ゲームで第二の人生を!~最強?チート?ユニークスキル無双で【最強の相棒】と一緒にのんびりまったりハチャメチャライフ!?~

俊郎

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新たな始まり

13

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 ルインがベースとは反対方向に飛んだと思ったら、旋回して向かって行った。
 ぐんぐん速度を上げていく。
 正直そんなに速くない。

「行くわよ!」

 そのままベースへと突っ込んで行き、顔の辺りに体当たりをぶちかました。
 ダメージは、1。
 まさにコツッ、って感じの音しかしなかった。
 反動で再び空中に浮かび上がったルインは、どこか勝ち誇ったような雰囲気を醸し出している。  

「どんなもんよ!」
「ルイン、危ない!」

 どれだけ低くてもダメージはダメージ。
 そしてダメージが通ったということは、それは攻撃だ。

 自分から襲ってこないノンアクティブのモンスターも、大体は攻撃すれば襲ってくる。
 ベースの振りかぶったベースが、空中に浮かぶルインへと迫った。
 
「え――きゃん!?」

 カコォン!

 小気味いい音がして、ルインが綺麗にバッティングされた。
 ああ、羽根つきでスマッシュした時に聞いた音だ。

「ルイン、大丈夫か?」
「……なんとかね。酷い目に遭ったわ」

 地面に叩きつけられて軽く埋まっていたルインを摘まみ上げる。
 地面が柔らかいからか、そこまでダメージはないようだ。

 ルインにもHPが設定されており、これが無くなると破壊されてしまう。
 そうなったら三時間程復活しないらしい。
 
 ルインや動物みたいな自分で動くタイプ以外の、物とか装備品は耐久力で管理するそうだ。
 
「サンダーショット」
「ギッ」

 ベースを振り上げて迫って来てたベースは、魔法で一撃だった。
 威力が高いのか、ベースが弱いのか。
 まだ初心者向けのエリアだろうし、耐久は低いのかもしれない。

「やっぱりあたしは見てるわ。あたしの分まで頑張ってちょうだい」
「はいはい、頑張るよ」

 ルインは戦闘で活躍するのを諦めたようだ。
 今のを見てると、かなり厳しいのは間違いないからな。
 そもそも、スキルが浮遊のレベル1しかないのに何故あんなに自信満々だったんだろうか。

 気を取り直してレベル上げ再開だ。

 ベースや≪灰耳兎≫を狩って行く。
 さっきもいたマスコットっぽい≪プルン≫と、そのまま緑色にした≪ププルン≫も魔法でイチコロだ。
 
 色々試してみた感じ、こっちのエリアでもそこまで難易度は変わらないようだ。
 ただ、プレイヤーの数が少ないから安定して狩れる。

 この調子で行けば今日中に転職まで行けそうだ。

「ふう、結構狩ったな。少し休憩するか。この辺りで一度レベルアップの処理を纏めてしときたいし」
「分かったわ。ちょっとその辺り見て来ても良い?」

 腰を下ろしてステータス画面を開くと、ルインが聞いてきた。
 待ってる間暇だし、散策に行きたいようだ。
 
「いいけど、あんまり離れるなよ」
「分かってるわよ。襲われないように高めを飛ぶから、心配もいらないわ」
「そうか。気を付けてな」
「大丈夫だって。それじゃあ行ってくるわね」

 ルインはいつも通り自信満々に言い残して、進みながらふわーっと空へ上昇していく。
 なんとなく目で追っていると、三メートル程昇ったところで横から何かが突っ込んできた。

「きゃっ!?」
「ルイン!?」
「助けてー!!」

 ルインの悲鳴と同時に、立ち上がって走り出す。

 どうやら鳥型のモンスターのようだ。
 若干遠くて名前が見えないが、そいつはルインに体当たりをかました後、勢いのままに距離を取った。

 そして、どこぞのコインよりも華麗な旋回を見せた。
 明らかに、衝撃で落下して来てるルインに狙いを定めている。
 飛べるアクティブモンスターがいたとは、予想外だった。

「ルイン、浮遊を切れ!」
「わ、分かった!」

 緩やかに高度を下げていたルインが、突然糸でも切ったかのように落下を開始する。
 その落下地点目掛けて猛スピードで突っ込む、俺と鳥型モンスター。

 見えた、名前は≪弾丸鷹ブリットホーク≫。
 なんとか追撃をされる前に落下するルインの真下に陣取ることが出来た。
 杖を弾丸鷹に向けて、意識を集中させる。
 使うスキルは勿論≪雷撃散弾≫だ。

「サンダーショット!」
「ピッ!?」

 もはや目の前まで迫っていた弾丸鷹に、雷撃散弾をぶち当てた。
 ショットガンよろしく、複数の小さな弾を一気に射出する魔法を至近距離で食らった弾丸鷹は、あっけなく地に落ちた。
 死体がスーッと消えていく。

「ゼノ、よくやったわ! 囮をした甲斐があったわね!」
「お、おう」

 割とマジで悲鳴あげてなかったか?
 まあ、実際上手く狩れたと言えばそうだけど。
 ちょっと体を張り過ぎだ。

「とりあえずこれでも飲んどけ」
「しょうがないわねぇ……ぷはっ、意外とイケるわねこれ」

 目の前に浮いているルインに、初心者用ポーションをダバダバとかけた。
 最初は不服そうだったが、味を気に入ったようだ。
 パンの時も不思議だったけど、どうやって飲んでるんだろうか。

「ほらほら、せっかく倒したんだからドロップアイテム拾いましょ。一つも無駄に出来ないわ!」
「そうだな」

 最初に持っていた所持金は、ほとんど使ってしまった。
 大した金額にはならないだろうが、アイテムは拾い集めて少しでもお金にしないといけない。
 転職でもしたらしっかり装備を整えたいからな。
 今から準備しておかないといけない。

「うん?」

 弾丸鷹の死体が消えた辺りを見ると、アイテムが落ちている。
 羽根と、コイン?

「ルイン、ルインと似たのが落ちてるぞ」
「あたしと? あら、ほんとね。でも色が違うわ」

 とりあえず羽根をストレージに放り込んで、コインを拾い上げる。
 大きさはルインとほぼ一緒っぽい。
 色はくすんだ銅色で、年季の入った十円玉みたいな色だ。

「大きさでも比べてみるか?」
「そうね、やってみるわ」

 掌にコインを乗せて、胸の高さに持ってくる。
 そこにルインがやってきて、重なるように着地した。

「どうかしら?」
「あー、やっぱり大きさは同じ――!?」
「え? あれ?」
「どうしたの?」

 まるで完全に一つになるように、ルインがコイン一枚分落下した。
 下に重なっていた筈のコインが消えてしまった。
 角度を変えたり、ルインを持ち上げてみるも、影も形も全く無い。
 一体どこへ行ったんだ。

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