ゲームで第二の人生を!~最強?チート?ユニークスキル無双で【最強の相棒】と一緒にのんびりまったりハチャメチャライフ!?~

俊郎

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106 新装備と闇リンゴ

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「次はこいつだな」

 タケダが取り出したのは短剣だ。
 柄の部分にはいくつか宝石が埋め込まれている。
 鞘に収まっているが、緩やかなカーブを描いているし片刃の短剣のようだ。

「抜いてみてもいいですか?」
「そいつはミルキーさんのものだ。勿論構わないぜ」
「ありがとうございます」
 
 ミルキーが鞘から抜くと、結晶のような刀身が姿を現した。
 おお、これも綺麗だな。
 美術的な価値も高そうだが、性能はどうだろう。
 これまでから考えて間違いなく高いと思うけどな。

≪大海魔結晶牙≫
武器/短剣 レア度S- 品質:C+
Atk:316 Matk:301
結晶化した大海魔の牙を削り出して作られた短剣。
硬い宝石すら噛み砕くその牙はとても強靭な為、短剣にしても高い攻撃力を誇る。
体内で生成された特殊な結晶で出来た牙は、魔法を増幅する働きも併せ持つ。
詠唱時間-10%
スキルディレイ-10%

 うん、強い。
 刃物類の武器っていうのは、基本的にMatkはほとんどつかない。
 だから魔法職の武器は杖や本がメインと言われている。

 ミルキーが使ってたように一部の短剣にはMatkがついているが、杖に比べるとどうしても劣る。
 その分Atkがあるからな。

 だけどこの短剣はどちらも高い。
 俺の剣よりもAtkが高いのに、Matkもかなり高い。
 魔法使いに嬉しい効果もついてるしな。

「綺麗ですごく強いですね。タケダさん、ありがとうございます!」
「素材がいいからな。俺も随分張り切っちまった」
「その素材を活かしきってるタケダさんの腕が良いのは間違いないですよ」
「そうそう、見てて羨ましいくらい良い装備が作れるのはやっぱり腕でしょ」
「まっするの上腕二頭筋でしょ!」
「おいおい、マジで照れるからやめてくれ」

 みんなしてタケダを褒める。
 あまり慣れていないのか、本当に照れくさそうだ。

 だけどタマの言葉にポーズで返す辺り、余裕がありそうな気がする。
 っていうかタマはそんな言葉どこで覚えたんだ。
 Aiの一般常識か?

「後はブーツに、小盾だな」

 ブーツも小盾も良い出来だった。
 ≪古代異界烏賊≫の素材で作られた装備はどれもMdefが高い傾向にあったが、小盾は特に高かった。
 実物は魔法が全く効かなかったからな。
 そこまで再現すると強すぎるから、高めで調整してるんだと思うけど。

 受け取った装備に早速着替えてみる。
 夜とはいえ街中で脱いで着る訳にもいかないから、ストレージから選択して装備を切り替える。
 一瞬で装備が換えられるのはゲームの良いところだな。

「おかしくないですか?」
「私も、着こなせてる自信がありません」
「かっこいいよモジャマサ! ミルキーもきれい!」
「大丈夫大丈夫、二人ともばっちり決まってるよ」
「ああ、様になってるぞ」
「「ありがとうございます……」」

 新しい装備は嬉しいが、あんまり見られていると恥ずかしい。
 ミルキーも同じ気持ちのようで、お礼の言葉が小さくなっていく。
 仕方ないな。

「でもナガマサさんの方はあんまり強そうに見えないね。特に上半身が」
「言われてみれば、俺が作ったのはインナーだけだからな。シャツにオオカナヘビの皮鎧じゃそう見えるのも仕方ないか」
「そう言われるとそんな気もしますね」

 俺の上半身はインナーの上にオオカナヘビの皮鎧、後は皮手袋だけだ。
 見た目だけで言えば初心者とそんなに変わらないだろう。
 ここは上着も作っておくべきか。
 丁度今日の分の素材もあるし。

「それじゃあコートみたいなのをお願いしていいですか? なるべく動きやすい感じで」
「よしきた。任せとけ」

 依頼してそのまま素材を渡しておく。
 ついでにいらないものは売っておいて、代金はそこから差し引いてもらう。
 さっきの装備で全部売った吸盤も使われていたから、その分もだ。
 グリップ力が凄まじくてつい使ってしまったと謝られたが、性能が良くなるのは望むところだ。

「そういえばモグラさん、ちょっと聞きたいことがあったんですけど」
「うん? 何何?」
「さっきの装備の素材とかを集めた場所で、リンゴを落としそうにないモンスターがリンゴをドロップしたんですけど、何か知ってます?」
「あー」

 ≪輝きの大空洞≫は文字通り空洞だ。
 植物なんてコケが生えてるくらいで、リンゴなんてあるわけもない。
 モンスターが食べるにしても、確かリンゴを拾った場所はリンゴを食べそうなモンスターはいなかった。

 一層ならまだゴブリンとかいたし、分からないでもないんだけど。
 聞こうと思って忘れていたのを今思い出した。

「あくまでも噂なんだけど、ドロップ調整用のアイテムじゃないかって話だよ」
「ドロップ調整用?」

 よく分からない単語に聞き返すと、簡単に説明してくれた。
 モンスターのドロップアイテムの種類数はモンスターによって多い少ないがある。
 その種類が少ないままだと空欄が出来てしまうから、適当なアイテム――つまりリンゴをドロップ率0%でそこに入れた。

 だがそれが何かの手違いでドロップ率が変わり、落ちるようになったんじゃないかと。
 報告数の少なさから、ある意味コインよりも貴重だとされている。
 プレイヤー達の間では畏怖の念からある名で呼ばれているという。
 その名も――。

「闇リンゴ。ネトゲの世界は闇が深いねー」

 もし本当にドロップ率がコインより低いとすれば、これを拾ってしまうとすごく悲しい気持ちになるな。
 どうせなら他のアイテムにしてくれ、と。
 コインが強力な効果を持ってそうなボスがドロップしたら余計に辛い。
 闇リンゴ、なんて恐ろしいアイテムなんだ。
 
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