。

「ま、待ってください!」

その時、佐藤君に呼び止められた。私は振り返るる。すると、佐藤君は口ごもりながらこう聞いてきた。

「あ、あの!どうしてファリン族はエルビスの人たちをあんな目に遭わせたんですか?」

そういえばそのこと説明してなかったな。

「ファリン族はエルビスに対して何もしてないわよ?この戦いはエルビスが一方的に仕掛けてきたものだし。」

「え?」

「貴方たちエリスガル伯爵に命じられて外道なファリン族を倒すように言われたみたいだけど、エリスガル伯爵の方が外道よ。伯爵はこの森に眠る魔力石が目的で、この抗争を仕掛けたのだから。」

「そ、そんな・・・じゃあ僕たちは無実の人たちに一方的に戦いを・・・」

「まあ、そういうことになるわね。」

17歳の子には残酷だけど、誤魔化さず伝えるしか無い。

「貴方たちは騙されていたのよ。エリスガル伯爵の目的のためにね。」

「そ、そんな・・・」

佐藤君は膝からがくりと崩れ落ちた。それを見て駆け寄る砂原君。私はそれを見て平静を装って立ち去る。

ああ、腹が立つ。

思わず拳を握りしめてしまう。

もう怒った。異世界に来たばかりで右も左もよく分かっていない子供をこんな目に遭わせるなんて。

伯爵は絶対に許さない。
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