俺と俺の天使と俺の上司

ビーバー父さん

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天界革命

お子様ランチ改

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食堂へ入ると先ほどの騒動が伝わってるのか、しっかり礼を取る中位以上の天使たちに、上級天使たちも礼を取ってくれていた。

「イズくん、赤ちゃんの頃以来だよね~
 あっちの個室で食べよ~」

ミカエルに促されて個室に入ると、あの時に食べたお子様ランチを思い出した。
初めてのお子様ランチは美味しくて幸せで、ウリエルの事を意識しだした頃だ。
赤ん坊だったのに。


「あの、あの時作ってくれた人はまだいるんでしょうか?」

「メタトロンと食べた時のアレか?」

ウリエルが覚えててくれた。

「そう、お子様ランチ!」

はっ!子供かよ!

言ってから恥ずかしくなった。

「イズはお子様ランチでも大丈夫な外見だから、作ってくれるさ。
 頼んでみよう。」

厨房へ頼みに行ってくれた。





リストを広げて、部屋数がとか色々言っていたけど、ミカエルの同居を阻止しようと必死でウリエルが攻防を繰り返していた。

「ね、ミカエルが隣になれるような物件はないのかな?
 同じ階とか建物なら良いんじゃないかな?」

ミカエルを嫌いじゃないし、さっきのやり取りを考えると人間界で何かと頼りになる気がした。
ウリエルが頼りにならないというのではなくて、言葉巧みな話術を期待することはできないから。

「イズくん、一緒には住まないの?」

「だって、聞かれたら恥ずかしいですから」

さすがに、公開するようなことはしたくないし、まして、混ぜろとか言われたら困るから。

「聞かれるって、と言うか、する前提なんだ。
 結構イズくん大胆な事言うよね」

「え!? あ!」

真っ赤になった。

何宣言しちゃってんだ、俺!!

「イズいいんだ。
 ミカエル、新婚だと言ったよな?
 隣人とか、同じ階とか、譲歩したことに甘んじろ」

「ミカエル様! 
 今の言葉は忘れてください!!!」

俺は必死に訴えたけど、無駄だったと思う。
俺、ウリエルの事言えない。

そうやって色々騒いでいたら、頼んでいた料理が出て来た。

「イズ、大人サイズにしてもらったぞ」

出て来たのは、電車の器にてんこ盛りになったお子様ランチだった。
いや、大人サイズとか必要ないし。

でも食べると、美味しくてあっという間に食べ切った。
あの日食べ切れなかった、プリンアラモードも、全て、綺麗に食べた。

あの時の料理をしてくれた人はまだいたんだ。
お礼を言いたいと思って厨房へ行くと、何人かの若い奉仕の人に交じって、中年くらいの男性が一人いた。

「あの、お子様ランチをありがとうございました」

誰にというわけではないが、俺を言うと、昔、デパートの食堂で作っていたからと、やはり中年男性が答えてくれた。

「念願の完食が出来ました」

中年男性は、少し照れたようにこちらこそ、と言って下がって行った。

子供のころ食べてみたくて、食べてみたくて憧れのものだった。
ミカエルとウリエルに良かったね、と言われて幸せな瞬間が増えていくのが嬉しかった。

そして、部屋問題は、同じ建物、同じ階、隣室という条件で決まった。




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