モブですけど!

ビーバー父さん

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 イケメンサド野郎ゲオルグは、使う魔法もイケメンでした!
 あー、ほんとムカつく!
 
 しっかり結界張ってましたよ、この人!!
 手のひらの上だったって事だ。

 守護者の二人を引きずり出すため、そして僕自身が戦う事で誰かと命のやり取りをする事を僕に教えた。

「ラグ、これで良いか?」

「あ、出来れば壊れたんで、僕の好みのディテールにして貰って良いですか?」

「は?
 人使い荒くないか?」

「何言ってるんですか?
 僕にキスして、乳首いじって、更に、おちんちんにお尻まで。
 安くないですよ?
 キス以外はバージンでしたから。」

 更に目尻に涙を浮かべてそう言うと、意外にもゲオルグは、真っ赤になった。

「おま、それは、本当か?
 いや、嘘だと言ってる訳じゃないぞ。
 ただそれだけ綺麗で、誰も知らないとは!
 いや、やはり、私のものにする!
 絶対にする!」

 何に意欲燃やしてんだよ。

「早く、やって下さい。」

「ヤって!」

「ゲオルグ様って、意外と妄想派なんですね?」

 狼狽えたり、ニマニマしたり、軍服イケメンサド系が崩れてますよ。

「ラグ、この屋敷は貴族の物だろ?」

「はい、ロッシ家の物です」

 平民なのに、此処にいるのもおかしいよな。

「もう、教えてくれても良いんじゃないか?」

「内緒です」

「もしや、ロッシ家の落胤とかか?」

 あ、そっちに行ったか。
 
「まあ、内緒です。
 此処を自由にする事は許されてますから」

 多分。
 てへ!




 厨房は広くても構わない。
 でも、食べるためのダイニングが広すぎるので、カウンターキッチンを併設した。

 そこには鉄板焼きが出来る様にして、お好み焼きに、もんじゃ焼き、焼きそば、ステーキ!色々考えちゃうよ!
 あ、たこ焼きもしたいから、半円の形の穴を作った鉄板をゲオルグに作ってもらった。

 うん!イメージ通りだ。

「ゲオルグ様、ありがとうございます。」

「ラグ、キスさせろ!」

「え?嫌ですよ?」

「これはやらせ過ぎだろ!」

 さすがに肩で息してるから、悪かったかな~と思いながらも、まだまだー!

「僕の、大事な、
 うっうっ、酷い」

 態と大袈裟に演技をしてみせた。
 ふざけ過ぎたな、と思って顔を上げたら不意に真剣な顔をして、腰を抱き寄せられた。

「あ、」

 大人のキスをされた。
 ぼぼ抱き上げられて、爪先が辛うじて床を掠る。
 
「ラグ、本気だ」

 舌を吸い上げられて、唇をずらしながら、囁かれた。

「やめ、だめ、」

「ふっ、無理ではないんだな?」

 無理とは思わないけど、まだ、ダメだ。

「それに、まだ、十四歳ですから!
 犯罪です!」

「はあ?
 お前、免除資格取った段階で、成人扱いだぞ?
 じゃないと働いたらダメだろ。」

 え?!
 確かに、そうだ。
 免除資格で働けるんだから、言われるまで知らなかった。
 てか、自分で言ってたのに!!
 迂闊だった。

「えっと、ゲオルグ様は何歳ですか?」

「私は三十二歳だ。
 十八歳の差なんて大した事ないぞ?」

 いや、僕が十八歳になる頃、三十六歳ってどうなんだ?

「あの、多分、僕が二十五歳くらいになったら可愛くも綺麗とかも無いですよ?
 男ですし。
 全然、ショボいおっさんになるんですよ?」

「それは面白いな。
 私もおっさんに、ラグの基準だと既にオッサンだよな?」

 イケメンて、この年齢でもイケメンだよな。
 僕が二十六歳の時はもっとショボくれてた気がする。

「失礼しました。
 ゲオルグ様は決してオッサンじゃないですよ。」

 おっさんってどこからなんだろ?

「私は、ラグなら髭が生え様が、臭くなろうが、抱ける自信があるぞ?」

「臭くってなんですか、それ」
 
「私なんか起きた時に枕が臭いなと感じる時があってな。
 おっさんになったなぁって思うんだ」

 いやいや、そんなパリッとして、さっきもいい匂いしかしなかったけど!

「冗談ばっかり。
 十四の子供に面白い事言わないで下さいよ。」

 さあ、もう少しゲオルグに内装を変えてもらってる間に、夕飯の支度をしちゃおう。

 今夜はお昼に作った魚のすり身をお椀にして、大根をひき肉と煮込んでとろみをつけた、おぼろ大根に、鶏肉を照り焼きにして紅生姜を散らした。

 おぼろ大根は、先にしっかりひき肉を炒めて、灰汁をなるべく少なくする事が大事で、大根を煮込むときはあまり動かさない方がいい。  
 最後に片栗粉でとろみをつけて、上からおぼろ昆布を乗せたら完成です。
 熱々の炊き立てご飯と食べると最高だし、照り焼きは紅生姜が味を変化させてくれて、甘すぎ無いように工夫できるし、彩も良くなるからとても便利で良い。

「ラグ、本当に料理人になってるんだな。」

「そうですよ?
 まあ、食べてください。
 緑頭もミワもおいで」

 二人も来ると、ミワには台にお皿を出してあげて、そこに肉を盛り、緑頭は一緒に席に着いた。

「ラグが今日、優しい!」

 ニコニコしながら食べてる精霊王に、いつも優しいだろ?と低い声を出したら、はくはくしながら、やっぱり優しくない!だってさ。

「初めて食べるけど、これ何だ?
 スープの、中のこれ?
 弾力もあるが、フワッと噛み切れて、なんとも言えない味だ。
 透明なのに味がしっかりしたスープ!
 肉も柔らかくて甘辛い、食べた事ない。
 凄いな、なんだこれは。
 この野菜は知ってるが、こんな味になるのか?
 マイマイ、だよな?
 べちゃべちゃで、美味くないと思っていたが、肉に合う!
 ラグ、結婚しよう、今すぐ!」

「ゲオルグ様、美味しいでしょ?
 武力行使なんかしなくても、食は重要な武器になるんですよ。」

 今日は頑張った緑頭とミワにカスタードクリームのシューを作ってあげたら、精霊王のくせに、五つも食べてお腹パンパンにしやがった。
 まあ、今日はいっか。

 
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