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【完】淫魔王の性奴隷(ペット)は伴侶(パートナー)となる。

4 契約の承認と深い契り

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 アルカシスの淫魔城から星一つない漆黒の空には寄り添うように並ぶ二つの月がこちらにだけ光を向けていた。

 それは、これからの儀式を、今後も長く続く彼という鎖に繋がられる事を祝福するかのように。


 城の一室で白の婚礼衣装に身を包んだ彰は目を瞑り、手塩にかけてケアしてきた髪を結うというアルカシスに自らの髪を任せていた。

 これから、彼と『命の契約』を結ぶ儀式に入る。
 それは彼への完全なる従僕を宣誓する儀式。
 従僕が叶えば彼と伴侶(パートナー)になれる。だがそれは、自らの意思を捨てるという事と同じ意味を持っていた。

「・・・できた」

 彰の髪を結っていたアルカシスは、目を閉じていた彰にそう告げると白いベールを頭から掛けた。

「目を開けなさい」

 彰は、アルカシスに言われるままに目を開けた。
 彼の目の前には大きな全身鏡があった。
 彼に結ってもらった髪とその衣装を纏った自分に彰は感嘆の声を上げた。

 シンプルに結い上げられた長く艶やかな黒髪に、髪の隙間から見える白く滑らかな曲線を描いているうなじを露出する白い古風なドレス。そして、頭に被ったレース編みのベール。
 控えめな化粧を施されているものの、黒い瞳が目立つようアイラインが施されている。
 その姿は、どこかエロティックさを感じさせるものの結婚式の花嫁のように清楚で美しい姿だった。

 彰は、自分の変わりように唖然として全身鏡を見つめていた。

 すごく綺麗で、自分がこの儀式の主役である事が分かる。

「これが、俺?」

 鏡に映る今の自分の姿は、どこか自分じゃない誰かを見ている気分になる。

 自分の変わりように唖然としている彰の背後で、アルカシスも満足そうに言った。

「ああ・・・この姿を見ると、あの頃を思い出すね。淫魔界(こちら)に来たばかりの君は私に怯えていたし、髪も短く傷んでいた。でも今の君の姿はあの頃より艶やかで、凛としている」

 背後からアルカシスの声が聞こえた彰は、彼に振り返るとさらに感嘆の声を上げる。

 銀髪の長い髪に緋色の瞳。
 その纏う姿は上下のスーツ、シャツ、ネクタイ、ベスト全てが白の正装姿だ。

 この姿は、彰は見覚えがあった。

 彼の性奴隷(ペット)として従僕を宣誓した、あの『主従契約書』の時と同じ物だ。
 あの時は彼に恐怖を持っていたから、直視する事ができず、突然連れて来られた異世界で自らの境遇になす術もなく怯えていただけだった。

 でも、この人の支配を受け入れた今なら言える。
 この人は本当に・・・。

「綺麗、なんですね。アルカシス様は、白が似合います」

 彰はアルカシスの姿に見惚れて、穏やかな口調で言った。
 アルカシスはこの言葉に嬉しそうな表情を浮かべる。

「ありがとう。この『命の契約』では、主人も従僕者も白の衣装を纏い、従僕者が契約を宣誓する。それは従僕者が、完全なる【支配】を受け入れた事への証明になるんだ」
「完全なる【支配】を、受け入れる」

 その言葉に、彰は拳を握り締めた。

 彼の【支配】に下る事を受け入れたのは自分。
 彼という鎖で繋がれ、今後は永遠の時間を共に過ごす事になる。
 
 だけど、それでもいい。
 綺麗な彼の隣に、ずっといる事ができるのだから。
 
 残業続きだった年末。
 背後から漂う甘い香りが鼻につき、振り返った瞬間から自分の運命がこんなに変化するとは思ってもみなかった。

 始めて会った彼は、自分の性奴隷(ペット)にするといい無理矢理淫魔界へ拉致し無理矢理犯された。
 『主従契約書』に自分の名前を書いた時、この理不尽といえる運命を受け入れるしかなかった。
 彼に見せられた鏡から人間界の様子を見せられた時周りの人々に絶望した。
 家族に勘当され、頼れる友人知人もいない中、貯めた貯金で資格を取りたくて会社と自宅を往復するだけの質素な生活を続けてきただけなのに、なぜ理不尽に組み敷かれなければならないかと内心憤慨した事もあった。

 でも、今はどうなのか。

 決定的な出来事があったわけじゃない。
 彼の性奴隷(ペット)として日々を過ごすうちに、気づいたら彼に意識が向いていたのだ。

 それからは、彼が気になって仕方なかった。

 彼の真意が分からず、落ち込んだ事もあった。
 ロキにコキュートスへ拉致された時、彼と離れ離れになる事に焦りを覚えた。
 彼を自分が手にかけた事に後悔を覚え、殻に篭ってしまう自分の性格を叱咤し、悔しくて涙を流した。

 そして闘神として復活した彼の【支配】を受け入れた。

 これはもしかして、彼の思惑通りに事が進んだのかもしれない。
 それでもいい。
 自分は、彼の隣にいたかったのだから。

 アルカシスは全身鏡を見ている彰の背後から腕を回す。その腕に、彰はそっと自身の腕を添え彼
に身を預けるよう傾ける。

「俺は、これからもずっと貴方と一緒なのですね」
「そう。私の支配下にいる限り、これから君は自死を選んだとしても死ぬ事はできない。ーー私が、君を殺さない限り」

 彰の背後から抱きしめていたアルカシスは、彰の薄いピンクのルージュが付いた唇に自らの唇を覆う様に押し当てた。

「んっ・・・!?(口紅が・・・)」

 不意を突いた口付けに彰は驚いたが、すぐに彼のそれを受け入れるように自らの舌を彼の口腔内へ伸ばした。
 彼の伸びた舌を、アルカシスは自らの唾液を含んだ舌と絡み合わせる。そのまま舌を動かして、彰の唾液を掬っていく。

 チュパ、チュパッ、チュパッ、チュッ、チュルッ

「んっ、うぅぅ・・・」

 互いの舌が求めるよう絡み合う間、彰は軽い息苦しさを覚えた。

 頭の中がくらくらする。
 足から力が抜けて、立つのがつらい。
 でも、絡み合う舌の感覚が気持ち悦い。

 ゆっくりと、アルカシスは彰から自らの唇を離した。
 二人の間には透明な糸が一本伸び、やがて消えた。
 彰の唇に塗られていたピンクのルージュが彼の唇にも付着していた。彼は手の甲で簡単に唇を拭うと、惚ける彰の頭を自分の視線と合わせるように固定する。

「この儀式が終われば、もう後戻りはできない。君は私の支配下から永遠に逃れる事はできない。もし君が私に反旗を翻せば、私は怒り君の手足を折り恐怖を与えて従僕させるだろう。それが、闘神である私の支配だ」

 彼の鋭い眼光に彰は固まった。
 彼の瞳である緋色の色は濁っておらず、その言葉はもし逆らえば確実に行う事を示唆していた。

 だが・・・そんな日が来れば。

 彰は、ゆっくりと口を開いた。

「貴方には、逆らいたくありません。だからこれからも彰は、貴方とずっと一緒です」
 
 


*   *   *

 儀式を行う聖堂の前にはアルカシスの部下達であるグレゴリー、アレクセイ、ニカライ、イヴァンが待機していた。
 アルカシスに伴われた彰はアレクセイを見つけると喜んで彼に駆け寄る。

 良かった。あの大量の水が襲った後ロキと二人だけになってしまって心配だったから。

「アレクセイさん!良かった」

 淫魔城で大量の水が襲ってきた時彼と離れ離れになってしまった。アレクセイも彰の姿を見て彼に微笑む。

「ショウも。よく戻って来てくれました。そして、主上を受け入れてくれて、ありがとうございます」

 彼等の目の前には、巨大な扉が待ち構えていた。アルカシスと『主従契約書』を結んだ時にも通った扉だ。
 この扉の先で、もう一度彼と結ばれるのだと認識すると彰は自分が緊張しているのが分かった。
 表情が固くなった彰を見て、グレゴリーが緊張を解すよう柔らかい笑みを浮かべて言った。

「どうぞこのままお進みください。中ではルシフェル殿がお待ちです。淫魔の我々はここまでですが、儀式が終わるまで待機しております。ショウ、心配いりません。『主従契約書』と同じように、全てを主上に委ねればいいのですから」

 グレゴリーの言葉を合図に、両開きの扉は重厚な音を立てながら左右へ開いた。

 この聖堂の中心である祭壇には、正装姿のルシフェルが二人の姿を見つけると軽く手を上げた。

「よく似合っているじゃねぇかショウ。そのままアルカシスと二人でこちらに来い。緊張して転けるなよ?」

 軽く冗談を言われて誰がそんな恥ずかしい事をするかと彰は内心彼に突っ込んだものの、緊張のせいか足が覚束なくなりアルカシスの腕に掴まりながら中心の祭壇まで歩いた。
 彰の祭壇までの足取りの覚束なさを見ていたルシフェルは彼の情け無い姿に呆れながら尋ねた。

「お前本当に転けるつもりだったのか?」
「そんなわけないでしょ!」

 間髪入れずルシフェルに食ってかかる彰は恥ずかしさのあまり泣きそうになった。

 これからアルカシスと長く一緒にいるというのに、大事な儀式でドジ踏むんて絶対嫌だ。
 折角の儀式が二度と思い出したくない黒歴史になってしまう。
 
 完全に冗談だったがまさか本当に転けるかもしれない足取りで歩いて来た人間に、ルシフェルはプッと軽く笑うと彼を茶化すように言った。

「アルカシス。次俺が来るまで、こいつの弱過ぎる足腰を鍛え上げておけ」
「そうですね。ではこの儀式が終われば、早速訓練開始としましょう」

 アルカシスはルシフェルに優雅に笑ってそう言ったが、ガッツリと彰の腰を掴んだままドレス越しに彰の中心に指を伸ばそうとしている。
 彰は彼のその笑みと指の動きに彼の下心に気づいてしまった。

 ああ・・・。
 俺、この後本当に足腰立てなくなるんだ。

 こっそりと内心涙を流す彰を無視して、ルシフェルは彰やアルカシスにそれぞれ一枚の紙と羽根のついたペンを差し出した。

「これがこれからお前達を繋ぐ『契約書』になる。ショウ、サインした後この宣誓書を読み上げるんだ。それで契約は成立する」
「分かりました」

 二人はそれぞれの紙にサインする。
 サインを終えた彰は、向かい合うルシフェルに対し契約書を読み上げて宣誓した。

【契約】

 今この時を以って、ショウ・アキヤマは、闘神アルカシス様の伴侶になる事を宣誓致します。今この時から、アルカシス様の伴侶として一生涯従僕致します事を了承致します。

ー闘神アルカシス

ー伴侶・・・

「秋山、彰」

 宣誓を読み上げた彰の表情は、どこか晴れやかだ。その表情を見て、ルシフェルはやれやれと内心呆れつつも目の前の人間の宣誓に満足気に頷いた。

「闘神アルカシス、その伴侶秋山 彰。お前達の夫婦成立を、このルシフェルが許可する」


 

*   *   *

「アルカシス様っ、ま、待って・・・っ!」

 彰の制止の言葉を無視したアルカシスは、儀式が終了し部屋に戻ると彼の衣装を剥ぎ取ってベッドへ押し倒した。
 衣装を取られベッドに押し倒した彰の妖艶となった白い身体を無言で見つめている。

「アルカシス様・・・?」

 見つめているだけで何も言わない彼に、彰は若干恐怖を感じるが、アルカシスはただ見つめるだけだった。

 彼の元々痩せていて平坦な身体は、明らかに以前よりも変化が見られていた。
 乳首は鮮やかなピンク色に変わりピクッと勃っていて、その周囲の胸筋はマシュマロのように柔らかく膨らんでいた。
 その先の下腹部は裸になった事で寒気を感じたのか鳥肌が立っているものの、以前に比べると腰部周囲は柔らかく肉付きが良くなっている印象がある。
 その中心の臍も奥の窪みが淡く色付いている。その窪みに舌を這わせるとどんな動きをしてくれるのか。

 さらに、その先。
 今は彰が羞恥心が勝って足を曲げて隠しているが、足の間から見える角度からその部分がムクムクと膨らみかけているのが分かる。

 アルカシスは彰の柔らかく膨らんだ胸をやんわりと手で包み込むと、痛みを与えないようゆっくりと揉みしだく。

「あっ・・・」

 胸に送られる優しい刺激に、彰は思わず声を出した。そのまま、彼の刺激に身を委ねようと、目を閉じて彼に突き出すように身体を仰け反らせる。そのままアルカシスは彰の胸を揉み込む。

「はっ・・・はぁ・・・」

 彼はまだ何も言わないが、刺激はとても心地良かった。

 胸が優しく揉まれて、身体の張り詰めた部分が解されている感じがする。
 胸は、痛くない。
 解されて、身体が温かくなっている。

 胸が揉まれて悦に浸っていた彰は、ピクッと勃っているピンク色の乳首にヌルッとした刺激を感じて目を開けた。

「アルカシス様っ・・・!?えっ・・・」

 チュチュ、チュチュ、チュチュ

 見ると、アルカシスが彰の乳首を口に含ませて啜っている。
 彼の口腔内が温かいのと、口を窄めて啜る刺激が脊髄にビリビリと微弱な電流を流されているようで、彰は身体をビクッと揺らした。

「ダメっ・・・!それっ、気持ちっ・・・」

 乳首が温かくて気持ち悦い。
 
 以前は彼に怯える中、戸惑いながらも快楽に翻弄されていた。
 でも今は、身体が素直に快楽を受け入れている感じがする。
 身体が分かっている。もう抵抗しなくていいんだって。
 
「はぁ・・・ちく、び、気持ち、いい・・・」

 チュチュ、チュチュ、チュチュ

 乳首を啜るアルカシスは強弱変えず同程度の刺激を与え続けている。
 長い時間同じ刺激を与え続けられて、彰は腰がゾクゾクと震えているのが分かった。

 これは分かる。
 自分の身体が、絶頂に向かおうとしているのだ。

「はっ・・・あっ、ああ・・・」

 アルカシスから送られて来る刺激が、身体の許容範囲を超えようとしている。

 彰は身体に溜まっていく快楽を散らそうと身を捩る。しかしその動きはアルカシスに簡単に封じられてしまう。
 彰の両手首を頭上で固定すると、アルカシスが口を開いた。

「ショウ、以前より乳首が感じやすくなったね」
「え?」

 乳首から口を離したアルカシスは、快楽に浸って恍惚の表情を浮かべる彰に優しく微笑んだ。

「以前よりも乳首の色が濃い。まるで熟れた果実のようで、甘い味がする。それに」

 彰の下腹部に視線を向けたアルカシスは、乳首と胸の刺激に気を取られいつの間にか弛緩していた足が開き淡い色の臍とピクピクと勃っている彰のペニスに目を向けた。

「臍の色も以前より濃い。私を誘っているようで舐めたくてたまらない」

 ペロ、ペロッ、ペロ、ペロッ

 下腹部の中心にある小さな窪みに、アルカシスは顔を埋めて舌をを這わせる。臍から伝わる彼の舌の刺激に、彰は身体をわななかせて喘いだ。

「ああっ、ああっ、なんで臍がこんなっ・・・!ああ、舐め、てぇ・・・!」

 乳首や胸の刺激と合わせて、臍への刺激で彰のペニスの先端から透明な液体が流れ始めていた。アルカシスはちらっとそれを一瞬見るが臍に視線を戻し溝を美味しそうにペロペロと舐めていく。

「ふっ、ふぅ・・・もう、出っ」

 ビュッ!

 彰が絶頂を伝えようとすると、勃起したペニスから白濁液が放出された。

「ふぅ、ふぅ・・・」

 射精と同時にアルカシスの臍への刺激も止まり、自分の顔に付いた彰の精液を舐め取った。

「甘い」

 彼は彰にそう告げると、正装のスーツを脱ぎ捨てその美しい肉体美を彼の前に披露した。
 彰は彼の身体に釘付けになったように瞬きすらも忘れる程見つめていた。

 相変わらず美しい曲線美だ。
 コキュートスで自分が刺した肩と脇腹は跡が分からないよう完全に傷が消えている。
 その胸筋は七日七晩眠り続けていたとは思えない程逞しく色気に満ちている。それが自分に向けられるとまるで誘惑されているようでドキドキして抱きつきたい衝動に駆られてしまう。
 彼のその中心は、周囲の細い血管が浮き上がり、雄々しく勃起している。

 彼の姿を見て、これから自分が抱かれる事を想像した時、無償に彼が欲しくなった。

「じゃあ、君のココを、頂くよ」

 彼の怒張した男根が、自分に向けて猛っている。
 彼の熱いモノを感じた彰は自らの膝頭を掴むとゆっくりと左右に足を広げた。

「お願い、します・・・貴方が、欲しい」

 その言葉に誘われて、アルカシスは彰の奥の窄みに自らの怒張したモノを挿入した。



*   *   *

 彼の怒張した男根が自分の中を穿つ感覚に彰は全身をわななかせて嬌声を上げた。
 臍を舐められたあの快楽よりも一際大きな波が来た事に、彰は自分に覆い被さるアルカシスの肩に両腕を回した。

「ああっ、はっ速いぃ、腰っ、砕けっ」

 ズチュズチュズチュズチュズチュっ!

 彼の腰を前後に突き上げる動きに、彰は彼の肩に回した腕に力が入らなくなりそうなのをグッと堪えた。

 気持ち悦い。
 奥が気持ち悦い。
 何も考えきれないくらい。

「はっ、速っ、それ以上っ、ああ・・・!!」

 身体が強い刺激に引っ張られるように絶頂を迎えた。だか彼の刺激は止まず、さらに前後突き上げる動きが加速している。

「はあっ、あっあっあっあっ!!」

 ズチュズチュズチュズチュ!!

 強い刺激に身体が揺さぶられている。
 彰に覆い被さるように彼を突き上げるアルカシスは、顔に汗を流しながら揺さぶられて閉口できない彰の顎を固定し自らの唇と重ねた。
 彰の口腔内に舌を進ませ、彼の舌と絡み合う。下の突き上げが速くなるにつれ、舌も絡む度合いが濃厚になっていく。

「んむっ!んうぅ、んっ」

 チュパッ!チュパッ!チュパッ!チュパッ!

 舌の絡まり合う感覚も合わさって全身に疲労が溜まっていく。

 でもまだ。
 まだ、彼が足りない。
 彼が、もっと欲しい。

 彰はアルカシスの逞しい胸板に自らの乳首を擦り合わせる。突き上げが速くなり、乳首が強く擦れる度彰はアルカシスに強く抱きつく。アルカシスも彰が刺激を求めている事に気づき彼の背中を自らの逞しい腕に囲うように抱きしめる。

 ああ・・・全身が気持ち悦い。
 下も口も、乳首も全てが気持ち悦い。
 
 まだ欲しい。
 彼が。まだ、欲しい。

 腰を前後に突き上げるアルカシスが瞬時に動きを止めた。
 次の瞬間、彰は自らの胎内に熱い迸りが放出されたのを感じ彼に強く抱きついた。

「はぁ、はぁ、・・・アルカシス様?」

 とても激しい攻めだった。
 容赦ない激しい突き上げに、今は全身が重怠い。
 アルカシスは汗をかいて彼の艶やかな銀髪の毛先がべったりとくっ付いているのものの、汗を滴らせて自分を見つめる姿が何とも扇情的だ。

「気絶したらそのまま休んでいなさい。まだ、君が足りない」
「ーーッ!」

 チュパッ、チュウ、チュパ、チュウ、チュ

 アルカシスはそう言うと、強引に彰の唇に自らのを覆うように重ね、舌を絡ませ彰の唾液を啜っていく。二度の絶頂を迎えて口腔内が乾いているのに、彼の舌が口腔内を蹂躙するとまた唾液が溢れて来るようで口腔内が潤っていく。

 ぼんやりする。
 強引な深いキスは、彰の脳内を簡単に酸欠状態にさせて、眠りに誘われているようだ。ただ、気を失う前に激しく求める彼に一言言いたい。

 彼の屠るような激しいキスに彰は徐々に瞼が重くなっていき、彼の腕に抱かれたまま眠るように気を失っていった。
 





 
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