52 / 53
コーラス遺跡都市防略
第49話コーラル防略、28/百足/中止/帰還者
しおりを挟む
___大地が揺れる。
ヨーストの指示通りデイビッド達は団長を連れて逃げていた。
デイビッドは団長の両足を両脇に抱えて、ハイミルナンは両腕を両脇に抱えてコーラル都市へ走る。突如揺れた大地にデイビッド達はただひたすらに困惑し驚愕し恐怖していた。
「や、やばい、デイビッド走って!」
「もう走ってるよ!」
すると、大地に少しずつ亀裂が入り始めた。その異常事態に二人は声を荒げ、足を早める。コーラル遺跡都市の門まではあと500mと言った所。すると後方から二つ、声が聞こえた。
「で、デイビッドぉ!ハイミルナン!助けてぇぇ!」
「口より足を動かしやんせ!」
戦斧を右手に持ったヨーストとシミターと長槍を握るジャックだった。
走りながら情けない声をあげるヨーストと激励を飛ばすジャックの構図にこんな状況でありながら口が緩みかけるがデイビッドは前に向きなおしさらに足を早める。コーラル遺跡都市まで残り350m
と言った所で、地面に入っていた亀裂は崩壊し震源地の草原の中心から地中の底へ落ちて行く。草原のど真ん中には大きな穴が空いていた。
すると___
「なんじゃあれぇ!?」
___巨大な鉄の百足が、その姿を表した。
~~~
「これ、夢でしょ…?」
メネはその光景に思わずそう呟く。
茜色に焼ける空にその巨体の端を穿ち、哭する鉄の甲殻を持つ百足。メネの周りにいた王国兵たちもまた、その化け物の姿に方や恐怖し、方や恐怖していた。
メネは落ち着きを取り戻すべく深呼吸を1度すると、考え込んだ。
(どうしよう!?どうやって逃げよう!?どうやって生き残ればいいの!?こんな化け物居たなんて聞いてない!?やっぱり夢だよね、コレェ!?)
どうやら深呼吸の意味は無かったようだ。
顔にこそ出していないが、メネはとんでもない程の恐怖と絶望をその鉄の百足に抱いていた。
周りの兵士達は思わず恐れ慄き少しずつ敗走し始めている。鉄の百足はゆっくりとその体を左右に揺らしながらメネはのいる場所とは反対側の雑木林の中へゆっくりと倒れた。百足は体を前へくねらせ地面へその巨体を地面の中へ潜り込ませている。その巨体の通った後には、何も残らなかった。戦友達の亡骸も、灰に塗れた肉塊も、何もかも。姿を消した百足の体形に沿った抉られた方をした大地、そして草原の中央に空いた大穴がメネの目には映る。
「山崩しは、中止かなぁ…」
声を震わせ半泣きになりながらメネはそう呟いた。
~~~
コーラル遺跡都市南門斜塔。
「…何が、起きてるんだ…!」
ラーゴは先程の鉄の百足の出現と消失の連続に思わずそう呟いた。
横にいるレワイドもまた、固唾を飲み状況を理解しようと努力していた。
たが、全くと言っていいほど理解はできない。
唐突に現れた灰の翼、消失した兵団の生き残りとミレス軍大隊の兵士達…
そして再び現れ、消失した灰の翼、そして煙幕。その後に現れた鉄の百足。どれも人智を越えた超常現象。とてもじゃないが、現実とは思えない。
「一先ず、街のやつらを遺跡省宿舎に避難させてくる!」
レワイドはそう言いながら駆け足で防壁を降りていった。ラーゴはレワイドの方へ振り返る事なくその言葉に頷き、ただ唖然として荒れた草原を見つめていた。
「お…さん…ラー…先輩…」
「…!、な、なんだ?」
ラーゴは薄っすらと何処からか聞こえる声に気がついたようで、辺りを見回す。が、何処にも姿はなかった。
「こ…で…こ…!」
ラーゴはそれを聞くと防壁南門下を見下ろすと、負傷したであろうアメリナ団長を地面に寝かせながらこちらに手を振るデイビッドとその横で地面にへたり込みながらジャックと話し合うハイミルナンとヨーストの姿が見える。するとラーゴは斜塔の中を見回した。
「…縄が…ない。」
縄がないことに気がつくと、ラーゴは振り返り防壁内側の斜塔の塀に近づきまだ駆け降りている最中のレワイドに声を掛ける。
「…レワイド、アルチンゲールさん達も呼んできてくれないか!ルーキーズと団長と…あとなんか知らない人が生き残っていた!」
「おうまじか!」
予想外の帰還者達に少し明るくなった二人。
ラーゴは踵を返し斜塔の中の門のハンドルを左に回す。すると門が軋むような音を立ててゆっくりと開き始めた。
ヨーストの指示通りデイビッド達は団長を連れて逃げていた。
デイビッドは団長の両足を両脇に抱えて、ハイミルナンは両腕を両脇に抱えてコーラル都市へ走る。突如揺れた大地にデイビッド達はただひたすらに困惑し驚愕し恐怖していた。
「や、やばい、デイビッド走って!」
「もう走ってるよ!」
すると、大地に少しずつ亀裂が入り始めた。その異常事態に二人は声を荒げ、足を早める。コーラル遺跡都市の門まではあと500mと言った所。すると後方から二つ、声が聞こえた。
「で、デイビッドぉ!ハイミルナン!助けてぇぇ!」
「口より足を動かしやんせ!」
戦斧を右手に持ったヨーストとシミターと長槍を握るジャックだった。
走りながら情けない声をあげるヨーストと激励を飛ばすジャックの構図にこんな状況でありながら口が緩みかけるがデイビッドは前に向きなおしさらに足を早める。コーラル遺跡都市まで残り350m
と言った所で、地面に入っていた亀裂は崩壊し震源地の草原の中心から地中の底へ落ちて行く。草原のど真ん中には大きな穴が空いていた。
すると___
「なんじゃあれぇ!?」
___巨大な鉄の百足が、その姿を表した。
~~~
「これ、夢でしょ…?」
メネはその光景に思わずそう呟く。
茜色に焼ける空にその巨体の端を穿ち、哭する鉄の甲殻を持つ百足。メネの周りにいた王国兵たちもまた、その化け物の姿に方や恐怖し、方や恐怖していた。
メネは落ち着きを取り戻すべく深呼吸を1度すると、考え込んだ。
(どうしよう!?どうやって逃げよう!?どうやって生き残ればいいの!?こんな化け物居たなんて聞いてない!?やっぱり夢だよね、コレェ!?)
どうやら深呼吸の意味は無かったようだ。
顔にこそ出していないが、メネはとんでもない程の恐怖と絶望をその鉄の百足に抱いていた。
周りの兵士達は思わず恐れ慄き少しずつ敗走し始めている。鉄の百足はゆっくりとその体を左右に揺らしながらメネはのいる場所とは反対側の雑木林の中へゆっくりと倒れた。百足は体を前へくねらせ地面へその巨体を地面の中へ潜り込ませている。その巨体の通った後には、何も残らなかった。戦友達の亡骸も、灰に塗れた肉塊も、何もかも。姿を消した百足の体形に沿った抉られた方をした大地、そして草原の中央に空いた大穴がメネの目には映る。
「山崩しは、中止かなぁ…」
声を震わせ半泣きになりながらメネはそう呟いた。
~~~
コーラル遺跡都市南門斜塔。
「…何が、起きてるんだ…!」
ラーゴは先程の鉄の百足の出現と消失の連続に思わずそう呟いた。
横にいるレワイドもまた、固唾を飲み状況を理解しようと努力していた。
たが、全くと言っていいほど理解はできない。
唐突に現れた灰の翼、消失した兵団の生き残りとミレス軍大隊の兵士達…
そして再び現れ、消失した灰の翼、そして煙幕。その後に現れた鉄の百足。どれも人智を越えた超常現象。とてもじゃないが、現実とは思えない。
「一先ず、街のやつらを遺跡省宿舎に避難させてくる!」
レワイドはそう言いながら駆け足で防壁を降りていった。ラーゴはレワイドの方へ振り返る事なくその言葉に頷き、ただ唖然として荒れた草原を見つめていた。
「お…さん…ラー…先輩…」
「…!、な、なんだ?」
ラーゴは薄っすらと何処からか聞こえる声に気がついたようで、辺りを見回す。が、何処にも姿はなかった。
「こ…で…こ…!」
ラーゴはそれを聞くと防壁南門下を見下ろすと、負傷したであろうアメリナ団長を地面に寝かせながらこちらに手を振るデイビッドとその横で地面にへたり込みながらジャックと話し合うハイミルナンとヨーストの姿が見える。するとラーゴは斜塔の中を見回した。
「…縄が…ない。」
縄がないことに気がつくと、ラーゴは振り返り防壁内側の斜塔の塀に近づきまだ駆け降りている最中のレワイドに声を掛ける。
「…レワイド、アルチンゲールさん達も呼んできてくれないか!ルーキーズと団長と…あとなんか知らない人が生き残っていた!」
「おうまじか!」
予想外の帰還者達に少し明るくなった二人。
ラーゴは踵を返し斜塔の中の門のハンドルを左に回す。すると門が軋むような音を立ててゆっくりと開き始めた。
0
あなたにおすすめの小説
【新作】1分で読める! SFショートショート
Grisly
ファンタジー
❤️⭐️感想お願いします。
1分で読める!読切超短編小説
新作短編小説は全てこちらに投稿。
⭐️忘れずに!コメントお待ちしております。
「魔物の討伐で拾われた少年――アイト・グレイモント」
(イェイソン・マヌエル・ジーン)
ファンタジー
魔物の討伐中に見つかった黄金の瞳の少年、アイト・グレイモント。
王宮で育てられながらも、本当の冒険を求める彼は7歳で旅に出る。
風の魔法を操り、師匠と幼なじみの少女リリアと共に世界を巡る中、古代の遺跡で隠された力に触れ——。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
春の雨はあたたかいー家出JKがオッサンの嫁になって女子大生になるまでのお話
登夢
恋愛
春の雨の夜に出会った訳あり家出JKと真面目な独身サラリーマンの1年間の同居生活を綴ったラブストーリーです。私は家出JKで春の雨の日の夜に駅前にいたところオッサンに拾われて家に連れ帰ってもらった。家出の訳を聞いたオッサンは、自分と同じに境遇に同情して私を同居させてくれた。同居の代わりに私は家事を引き受けることにしたが、真面目なオッサンは私を抱こうとしなかった。18歳になったときオッサンにプロポーズされる。
同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。
ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。
真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。
引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。
偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。
ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。
優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。
大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる