俺と俺の天使と俺の上司

ビーバー父さん

文字の大きさ
77 / 116
天界革命

上級天使

しおりを挟む


転生は叶わずって俺が決めた。
ガブリエルの席が空いたら、天界のシステムは大丈夫なのだろうか?

ミカエルもウリエルも生まれ直せって言ってたのが気になって、消滅って判定をした俺が間違っていたのかもしれない。
もし、ウリエルが待っていたら?
ガブリエルが生まれ直すのを待っていたら?

不安が胸を圧し潰しそうだった。

メタトロンも消滅と決めたのに、何でこんなに不安で嫌な予感がするんだろう。
俺はウリエルに顔向けできないことをしたんじゃないかって焦って、メタトロンの執務室へ飛ぶしかなかった。






「メタトロン様!」

ノックもせずに入ると、六人の天使たちと話し合いをしていた。

「こーら、イズくん、ノックぐらいしなさい。
 致してるときとかだったらどうすんの!」

笑いながら叱られた?てか致してるときって!!!!

真っ赤になってごめんなさいって頭を下げたら、六人の天使の一人ラグエルがくつくつと笑いながら、メタトロン様のいたずらですよって優しく言ってくれた。

「え、あの、それでも、ノックは必要でした。
 すみません。
 あの、ガブリエルの事で」
「うん、来る頃だと思ってたよ。
 消滅は、文字通り消滅だ。
 もう天界に天使として生まれ直すことはない。
 これが神の代行者である私たちの判断だ。
 ミカエルとウリエルは、分かってると思うけど改めて話すよ。
 決してイズくんのせいでも、生まれ直させない審判に問題があるわけでもないよ。
 ガブリエルはこれまでやり過ぎたんだよ。
 確かに告知の力はあった。
 その告知をちゃんと曲げずに告げていれば、なんだよ。
 自分の都合のいいように、ちょっと思わせぶりな告知にしたり、受け止め方で色々変わる様な告知をし始めていた。
 人間だけでなく、天使までもがその告知の内容に振り回されるようになった。
 一番わかりやすのが、イズくんの悪魔憑きだよね。
 事実無根だ。
 こちらの証拠を出しても、否定するようになっては告知を出すわけにはいかない。
 大体、ウリエルが伴侶になるなら、告知を撤回するなど言語道断だ。
 わかるだろ?」

メタトロンはだいぶ前から、ガブリエルの行動を問題視していた、という事だ。
決定打になったのが今回の顛末で、ただそれだけだと。

上級天使の空席は意外と信仰という形で新しい天使が上がってくるのだと、使えるかどうかは別としてという目が笑っていない言葉を添えてくれた。

ラグエルはメタトロンの話に、元々告知の天使は既に時代遅れで、必要な席ではないとまで言ってくれた。





「メタトロン!イズがまたいなくなった!!!」

ミカエルとウリエルが駆け込んできて、俺を見た途端崩れ落ちるように座り込んだ。

「イズ、心配させないでくれ!
 ガブリエルの後始末をしている間にいなくなるし!
 また、家出かと思うだろ!!」

ウリエルが結構、本気で怒っていた。

「あ、の」
「ウリエル、ミカエル!
 ガブリエルの処分は消滅だ、それは理解しているな?」

俺の言葉を遮って、メタトロン様が二人に再確認した。

「生まれ直しは無い、という事ですか」

「やはり、イズラエルが懸念していた通りですか
 その懸念をイズラエルが持ってきたのは正解でしたね。」

メタトロンがウリエルの言葉に少なからず落胆したのが分かった。



しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

鎖に繋がれた騎士は、敵国で皇帝の愛に囚われる

結衣可
BL
戦場で捕らえられた若き騎士エリアスは、牢に繋がれながらも誇りを折らず、帝国の皇帝オルフェンの瞳を惹きつける。 冷酷と畏怖で人を遠ざけてきた皇帝は、彼を望み、夜ごと逢瀬を重ねていく。 憎しみと抗いのはずが、いつしか芽生える心の揺らぎ。 誇り高き騎士が囚われたのは、冷徹な皇帝の愛。 鎖に繋がれた誇りと、独占欲に満ちた溺愛の行方は――。

(無自覚)妖精に転生した僕は、騎士の溺愛に気づかない。

キノア9g
BL
※主人公が傷つけられるシーンがありますので、苦手な方はご注意ください。 気がつくと、僕は見知らぬ不思議な森にいた。 木や草花どれもやけに大きく見えるし、自分の体も妙に華奢だった。 色々疑問に思いながらも、1人は寂しくて人間に会うために森をさまよい歩く。 ようやく出会えた初めての人間に思わず話しかけたものの、言葉は通じず、なぜか捕らえられてしまい、無残な目に遭うことに。 捨てられ、意識が薄れる中、僕を助けてくれたのは、優しい騎士だった。 彼の献身的な看病に心が癒される僕だけれど、彼がどんな思いで僕を守っているのかは、まだ気づかないまま。 少しずつ深まっていくこの絆が、僕にどんな運命をもたらすのか──? 騎士×妖精

この世界は僕に甘すぎる 〜ちんまい僕(もふもふぬいぐるみ付き)が溺愛される物語〜

COCO
BL
「ミミルがいないの……?」 涙目でそうつぶやいた僕を見て、 騎士団も、魔法団も、王宮も──全員が本気を出した。 前世は政治家の家に生まれたけど、 愛されるどころか、身体目当ての大人ばかり。 最後はストーカーの担任に殺された。 でも今世では…… 「ルカは、僕らの宝物だよ」 目を覚ました僕は、 最強の父と美しい母に全力で愛されていた。 全員190cm超えの“男しかいない世界”で、 小柄で可愛い僕(とウサギのぬいぐるみ)は、今日も溺愛されてます。 魔法全属性持ち? 知識チート? でも一番すごいのは── 「ルカ様、可愛すぎて息ができません……!!」 これは、世界一ちんまい天使が、世界一愛されるお話。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

魔王の息子を育てることになった俺の話

お鮫
BL
俺が18歳の時森で少年を拾った。その子が将来魔王になることを知りながら俺は今日も息子としてこの子を育てる。そう決意してはや数年。 「今なんつった?よっぽど死にたいんだね。そんなに俺と離れたい?」 現在俺はかわいい息子に殺害予告を受けている。あれ、魔王は?旅に出なくていいの?とりあえず放してくれません? 魔王になる予定の男と育て親のヤンデレBL BLは初めて書きます。見ずらい点多々あるかと思いますが、もしありましたら指摘くださるとありがたいです。 BL大賞エントリー中です。

男子高校に入学したらハーレムでした!

はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。 ゆっくり書いていきます。 毎日19時更新です。 よろしくお願い致します。 2022.04.28 お気に入り、栞ありがとうございます。 とても励みになります。 引き続き宜しくお願いします。 2022.05.01 近々番外編SSをあげます。 よければ覗いてみてください。 2022.05.10 お気に入りしてくれてる方、閲覧くださってる方、ありがとうございます。 精一杯書いていきます。 2022.05.15 閲覧、お気に入り、ありがとうございます。 読んでいただけてとても嬉しいです。 近々番外編をあげます。 良ければ覗いてみてください。 2022.05.28 今日で完結です。閲覧、お気に入り本当にありがとうございました。 次作も頑張って書きます。 よろしくおねがいします。

異世界に勇者として召喚された俺、ラスボスの魔王に敗北したら城に囚われ執着と独占欲まみれの甘い生活が始まりました

水凪しおん
BL
ごく普通の日本人だった俺、ハルキは、事故であっけなく死んだ――と思ったら、剣と魔法の異世界で『勇者』として目覚めた。 世界の命運を背負い、魔王討伐へと向かった俺を待っていたのは、圧倒的な力を持つ美しき魔王ゼノン。 「見つけた、俺の運命」 敗北した俺に彼が告げたのは、死の宣告ではなく、甘い所有宣言だった。 冷徹なはずの魔王は、俺を城に囚え、身も心も蕩けるほどに溺愛し始める。 食事も、着替えも、眠る時でさえ彼の腕の中。 その執着と独占欲に戸惑いながらも、時折見せる彼の孤独な瞳に、俺の心は抗いがたく惹かれていく。 敵同士から始まる、歪で甘い主従関係。 世界を敵に回しても手に入れたい、唯一の愛の物語。

処理中です...