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閑話
しおりを挟む「今日の測定終わりですよー。ゆっくり休んでてくださいねー」
「……」
「703号室の松永さん、この間までちょっとずつ元気になってたのにすっかり元通りじゃないの。何かあったの?」
「知らないの? 妹さんが亡くなられたんですって」
「あらまぁ。四肢の麻痺でずっと入院してるのにそんなことまで。可哀そうにねぇ」
「時々お見舞いにも来る良い子だったんだけどねぇ」
「そういえば数年前からやってたVR? ゲームを持ってきてくれたのも妹さんだったかしら」
「確かそうだったわよ。でも妹さんが亡くなったっていうのに今日もゲームをずっとやってたみたいよ」
「そういえば! さっきも計測に行った時にしてたわ。ひどいお兄さんね」
「お前はまたこんなゲームなんぞしおって!」
「あなた、止めてください!」
「うるさい! 黙っていろ! ……雅夫、お前は光莉が死んで悲しくないのか!」
「……」
「あの子はずっとお前の心配をしてくれていたんだぞ! ゲームなんかしてるんじゃない!」
「……」
「……もういい! 帰るぞ!」
「待ってください! あなた!」
「……」
「――あれ? 無い、無い。VRギアが無い……!」
「あんなもの捨てたぞ」
「父さん……!? あれは、あれは光莉の」
「うるさい! ゲームばかりにかまけて光莉を弔いもしなかったお前が、光莉の名を呼ぶんじゃない!」
「……」
「これに懲りたら反省するんだな」
「…………一体俺にどうしろって言うんだ」
「失礼します」
「……誰ですか?」
「私、東京AI研究所の大神と申します。今日は良いお話を持ってまいりました」
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