女子高生の憂鬱

滑り台

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17才

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いつも思うんだけど、ぶっちゃけテストの点が良くても、先生の受けが良くても、足が早くても性格が良いって限らないじゃん。鈴木は学年トップの成績だけど、根暗なうえにロリコンなんだよね。親が政治家らしいけど、小学校のまわりをうろついて、プールの授業をカメラで撮影していて注意されてた。水着の女の子が目当てみたい。気持ちが悪い。先生の受けが良い田中は、素直ないい子を演じてるけど、鴨をボウガンで撃ったりしてる。この間、新聞に近くの池の鴨がボウガンで撃たれたって記事あったけど絶対にあいつだと思う。佐藤は、足が早く手5000メートルの県代表選手だけど、ても早い。知ってるだけで2人が妊娠させられ、その度に親が大金払って闇に葬った。一度セックスしたけど、ゴム着けてくれないし、平気で中へ放出する鬼畜野郎だよ。でも、気持ちよかったなぁ。


こんな高校生だけど、今日は渋谷へ行くことにした。優子も一緒に行くから大丈夫。絶対にカッコいい人にナンパされるって思う。最後まで行くかは乗り次第だね。

19時。渋谷スクランブル交差点。信号が変わる度にいったり来たり。外人さん多いなぁ。疲れたし、喉が乾いたからちょっと休憩。109の前でスポーツドリンクを飲む。優子は、渋谷の常連だから知り合いも多い。やたらと声をかけらられている。

「ねぇ。今日は彼とデートになったからここでバイバイねぇ。月曜日学校で会おうね‼」

優子は、このあと今の男と絶対にセックスするに決まってる。1人で寂しく立っていた。帰ろう。

「ねえ、1人?」

柄の悪い3人組が声をかけて来た。無視をして帰ろうとしたら、手を捕まれた。

「シカト?ムカつくからやっちゃおうぜ。クルマとってこいよ。どっか連れてこう。逃げるなよ。」

怖い。何言ってるの。まさか、どっかに連れていって犯されて殺されたりしないよね。マジ、恐いんですけど。

黒いワンボックスが止まった。両側を捕まれてクルマに連れ込まれる。

「助けて」

左の男の肩を掴む男がいる。ニキビが目立つこの場所に最も似合わない、そして私の一番嫌いな人種。警察官がそこにいいる。彼は、高校生が仮装大会で無理やり着させらたような制服を着ていた。制服を着ていてもまったく迫力がない。しかも1人だ。

「警察が偉そうに何言ってるの?自由恋愛だよ。邪魔しないでもらいたいね。」

いつの間にかみんな武器を持ってる。ヤバいかも。1人はナイフを持ってる。お巡りさん殺されちゃう。

少年のようなお巡りさんは、滑るような足取りでナイフを持つ男に近づいた。まるで滑るような手つきで相手の手首を握る。

「ギャ」

すぐにナイフを落とした。さらに、何やら手を上に持っていく。

「やめろ、イテえだろ。聞こえねぇのか?止めろ。止めて。止めて下さい。」

お巡りさんはゆっくりと残りの2人向き合う。

「君たちはその棒のような物をどうするつもりかな。まさか、警察官を襲うつもりかな。やるなら、本気で来な。まず、彼の手首と小指の骨は折らせてもらうよ。」

「警察が市民に暴力をふっていいのかよ。」

「警察官を凶器を持って3人で襲われたんだ。公務執行妨害だけではすまないよね。でどうする。ヤるのか、やらないのか?」

男2人は、そそくさとクルマに戻ろうとする。

「こいつは置いてくのか?」

「さっき知り合ったばかりだから、好きにしてくれ。俺たちは帰るよ。」

これだけの騒ぎを起こしたせいで廻りは数人の警察官。3人とも連れていかれちゃった。怖かった。もう、夜の渋谷へなんか来ないもんね。

「お怪我はありませんか?」

ニキビのお巡りさんは、落ちた帽子を拾ってくれた。

「このあと、交番でお話を聞かせて頂きます。時間はとらせません。」

どんくさいけど、カッコいいかも。

このあと、被害届を出した。

渋谷は怖いからもう来ないと思ったけど、明るい時間に彼に会いに来ている。あのときの、カッコ良さは無いけど、学校の誰よりも強くて真面目。派出所に行くと嫌がるけど、仕事が終わる時間を教えてくれる。あと少し、真面目に高校を無事に卒業をしよう。

将来はどうなるかわからないけど、彼のお嫁さんも悪くないかも。
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