俺と俺の天使と俺の上司

ビーバー父さん

文字の大きさ
70 / 116
天界革命

伴侶の誓い

しおりを挟む


天界システムとか、不穏なことを事も無げに言ってしまったウリエルに、誰も苦言を呈さなかった。

おいおい、天界大丈夫か!!!



「ウリエル、伴侶の誓いってどういうこと?
 人間界で、そこの上級天使にも言われたんだけど。」

ミカエルが答えてくれた。

「あぁ、イズくん
 聞いてなかったのかぁ
 あのね、君が家出しちゃって、天界の上級天使たちがさぁ
 イズラエルの赤い翼は悪魔の物だって噂が広まっちゃってさ
 それで討伐隊を組もうとしたおバカさんを説得するために、
 私の伴侶だー!!って叫んで神の誓いをしたんだよ。
 ね、ウリエル?」

「あれは、なぜかガブリエルが、自分を伴侶にしたら私を悪魔と密通してるとは思わないなどと言うからだ。
 私の伴侶はイズラエルしかいない、それを知っての嫌がらせをしたからだ」

肩をすくめて、ミカエルもやれやれ、という態度だった。

「あれは、お前をずっと好きだったガブリエルの画策だよ」

「ガブリエルさまは一度もお会いしたことないです」

メタトロンも、困った顔をして一言だけ付け加えた。

「神の前でウリエルだけが誓ってるけど、イズラエルも誓うんだよね?」

「はい、ウリエルの伴侶となり、手を取り合うことを誓えます」

俺の言葉に、ウリエルが一番喜んで、他の人は暖かい微笑み?で返された。

「さて、今誓っちゃったし、問題ないね!」

ミカエルが誓ったって言うけど、神様の前で誓ってないよね?

「あぁ、この世界そのものが神の御前だからね。
 どこにいても神の御前で誓ったのと同じだよ。
 これで、あのガブリエルを牽制できるし、本当の伴侶になれたね。
 立ち合い人も、私たちが務めたし、これを覆すことは何があってもできない」

もしかして、ガブリエルって地雷系の人だったの?
付き纏いとかしちゃう人?

「イズ、これで晴れて伴侶だ。
 この先もずっと一緒にいられる。
 人間界に行くのも一緒だ。」

「え?」

クスクスとメタトロンが笑いながら、人間界へ行くための許可を出すんだって。

「ウリエルと人間界で魂の判定をすることを命令します。
 これほど優秀な子をここに引き留めてしまうのは良くないしね。
 まぁ、ウリエルの言った天界のシステムについては、私も思う所があるんだよ。
 だから、もう少し様子を見てそれから、行動する時は呼び戻すからね。
 家出したときみたいに、居場所が分からないとかやめてくれよ?」

また、メタトロンの目が笑ってない。

「じゃぁ、今度は、ウリエルと人間界で暮らせるの?」

「そうなるな、イズ。
 あのアパートでは狭いから、こちらにいるうちに
 住まいを決めて行こう」

天界で不動産なんて決められるの?

「人間界に赴任する奴らの為の、住居システムが利用できるんだよ」

ミカエルが補足してくれた。

「さ、三人ともしたくして、さっさと行きなさい」

メタトロンの辞令で俺は違反者でも堕天でもないことを胸を張って言える立場になった。

「あとね、その6枚羽根は自信をもって羽ばたかせなさい。
 神の寵愛を、知らしめてやりなさい」

えっと、メタトロンも俺を悪く言った奴らが許せなかったようだ。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

鎖に繋がれた騎士は、敵国で皇帝の愛に囚われる

結衣可
BL
戦場で捕らえられた若き騎士エリアスは、牢に繋がれながらも誇りを折らず、帝国の皇帝オルフェンの瞳を惹きつける。 冷酷と畏怖で人を遠ざけてきた皇帝は、彼を望み、夜ごと逢瀬を重ねていく。 憎しみと抗いのはずが、いつしか芽生える心の揺らぎ。 誇り高き騎士が囚われたのは、冷徹な皇帝の愛。 鎖に繋がれた誇りと、独占欲に満ちた溺愛の行方は――。

(無自覚)妖精に転生した僕は、騎士の溺愛に気づかない。

キノア9g
BL
※主人公が傷つけられるシーンがありますので、苦手な方はご注意ください。 気がつくと、僕は見知らぬ不思議な森にいた。 木や草花どれもやけに大きく見えるし、自分の体も妙に華奢だった。 色々疑問に思いながらも、1人は寂しくて人間に会うために森をさまよい歩く。 ようやく出会えた初めての人間に思わず話しかけたものの、言葉は通じず、なぜか捕らえられてしまい、無残な目に遭うことに。 捨てられ、意識が薄れる中、僕を助けてくれたのは、優しい騎士だった。 彼の献身的な看病に心が癒される僕だけれど、彼がどんな思いで僕を守っているのかは、まだ気づかないまま。 少しずつ深まっていくこの絆が、僕にどんな運命をもたらすのか──? 騎士×妖精

男子高校に入学したらハーレムでした!

はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。 ゆっくり書いていきます。 毎日19時更新です。 よろしくお願い致します。 2022.04.28 お気に入り、栞ありがとうございます。 とても励みになります。 引き続き宜しくお願いします。 2022.05.01 近々番外編SSをあげます。 よければ覗いてみてください。 2022.05.10 お気に入りしてくれてる方、閲覧くださってる方、ありがとうございます。 精一杯書いていきます。 2022.05.15 閲覧、お気に入り、ありがとうございます。 読んでいただけてとても嬉しいです。 近々番外編をあげます。 良ければ覗いてみてください。 2022.05.28 今日で完結です。閲覧、お気に入り本当にありがとうございました。 次作も頑張って書きます。 よろしくおねがいします。

この世界は僕に甘すぎる 〜ちんまい僕(もふもふぬいぐるみ付き)が溺愛される物語〜

COCO
BL
「ミミルがいないの……?」 涙目でそうつぶやいた僕を見て、 騎士団も、魔法団も、王宮も──全員が本気を出した。 前世は政治家の家に生まれたけど、 愛されるどころか、身体目当ての大人ばかり。 最後はストーカーの担任に殺された。 でも今世では…… 「ルカは、僕らの宝物だよ」 目を覚ました僕は、 最強の父と美しい母に全力で愛されていた。 全員190cm超えの“男しかいない世界”で、 小柄で可愛い僕(とウサギのぬいぐるみ)は、今日も溺愛されてます。 魔法全属性持ち? 知識チート? でも一番すごいのは── 「ルカ様、可愛すぎて息ができません……!!」 これは、世界一ちんまい天使が、世界一愛されるお話。

【完結】悪役令嬢モノのバカ王子に転生してしまったんだが、なぜかヒーローがイチャラブを求めてくる

路地裏乃猫
BL
ひょんなことから悪役令嬢モノと思しき異世界に転生した〝俺〟。それも、よりにもよって破滅が確定した〝バカ王子〟にだと?説明しよう。ここで言うバカ王子とは、いわゆる悪役令嬢モノで冒頭から理不尽な婚約破棄を主人公に告げ、最後はざまぁ要素によって何やかんやと破滅させられる例のアンポンタンのことであり――とにかく、俺はこの異世界でそのバカ王子として生き延びにゃならんのだ。つーわけで、脱☆バカ王子!を目指し、真っ当な王子としての道を歩き始めた俺だが、そんな俺になぜか、この世界ではヒロインとイチャコラをキメるはずのヒーローがぐいぐい迫ってくる!一方、俺の命を狙う謎の暗殺集団!果たして俺は、この破滅ルート満載の世界で生き延びることができるのか? いや、その前に……何だって悪役令嬢モノの世界でバカ王子の俺がヒーローに惚れられてんだ? 2025年10月に全面改稿を行ないました。 2025年10月28日・BLランキング35位ありがとうございます。 2025年10月29日・BLランキング27位ありがとうございます。 2025年10月30日・BLランキング15位ありがとうございます。 2025年11月1日 ・BLランキング13位ありがとうございます。

魔王の息子を育てることになった俺の話

お鮫
BL
俺が18歳の時森で少年を拾った。その子が将来魔王になることを知りながら俺は今日も息子としてこの子を育てる。そう決意してはや数年。 「今なんつった?よっぽど死にたいんだね。そんなに俺と離れたい?」 現在俺はかわいい息子に殺害予告を受けている。あれ、魔王は?旅に出なくていいの?とりあえず放してくれません? 魔王になる予定の男と育て親のヤンデレBL BLは初めて書きます。見ずらい点多々あるかと思いますが、もしありましたら指摘くださるとありがたいです。 BL大賞エントリー中です。

処理中です...