ヰタ・セクスアリス

Kotetsu Saita

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第三章

【2.ナオの家で①】

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「どうしたの?今日は勉強する気分じゃないかな」
「あ・・・」
「いいさ
 ほら、勉強だけしなきゃいけないってこともないしね
 でも・・・どうかした?
 この前のこと、気にしてる、とか?」
「あ・・・」
「前にも言ったけど、
 そのくらいの年なら触ったりすることって普通なんだよ
 ね、出すの、嫌がってたから、さ」
「うん・・・嫌、かも」
「どうして?
 大人になりたくない、とかそういうの?」
「ううん・・・・
 その・・・・なんか、やっぱ、汚い、し」
「汚い?・・・ええと、精子がってこと?」
「うん・・・・あんなの
 あんなのが出るって・・・・やだ
 気持ち悪い」

「そっか」

ナオは俺が聞いたことに素直に答えてくれた。
そして、気持ち悪い、汚いと、
自分の腕を抱いて、嫌悪感丸出しで言う。
“あんなの”ってね。
ナオは知っているのか。どこかで見たってことになるのか。
そうだとして、
汚い、気持ち悪いという感想は、そういう体験だったってことになる。
心の中で、やっぱり、という気持ち、
誰が、ナオに何したんだ、ていう疑問、苛立ち・・・
俺のナオを汚されたのか、ていう怒りも湧いてくる。

“汚された”
か。

・・・・だから、汚い、気持ち悪い、になるのか?



だけれども、今は、ナオの心の傷を癒やすことができればいいが、
・・・イメージの緩和には努めないといけない。
それで、ほっとしてくれたら・・・

ナオだって、言いたくはないだろう。何をされたかだなんて。
どこまでされたのか気が気じゃないが、
たぶん、ナオの様子からして犯されては、ない。
単純に部活のノリで出し合ったか、
あれだけ嫌悪するくらいだから、握らされたとか・・・
ちょっと性のはけ口扱いをされたんじゃないのか・・・

俺はフツフツわき上がる怒りをとりあえず抑え込んで、
ナオに向き直る。
ナオが怖がらないように、気をつけて。

「ナオ
 性行為っていうのはね、性的な行為っていうのはね、
 やっぱりさ、誰とでも楽しめるものじゃ、ないんだよ、本来」

怪訝な顔してるナオにちゃんと向き合って、視線を合わせて続ける。

「ほら、キスとかさ
 わかりやすいんじゃないかな
 キスっていいものっぽいし、憧れたりするじゃない?
 でも、
 誰か、クラスメイトとかのまわりの人とって想像してごらん?
 普通、気持ち悪くてできなくない?」

「あっやだ。したくない」

「でしょ?
 本来そういう触れ合うこととかっていうのは、
 好意がある相手とだけ
 いいものになるんだよ」

「・・・・」

「精子を出すこともそう。
 全く好きでもないヤツのものなんて願い下げだけど、
 好きだったらね、
 受け入れられるものなんだ。
 嫌なものじゃ、全然、ないんだ」

「・・・・・ほんとなの?」

「ああ
 俺はナオのこと、好きだし
 うーん、
 この前さ、俺がナオに触ったりしたけど、
 ・・・・ナオは気持ち悪かった?」

ナオはハッとしてカオをあげ、あわてたように首を左右に振る。

「そう、よかった。嫌がってること、したくないからね
 そういう、性的要素のある触れあいっていうのは
 ・・・・お互いが気心知れてるとか
 好き合ってるとかならね
 いいものなんだよ
 だからいつかナオがそう思える日が来たら、すればいいし
 自分で触ることも
 それは自然の欲求だから怖がることないんだよ
 汚くなんかない!
 ナオのが汚いなんてこと絶対ないから!ね?」

ナオに噛んで含めるように言うと、
ナオの目からつーと涙がこぼれた。

俺はそっと、
ナオと距離を詰めて、ナオを抱き寄せた。
ナオは体を強ばらせることなく素直に俺の胸に顔を埋める。
俺はナオの薄い背中をゆっくり撫でた。

「よしよし」

優しい振りをしておきながら
俺はナオがいい匂いだな、と思ってる。
警戒するそぶりも見せず信頼しきってくれてるナオに、
小さな子供みたいになってるナオに
俺は慈愛だけでない気持ちが自分の中にあることをハッキリ自覚している。

ナオがいつか誰かに
たとえ無理矢理じゃなくても、ナオが望んだとしても
その身を委ねることを俺は許せるだろうか。

こんな風に弱々しく俺に身を寄せていても、
ナオ
おまえはどうしたって人を狂わせる。


ほら、
ナオの背中を撫でていたはずの俺の手は、
いつの間にかナオの襟足を撫でている。
俺の中にすっぽり包まれてしまっているナオの首筋を、
もう、すぐにでも撫でるだろう。

ナオを安心させたい。

それはどうして?

ただ、ナオに吐精させたいだけなんじゃないのか?
俺の手で。



ただ、ナオを・・・・・・俺のものにしたいだけじゃないのか


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