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コーラス遺跡都市防略
第31話コーラル防略、11/執行騎士全員集合
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窓が一つだけ壁に取り付けられた白い部屋。その中には派手な柄の毛布を被せられた天井付きのキングサイズのベッド、その左には杖が立てかけられた小さな引き出し付きの机が。それの周りには5体ほどの木製の人形が置かれている。
「壁から降りて行く時もあの紅き剣を使ったと思いこんだのが失敗でしたなぁ……」
ガリガリと痩せ細った男は、そのキングサイズのベッドの上で目を覚ますとそう呟いた。
男はベッドから上体を起こし机に立てかけられた杖を右手に取ると、それを支えに立ち上がる。そして、目の前のドアを開けた。
白い天井には大きなシャンデリアが吊るされ
その下には銀色の菊の花の紋様が中央に塗られた楕円形の円卓が。その周りには8つの大型の椅子が置かれていた。
その椅子のうちの一つ、青のラインの入った白いローブを着込みフードを目ぶかにかぶる俯いた男の前の椅子に座る白いローブ形の聖衣を着るポニーテールの黒い髪に赤い目をした少女と見間違うような中世的な外見…よく言えばそれほどに美しい美貌を持った少年が男に話しかけた。
「あ、ドーベル。失敗しちゃったかぁ、残念…」
「すみません、皇権。指令体を潰されてしまいました…。」
痩せ細った男___ドーベルはそう"皇権"と呼ばれた少年に返した。
「鬼狼殿も一緒でございましたか。」
「うん、私達は一心同体だからね!」
皇権はそう言った。"鬼狼"と言うのは、皇権の背後に立つ男の事だろう。皇権の言葉を鬼狼は鼻で笑った。
そして皇権は、一呼吸おくと本題へ切り出す。
「何か収穫はあった?」
ドーベルは円卓の周りの椅子の一つに座るとその問いに答える。
「ええ、ミレス帝国にはいわゆる竜人の末裔がいました。ギフトに匹敵する能力を持っているようです。」
皇権は目を丸くして興奮気味にドーベルにさらに問いかけた。
「へぇ本当にいたんだ!どんな能力!?」
ドーベルは皇権のその様子を見ると、苦笑いしながら答える。
「手から鎧をも溶かす豪炎放つ能力と、大きな爆炎を放つ能力を剣に付与する能力の二つ。あと特筆すべき能力といえば、異常な頑丈さくらいですかね。」
それを聞くと皇権はその興奮をさらに増幅させながら天を仰ぐように高らかに言う。
「あぁ、ワクワクする!
拝みたい解剖したい研究したい保存したい増やしたい記憶した___イテッ!」
皇権の頭に「ポン」とチョップが置かれた。
置いたのは何と鬼狼、鬼狼はそのまま口を開く。
「アイン、落ち着け。悪い癖だぞ。」
皇権をアインと呼びその興奮を収めようと語りかける。アインはチョップを置かれた頭を抑えながら振り返り、鬼狼に言った。
「ごめんごめん、ボクが悪かった!
でも仕事中は名前で呼ばない約束だったじゃん、何で破るの!」
鬼狼は「あ」と呟くと皇権___アインに謝罪しながら、言う。
「悪い悪い。あとアンが帰って来た。」
アインはそれを聞くと、一呼吸置き席に座り直し手を2回叩いた。するとドーベルが出たドアとは別のドアからゾロゾロと執行騎士の鎧を装着する執行騎士、5人が現れた。
「執行騎士序列7位、賢智のスラー。
ただ今馳せ参じたよ。」
両目を包帯で覆う真っ赤な赤毛の小柄な青年______賢智のスラーは名乗った。
「執行騎士序列6位、紫電のエディ。
ただ今馳せ参じましたわ」
紫髪の長身で、コルセスカを背負う女______紫電のエディはそう名乗った。
「執行騎士序列5位、灰刀のジン。
来たぞ。」
黒に近い灰色の髪をした、グレイヴによく似ているが微妙に違いまたグレイブには無いフックを取り付けられた武器、ロッホバー・アックスを背中に背負う男___灰刀のジンはそう名乗った。
「執行騎士序列4位、腐れのサイモン。
ただ今、馳せぇ参じたぁよっと!」
髪のつむじから毛先にかけて緑から黄色へ変化する特殊な髪色をした、バルティッシュを腰に差す糸目の男___腐れのサイモンはそう名乗った。
「執行騎士序列1位、血藍のメイヤ。
馳せ参じた。」
ヴェールを頭に被る藍色の髪に澄んだ青の双眸を持ち鎖の巻きつけられた、刃と柄が内に折り畳まれた大鎌を腰に下げる女___血藍のメイヤはそう名乗った。
「私ですか、執行騎士序列3位移し身のドーベル。すでに馳せ参じておりましたよ。」
すでに席に座っていたドーベルはそう名乗る。それぞれが席に着いた。
「皇権殿ぉ、我パンケーキ焼いておりましたぁ!早く帰らないと焦げてしまいますぅ!」
サイモンはそうアインに早く帰られるよう要求する。
「サイモン、なぜ釜戸の火を消して来なかった。」
ジンはそうサイモンに突っ込む。
その2人の様子を見てスラーは「はぁ」と呆れたようにため息を着いた。そしてメイヤは黙って俯き、時折り鬼狼をチラチラと見るだけで特に何も言わなかった。
その様子見てアインはケタケタと笑う。そんな様子が3分ほど続いた。
ドアが勢いよく開かれる。
「執行騎士序列2位、一矢のアン。
ごめんなさい遅刻しましたぁ!」
開いた本人、アンはそう叫び残り一つとなった空いた椅子に腰をかけた。
「まぁまぁ、ここ無駄に広いからさしょうがないよ。それじゃぁ始めるね。」
一同はいきなり手を顔の前で組み祈るような仕草をすると一瞬にして静寂が訪れる。
その静寂を切り裂いたのはアイン。アインは宣誓の言葉を言い放つ。
「祖は黒と紺。トルミア皇帝、ルーゼラット・トルミア・オリスタの名の下に第23回軍事会議を始めます。」
最初の一言はトルミアの信仰する宗教での時候の挨拶のようなもの。一同はアインがそう宣言すると、祈りを解く。アンはどこらかギフト譲渡装置を取り出し手に持っていた。それをアインへ投げ渡す。
「本物みたいだね、ありがとうアン。」
アインは受け取った譲渡装置を眺めながら謝礼の言葉をアンに渡し返す。アンはそれを聞くと腕を組み、やや上を向きながら、笑顔で「フフン!」と誇らしげに、どやすような仕草をした。
アインは右手に持つ譲渡装置を眺めながら恍惚とした表情浮かべ、言った。
「この戦争を、終わらせようじゃないか。」
「壁から降りて行く時もあの紅き剣を使ったと思いこんだのが失敗でしたなぁ……」
ガリガリと痩せ細った男は、そのキングサイズのベッドの上で目を覚ますとそう呟いた。
男はベッドから上体を起こし机に立てかけられた杖を右手に取ると、それを支えに立ち上がる。そして、目の前のドアを開けた。
白い天井には大きなシャンデリアが吊るされ
その下には銀色の菊の花の紋様が中央に塗られた楕円形の円卓が。その周りには8つの大型の椅子が置かれていた。
その椅子のうちの一つ、青のラインの入った白いローブを着込みフードを目ぶかにかぶる俯いた男の前の椅子に座る白いローブ形の聖衣を着るポニーテールの黒い髪に赤い目をした少女と見間違うような中世的な外見…よく言えばそれほどに美しい美貌を持った少年が男に話しかけた。
「あ、ドーベル。失敗しちゃったかぁ、残念…」
「すみません、皇権。指令体を潰されてしまいました…。」
痩せ細った男___ドーベルはそう"皇権"と呼ばれた少年に返した。
「鬼狼殿も一緒でございましたか。」
「うん、私達は一心同体だからね!」
皇権はそう言った。"鬼狼"と言うのは、皇権の背後に立つ男の事だろう。皇権の言葉を鬼狼は鼻で笑った。
そして皇権は、一呼吸おくと本題へ切り出す。
「何か収穫はあった?」
ドーベルは円卓の周りの椅子の一つに座るとその問いに答える。
「ええ、ミレス帝国にはいわゆる竜人の末裔がいました。ギフトに匹敵する能力を持っているようです。」
皇権は目を丸くして興奮気味にドーベルにさらに問いかけた。
「へぇ本当にいたんだ!どんな能力!?」
ドーベルは皇権のその様子を見ると、苦笑いしながら答える。
「手から鎧をも溶かす豪炎放つ能力と、大きな爆炎を放つ能力を剣に付与する能力の二つ。あと特筆すべき能力といえば、異常な頑丈さくらいですかね。」
それを聞くと皇権はその興奮をさらに増幅させながら天を仰ぐように高らかに言う。
「あぁ、ワクワクする!
拝みたい解剖したい研究したい保存したい増やしたい記憶した___イテッ!」
皇権の頭に「ポン」とチョップが置かれた。
置いたのは何と鬼狼、鬼狼はそのまま口を開く。
「アイン、落ち着け。悪い癖だぞ。」
皇権をアインと呼びその興奮を収めようと語りかける。アインはチョップを置かれた頭を抑えながら振り返り、鬼狼に言った。
「ごめんごめん、ボクが悪かった!
でも仕事中は名前で呼ばない約束だったじゃん、何で破るの!」
鬼狼は「あ」と呟くと皇権___アインに謝罪しながら、言う。
「悪い悪い。あとアンが帰って来た。」
アインはそれを聞くと、一呼吸置き席に座り直し手を2回叩いた。するとドーベルが出たドアとは別のドアからゾロゾロと執行騎士の鎧を装着する執行騎士、5人が現れた。
「執行騎士序列7位、賢智のスラー。
ただ今馳せ参じたよ。」
両目を包帯で覆う真っ赤な赤毛の小柄な青年______賢智のスラーは名乗った。
「執行騎士序列6位、紫電のエディ。
ただ今馳せ参じましたわ」
紫髪の長身で、コルセスカを背負う女______紫電のエディはそう名乗った。
「執行騎士序列5位、灰刀のジン。
来たぞ。」
黒に近い灰色の髪をした、グレイヴによく似ているが微妙に違いまたグレイブには無いフックを取り付けられた武器、ロッホバー・アックスを背中に背負う男___灰刀のジンはそう名乗った。
「執行騎士序列4位、腐れのサイモン。
ただ今、馳せぇ参じたぁよっと!」
髪のつむじから毛先にかけて緑から黄色へ変化する特殊な髪色をした、バルティッシュを腰に差す糸目の男___腐れのサイモンはそう名乗った。
「執行騎士序列1位、血藍のメイヤ。
馳せ参じた。」
ヴェールを頭に被る藍色の髪に澄んだ青の双眸を持ち鎖の巻きつけられた、刃と柄が内に折り畳まれた大鎌を腰に下げる女___血藍のメイヤはそう名乗った。
「私ですか、執行騎士序列3位移し身のドーベル。すでに馳せ参じておりましたよ。」
すでに席に座っていたドーベルはそう名乗る。それぞれが席に着いた。
「皇権殿ぉ、我パンケーキ焼いておりましたぁ!早く帰らないと焦げてしまいますぅ!」
サイモンはそうアインに早く帰られるよう要求する。
「サイモン、なぜ釜戸の火を消して来なかった。」
ジンはそうサイモンに突っ込む。
その2人の様子を見てスラーは「はぁ」と呆れたようにため息を着いた。そしてメイヤは黙って俯き、時折り鬼狼をチラチラと見るだけで特に何も言わなかった。
その様子見てアインはケタケタと笑う。そんな様子が3分ほど続いた。
ドアが勢いよく開かれる。
「執行騎士序列2位、一矢のアン。
ごめんなさい遅刻しましたぁ!」
開いた本人、アンはそう叫び残り一つとなった空いた椅子に腰をかけた。
「まぁまぁ、ここ無駄に広いからさしょうがないよ。それじゃぁ始めるね。」
一同はいきなり手を顔の前で組み祈るような仕草をすると一瞬にして静寂が訪れる。
その静寂を切り裂いたのはアイン。アインは宣誓の言葉を言い放つ。
「祖は黒と紺。トルミア皇帝、ルーゼラット・トルミア・オリスタの名の下に第23回軍事会議を始めます。」
最初の一言はトルミアの信仰する宗教での時候の挨拶のようなもの。一同はアインがそう宣言すると、祈りを解く。アンはどこらかギフト譲渡装置を取り出し手に持っていた。それをアインへ投げ渡す。
「本物みたいだね、ありがとうアン。」
アインは受け取った譲渡装置を眺めながら謝礼の言葉をアンに渡し返す。アンはそれを聞くと腕を組み、やや上を向きながら、笑顔で「フフン!」と誇らしげに、どやすような仕草をした。
アインは右手に持つ譲渡装置を眺めながら恍惚とした表情浮かべ、言った。
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