【共依存DK】幼なじみのハルミナト

りつ

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285.気長に見守る小話

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「お、やっとこっち見た」
「……晴海だ。あれっ」
「そう。筆と半紙への集中力に負けたオレです」
「ずーっと書いてた?」
「書いてた。てかほら、紙に埋もれてんだろ湊」
「ほんとだ」
「展覧会でもあんの?」
「うーん……部活のほうの課題なんだけど、なかなか思うように書けなくて」
「アー」
「つい力が入っちゃったね」
「投げ出したくなんねえ? まあオレが堪え性ねーからそう思うんだけど」
「そうだねえ。例えば名書家である良寛さんを、やっぱり書家の北大路魯山人が評して曰く、若かりし頃にはそうでもないけど六十歳くらいから俄然いい! っていうのがあって」
「六十歳ってだいぶ気長じゃん」
「うん。だから上手くいかないときもあるけど、焦らずにやろーって思ってるよ」
「なるほどな。湊がいま以上に俄然よくなんの、スゲー楽しみ」
「ふふふ、見守ってて」
 六十になるか七十になるか分からなくても、晴海にならば頼むことができる。



(了)220323
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