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天界よいとこ一度はおいで
再会
しおりを挟む「さて、これで満足かい?」
「いえ、あ、はい
イズラエル様、天界にお帰りください。
この様な人間界に貴重な御身を置いておくわけには参りません。」
頭を下げたまま、俺に天界に帰れと。
「君たちは、俺を見つけたらどうするか、指示が出ているの?」
「はい、まずはメタトロン様、ミカエル様、ウリエル様、そしてラファエル様にお知らせする様にと。」
「そうか…。
ウリエル様はお元気ですか?」
その時、顔を上げて俺を見てきた。
「ウリエル様は、いま、戦場に出ていらっしゃいます。
悪魔との最前線で指揮をとられ、自ら剣を奮い貴方様を探しておられます。
天界では実しやかに、貴方様が堕天したと噂が流れ、それでウリエル様が前線に赴いていらっしゃるのです。
どうか、どうか!
せめて、ウリエル様にはご無事をお知らせください。」
ウリエルが俺を探して、前線にいるなんて!
「なんで、そんなことに!」
「決まっています!
貴方様を伴侶と決めて、神に誓ったからです!」
「どう言うこと?」
「貴方様が行方不明になり、堕天と騒がれ始めた頃、ウリエル様が貴方様の名誉を守るため、伴侶として誓いを立て貴方様を探し堕天ではないと証明するため、そして、堕天していれば自らの手で滅ぼすためです!」
「そんな!」
俺が狼狽えている間に、天使は素早く指笛を鳴らし天界へと知らしめてしまった。
窓の外が明るくなり始め太陽が昇る光が空に溢れ出したとき、雲に映し出された階から二体の天使が真っ直ぐにこちらへ飛んでくるのが見えた。
ああ、ミカエルとウリエルだ。
「御二方は、一番人間界に近い前線にいましたから、すぐに伝わったのでしょう」
窓の外に降り立ち、開けることなくすり抜けて来た。
狭いアパートの一室に、200センチ越えの天使が3人も!
翼の分も邪魔だし!
もう!
「イズラエル!」
「イズくん!!」
二人に抱きしめられて、息もできなかった。
ウリエルは俺に深くキスをして、ぎゅうぎゅうに抱きしめた。
「イズラエル!
何故だ!お前が出て行ったのは、何故なんだ!
赤い翼を気にしたのか!?」
「異端は、天界には不要でしょ」
笑って言えたと思う。
「イズくん!
異端なんかじゃないよ!
神の御加護だよ!」
「それを証明する術がありません。」
ミカエルは加護だと言う。
でも、俺は半端に炎を出した事があるけど、どうやって出したか未だに分かっていないし、自在に出す事も出来なかった。
「イズラエル、私を嫌いになって、出て行ったのか?
お前の翼が生えた時に、何も出来なかったから」
「嫌いになんてならない!!」
今でも貴方を想って涙するくらい好きなのに!
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