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天界革命
上級天使
しおりを挟む転生は叶わずって俺が決めた。
ガブリエルの席が空いたら、天界のシステムは大丈夫なのだろうか?
ミカエルもウリエルも生まれ直せって言ってたのが気になって、消滅って判定をした俺が間違っていたのかもしれない。
もし、ウリエルが待っていたら?
ガブリエルが生まれ直すのを待っていたら?
不安が胸を圧し潰しそうだった。
メタトロンも消滅と決めたのに、何でこんなに不安で嫌な予感がするんだろう。
俺はウリエルに顔向けできないことをしたんじゃないかって焦って、メタトロンの執務室へ飛ぶしかなかった。
「メタトロン様!」
ノックもせずに入ると、六人の天使たちと話し合いをしていた。
「こーら、イズくん、ノックぐらいしなさい。
致してるときとかだったらどうすんの!」
笑いながら叱られた?てか致してるときって!!!!
真っ赤になってごめんなさいって頭を下げたら、六人の天使の一人ラグエルがくつくつと笑いながら、メタトロン様のいたずらですよって優しく言ってくれた。
「え、あの、それでも、ノックは必要でした。
すみません。
あの、ガブリエルの事で」
「うん、来る頃だと思ってたよ。
消滅は、文字通り消滅だ。
もう天界に天使として生まれ直すことはない。
これが神の代行者である私たちの判断だ。
ミカエルとウリエルは、分かってると思うけど改めて話すよ。
決してイズくんのせいでも、生まれ直させない審判に問題があるわけでもないよ。
ガブリエルはこれまでやり過ぎたんだよ。
確かに告知の力はあった。
その告知をちゃんと曲げずに告げていれば、なんだよ。
自分の都合のいいように、ちょっと思わせぶりな告知にしたり、受け止め方で色々変わる様な告知をし始めていた。
人間だけでなく、天使までもがその告知の内容に振り回されるようになった。
一番わかりやすのが、イズくんの悪魔憑きだよね。
事実無根だ。
こちらの証拠を出しても、否定するようになっては告知を出すわけにはいかない。
大体、ウリエルが伴侶になるなら、告知を撤回するなど言語道断だ。
わかるだろ?」
メタトロンはだいぶ前から、ガブリエルの行動を問題視していた、という事だ。
決定打になったのが今回の顛末で、ただそれだけだと。
上級天使の空席は意外と信仰という形で新しい天使が上がってくるのだと、使えるかどうかは別としてという目が笑っていない言葉を添えてくれた。
ラグエルはメタトロンの話に、元々告知の天使は既に時代遅れで、必要な席ではないとまで言ってくれた。
「メタトロン!イズがまたいなくなった!!!」
ミカエルとウリエルが駆け込んできて、俺を見た途端崩れ落ちるように座り込んだ。
「イズ、心配させないでくれ!
ガブリエルの後始末をしている間にいなくなるし!
また、家出かと思うだろ!!」
ウリエルが結構、本気で怒っていた。
「あ、の」
「ウリエル、ミカエル!
ガブリエルの処分は消滅だ、それは理解しているな?」
俺の言葉を遮って、メタトロン様が二人に再確認した。
「生まれ直しは無い、という事ですか」
「やはり、イズラエルが懸念していた通りですか
その懸念をイズラエルが持ってきたのは正解でしたね。」
メタトロンがウリエルの言葉に少なからず落胆したのが分かった。
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