The war of searching

黒縁めがね

文字の大きさ
16 / 53
ベルム闘争戦

第14話本部突撃、③/死にたく無い/物探しの過程

しおりを挟む
アメリナは大きく全身しマイクに右袈裟斬り見舞う。マイクは身を右に逸らし、躱しアメリナにバスタードソードを振り下ろすが、隙を消すようにマイクに向けて切り上げたアメリナのクレイモアと刃が合わさり、鍔迫り合いに近い状態となる。
「やはりお前が不幸か!」
マイクはアメリナに向かい叫ぶ。
「貴様こそ、何の話をしている!」
マイクの叫びに対抗するようにその叫ぶ言葉の真意を問い、アメリナはクレイモアを振り上げ
る。マイクはバスターソードこそ話さなかったが、右半身を後ろへ逸らされ大きな隙が生まれた。アメリナはすかさず首へクレイモアを斜めに下ろす。が、マイクは体をさらに逸らし転がるように下がる。
「…強い。が、貴様ではないか。」
アメリナからは悪寒がしない。
そう戦いの中で感じ取った上で、それでも負けるかもしれない不安を拭うための強がりの言葉。もちろんそんな意味はアメリナには知る由もないのだが。
「その言葉はどう言う意味だと言っている!」
そう言いアメリナはマイクには突進し、横一文字にクレイモアを薙ぐ。マイクは伏せると喉元に刃を突き立てようと、バスターソードのリカッソを持ち突き上げた。
アメリナは右足を軸に回転し、突きを躱しながらその勢いのままマイクに回し蹴りを打ち込んだ。
「がふっ」
マイクは声を上げながら右へ吹き飛ばされ、ゴロゴロと転がる。バスタードソードを杖に、剣先を地面に突き立てながら何とか立ち上がるマイクにアメリナはクレイモアを構える。
「はぁ、今のはなかなか効いた…」
そう言い剣を地に突きながら本部正面へ歩き出した。
アメリナはすかさず迫ろうした時、横から飛び出した槍はアメリナの頸動脈を狙い正確に放たれた。アメリナはすぐさま身を後ろに引きながら穂先を狙いクレイモアを振り上げる。切り落とされた穂先は乾いた音を立てて地に落ちた。
「クソっ、増援か!」
アメリナはもう一歩大きく下がると槍の持ち主である新手の王国兵にそう吐き捨てた。
アメリナは剣を頭上に水平に構え、負けん気の雄叫びをあげた。
「うぉぉぉぉ!」
どうやら効いたらしく、敵兵の何人かはのけぞった。が、効いたと言ってもその程度で終わる。そしてアメリナの元へ続々と槍や戦斧を持った敵兵はやって来た。
「そんなに纏めて片付けて欲しいか、有象無象どもが!」
そんな小悪党じみた言葉を言いながらクレイモアを構えた。

~~~

「エラァッ!」
ハイミルナンは叫びながらトマホークを持つ王国兵の鎧の無い右股関節を斬りあげた。
「あぁぁぁぁぁ!」
王国兵は悲鳴を上げながらパルチザンの柄を掴み、抵抗するがハイミルナンは無慈悲に腰骨までめり込んだそれを右に回しながら引き抜いた。王国兵は右股関節を押さえながらびくびくと体を生まれたての子鹿のように震えながら倒れる。
「あう……あっ…」
涙を流しながら嗚咽を漏らし、震えた双眸でハイミルナンに命乞いをするように見つめる。
無様であるが、ハイミルナンの目には
かつて___

___殺された父の目に似ていた。
「そいつから離れろぉぉお!」
刹那、左後ろからハイミルナンのこめかみに剣が振り下ろされようとしていた。別の王国兵のものだった。ハイミルナンは振り返るとパルチザンを両手持ちで頭上で横にし剣を柄で受けた。不意打ちの一撃を流せる筈もなく、振り下ろされた一撃の勢いのままその王国兵と共に背後へ倒れる。ハイミルナンが仰向けに、それに覆い被さるように王国兵が倒れる。
「くそぉぉぉぉぉ!」
ハイミルナンは叫びながら王国兵が顔に押し付けようとする剣をパルチザンの柄で反対に押し上げようとする。
「死ねぇぇぇぇ!」
股関節の王国兵がそう叫びながら腰に刺していたダガーを取り出しハイミルナンの目へを突き立てようと振りかぶる。
あの躊躇いがなかったら、あの優しさがなかった、きっとこんな事にはならなかっただろう。
ハイミルナンは震える声で小さく呟く。





「死にたく無い。」







死にたく無い死にたく無い死にたく無い死にたく無い死にたく無い死にたく無い死にたく無い死にたく無い死にたく無い死にたく無い死にたく___


___肉を切り裂く鈍い音が、響く。



~~~

デイビッドは1人、ロングソードを持ち複数の王国兵に囲まれている。当たり前だ、団長の指示で少数で突撃したので囲まれるのは当然だった。
「ふっ!」
デイビッドはロングソードを王国兵の鎧の無い
右肘へ振り下ろす。
王国兵の腕が中を舞う。切り落とされた王国兵は悲鳴を上げながら尻餅をついた。
「あぁぉぁぁぉぁ、腕がァァァァァァァ!
まっ、待っ___」
尻餅をついた王国兵の顎を慈悲の欠片もなくすかさず蹴り上げる。叫んでいたので口が勢いよく口を閉じ舌を噛み切ったらしく、口から肉の塊と血を吹き出しながら斃れた。
腕を切断しているので出血多量で死ぬだろう。
デイビッドの背後には帝国兵はおらず、4体の死体が転がっていて、どれも体の一部が欠損している。
複数の王国兵はその様を見て、冷や汗を垂らしながら後ろに下がるがそのうちの1人の薄緑の髪をした、投げ槍___ジャベリンを持った兵士が飛び出し、デイビッドの頭へ目がけそれを投げつけた。
「よくもレディルを!」
先程蹴り上げた兵士の名前であろうか。
デイビッドは躱そうと体を左に捩るが、ジャベリンの穂先がデイビッドの右顔の頬を横に切り裂く、その王国兵の手には縄が。
王国兵はすかさずそれを引く、どうやらその縄はジャベリに繋がっているようで引かれたジャベリはデイビッドの左耳の耳たぶよりも少し上を掠めた。
王国兵は自身の元へ戻ってくるそれを手に取るとデイビッドに叫んだ。
「…なんで人を物探しの過程みたいに殺せる!」
デイビッドはその問いを無視して構えた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【新作】1分で読める! SFショートショート

Grisly
ファンタジー
❤️⭐️感想お願いします。 1分で読める!読切超短編小説 新作短編小説は全てこちらに投稿。 ⭐️忘れずに!コメントお待ちしております。

性別交換ノート

廣瀬純七
ファンタジー
性別を交換できるノートを手に入れた高校生の山本渚の物語

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

「魔物の討伐で拾われた少年――アイト・グレイモント」

(イェイソン・マヌエル・ジーン)
ファンタジー
魔物の討伐中に見つかった黄金の瞳の少年、アイト・グレイモント。 王宮で育てられながらも、本当の冒険を求める彼は7歳で旅に出る。 風の魔法を操り、師匠と幼なじみの少女リリアと共に世界を巡る中、古代の遺跡で隠された力に触れ——。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

春の雨はあたたかいー家出JKがオッサンの嫁になって女子大生になるまでのお話

登夢
恋愛
春の雨の夜に出会った訳あり家出JKと真面目な独身サラリーマンの1年間の同居生活を綴ったラブストーリーです。私は家出JKで春の雨の日の夜に駅前にいたところオッサンに拾われて家に連れ帰ってもらった。家出の訳を聞いたオッサンは、自分と同じに境遇に同情して私を同居させてくれた。同居の代わりに私は家事を引き受けることにしたが、真面目なオッサンは私を抱こうとしなかった。18歳になったときオッサンにプロポーズされる。

同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。

ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。 真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。 引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。 偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。 ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。 優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。 大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

処理中です...