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滝隆二の解放と木崎の独白

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さて、どうしようか。

牢屋にいた転生者達に大怪我を負わせた木崎は行方知れず。その上鈴木さんの暴食スキルまで奪って行きやがった。ほかにも何人かのスキルを奪っていったかも知れないし、もう最悪だ。

ただ、滝隆二だけは牢屋が別だったため無事だった。それだけが幸いだ。滝隆二のスキルは敵に回ったら中々面倒臭い。雷魔法だけじゃ無くて、それを利用した身体強化だなんてやりにくいにもほどがある。

「お願いします。私も出してください。何でも手伝うので。」

と、私に言ってきた。まあ、今は人手が足りないし、敵対していきなり攻撃してくることも無いだろうから牢屋から出すことにした。

「ありがとうございます。この身砕けようとも皆のために尽力いたします。」

いやお前、催眠にかかっていたとはいえあんなノリノリで私たちと戦ってただろ

・・・まあいいや。今は心強いとまでは言えないけど味方だ。砂原と一樹と一緒に傷ついた女の子達の看病を任せよう。

私たちは一刻も早く木崎を捕まえないと。もうすぐ王様からの1万人の軍隊が到着する。もしも木崎がその軍隊と戦ったとしたら偉いことになる。というか、最悪行き着くところまで行き着いて、王様の持っているスキル絶対王政なんかを奪われたりしたら・・・想像なんてしたくない。一刻も早く木崎を捕まえなければ!

・・・・・

・・・

よし・・・ようやく手に入れた。暴食のスキル・・・!

これさえあれば僕はこの世界の魔法使いは僕に勝てないも同然。このスキルさえあればある程度の魔法使いを倒したところで僕に手を出す奴はいなくなるだろう。魔法が命のこの世界だ。誰もが俺を恐れ、崇めるようになるだろう。

さて、めぼしいスキルは集まった。とっととこの森から出よう。先程からあのばかでかいドラゴンから何匹もの化け物が出てきてるし、遠くの方から軍隊らしき物まで近づいてきてやがる。これ以上長居していると面倒なことになるのは目に見えている。それに、氷室や風間・・・あいつらが寝返ることは想定外だった。

風間に冠してはいつもなにを考えているか分からなかったが、あの頭の硬い氷室までもが向こう側に行くとは・・・一体何を吹き込まれたのか・・・

・・・まあいい。あいつらのスキルはどうせ奪ったとしても大した物では無かった。大した害にはならないだろう。ただ、今二人同時に戦うのは得策では無い。もう少し力をためた後にあの二人を葬ろう。

・・・こうしてかつてもクラスメート達のことを考えていると虫酸が走る。

いつもキャイキャイ馬鹿騒ぎして五月蠅い奴ら。

スポーツ大会、学園祭、修学旅行・・・全てにおいてあいつらが疎ましかった。

こっちの気も知れず勝手に盛り上がって馬鹿騒ぎして。

俺の意見なんかいつも聞こうとはしなかった。

いつも影で俺のことを馬鹿にしてきた。

いつも天才である僕をないがしろにしてきた。

だから僕は

僕はこの世界で頂点に立つんだ!
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