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75 打算と気持ち
しおりを挟む≪進化と誓いと祝福の指輪≫
防具/アクセサリー レア度:S 品質:A
神代の魔王の素材から、守り抜く覚悟と大いなる祝福を受けて作られたとされる神々の指輪。
更に進化を促す力が合成されている。
二つで一つであり、永遠の誓いを意味する。
装備時、お互いのスキルを一つずつ共有することが出来る。
Luc+10
取得経験値+30%
さっきまでボロボロで効果も無かったのに、タマのコインを合成したらまたすごいことになった。
もしかしたらさっきの合成が成功してたら誓いと祝福の指輪になってたのかもしれない。
タマのコインで復活したのかな?
「ミルキーも、はい!」
「もう、タマちゃんってば。ありがとう」
タマが差し出した指輪をミルキーが受け取る。
喜んでくれているみたいだ。
怒られなくて良かった。
そこからはまた宴会が始まった。
モグラもマッスル☆タケダも盛大に飲んでいる。
まだ18時なんだけど!
今日はもう狩りに行けそうにない。
「それにしてもナガマサさん、まだ会って数日だったよね? 手が早いね」
「あははは」
それに関しては否定のしようがない。
実際1週間も経っていないからな。
そんな短期間で告白するなんて普通に考えたら出来っこない。
だけどさっきはつい、勢いというかなんというか。
勘違いさせてしまったし。
「自分でもびっくりですね」
「でもミルキーさんもOKしてくれたんだから羨ましいよ。ミルキーさんはまだ数回しか会ってないのに、どうしてOKしようと思ったの?」
ミルキーさんにまで絡みだした。
まずい。
止めたほうが良いんだろうか。
でも正直俺もそこら辺気になったりするんだけど。
「そ、それはですね……」
「それは?」
俺もタケダもモグラを止めない。
ミルキーの返答を待っている。
ゴロウは猫を頭に乗せて、タマはそれを見てモジャモジャはしゃいでいる。
ミルキーは黙り込んだまま俯いてしまった。
やばい、調子に乗り過ぎたか。
あ、顔を上げた。
赤い。
次の瞬間、ミルキーは目の前に置かれたまま手付かずだったグラスを手に取って、中身を一気に飲み干した。
あれ確かお酒だったよな。
ダァンッ、とグラスをテーブルに叩きつける音が鳴る。
「こんな短期間で好きとかどうとか、分かるわけないじゃないですか!」
「お、おう」
すごい剣幕だ。
モグラも怯んでしまうくらいだ。
正直俺も怖い。
「この世界で一人で生きていかないといけないなんて心細くて、見知らぬ人と組むのも怖くなって、ナガマサさんは良い人だし、強いし、一緒にいれば安心出来るじゃないですか! そういう、打算だらけですけど、何か文句ありますか!?」
「いえ、ないです」
怖い。
モグラも敬語になってしまっている。
でもミこれがルキーの正直な気持ちなんだろう。
ゲームには慣れてる感じだけど、この世界はもはやゲームじゃない。
第二の人生だ。
モンスターもいるし、他のプレイヤーだって襲って来たりする。
死んだら終わりの状況で、ずっと一人は辛いだろう。
そんな状態で変な奴に絡まれて、臨時広場に行くのも嫌になってしまった。
そこに俺からの告白(?)があって、色々考えて頷いてくれたってことだな。
仕方ないと思う。
それでも嬉しい事には変わらないし。
それからしばらくして、解散になった。
モグラとタケダとゴロウは二次会へ。
俺とタマはミルキーを送っていくことにした。
「あの、さっきは酷い事を言ってしまってすみませんでした」
「酷い事?」
「その、打算で付き合う……とか」
「ああ」
気にしてたらしい。
だから暗い顔してたんだな
「私のこと嫌になりましたよね。さっきの話はやっぱり無かったことにしてもらってもいいですよ……」
「ミルキーは、モジャモジャのこと嫌い?」
「モジャ……ナガマサさんのことですか?」
「うん!」
「嫌いなんてそんなこと」
「じゃあ気にするな!」
「ええ……」
タマは基本的に空気は読めない。もしくは読まない。
でもそれが有難い。
「タマの言う通りですよ。どんな理由であれ、俺を選んでくれたんならそれだけで俺は嬉しいです」
「……ほんとにお人よしなんですから」
「ははは、そんなことないと思いますけど」
「それじゃあまず話し方を変えましょう。ナガマサさんは私には敬語を止めましょう」
「あ、はい、うん」
「これで少しは恋人らしくなったんじゃないですか?」
「そうだね。打算だったとしても楽しめばいいと思う。ミルキー……は敬語やめない、の?」
「私は、すみません、しばらくはこのままでお願いします」
急に敬語を止めるのは難しい。
どうしても出そうになってしまうのを無理矢理抑え込む。
ミルキーは大人相手と会話する時に、もはや敬語以外の喋り方を忘れてしまったらしい。
気持ちは分かる。
別に無理強いするようなことでもないし。
「じゃあ明日は一緒に狩りでも行かない?」
「はい、是非お願いします!」
「ミルキーも一緒! やったー!」
「タマちゃんもよろしくね」
「よろしく!」
そうこうしてる内に、ミルキーの泊まる宿へ到着した。
「それじゃあ私はこれで。今日はありがとうございました。おかげで元気出ました。おやすみなさい」
「こっちこそありがとう。おやすみなさい」
「おやすみー!」
ミルキーは早口で捲くし立ててそ、そくさと去って行った。
まだ顔が赤かったからやっぱりまだ恥ずかしいんだろう。
俺もだ。
その内慣れて行って日常になって、大事なものになるんだろうか。
明日は久しぶりに普通の狩りだ。
どこへ行こうかな。
そろそろストーレの森以外の場所に行ってみたい。
ミルキーと相談だな。
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