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コーラス遺跡都市防略
第50話コーラル防略、終/目的/目覚め
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日は沈み、空に無数の星の影が見える聖トルミア大聖堂円卓。中には椅子に座り鬼狼と話すアインの姿があった。
「おかえりエディ、ジン」
アインは帰還した二騎の執行騎士にそう歓迎の言葉を掛けた。二人はそれを聞くと「いえいえ」と言いながら楕円の席の一つに腰を掛けた。
「予定通り、友軍は喚び出せたかい?」
アインは開口一番にそう尋ねると、ジンが口を開く。
「ええ、予定通り喚ぶ事に成功しました。現在も予定通り北上しているものと思われます。」
アインはその結果を聞くとにんまりと微笑み席を立ち上がり、円卓の間の外につながる大扉へ歩いて行きながら「少し外で話そう。」と言い、ジンとエディ、鬼狼はそれに従い後を追う。
大聖堂の円卓の大扉を抜けると、チャーチベンチが5つほど縦に並び間を開けて2つ列を作っていた。
その景色はまさに教会。
さらに四人はそのチャーチベンチの奥の円卓の大扉よりも1回り小さい大扉を抜け、大聖堂外に出る。
4人目に映ったのは、トルミアの街の夜景。
一般的な木材でできた家やレンガ造りの大きな家、屋台を展開している家___どれもが一つ一つが煌びやかで、華やかで…ライカード王国やミレス帝国では見られない、トルミアの栄華の片鱗を感じとる事のできる街並みだった。
アインはその街並みを見ながら言う。
「…あの鉄の百足は今現在、ミレス帝国の北部の大渓谷に向かうよう、スラーとサイモンに極東からくすねた遺産を使わせて誘導させてる。しばらくは鉄の百足騒動で休戦するはずだよ。」
その"休戦"と言う言葉を聞いたジンがアインへ問う。
「あの2カ国が…とてもそうなるとは思えませんが?」
「あの鉄の百足1匹で、国1つ半は滅ぼせる。休戦しないと、どちらが先に滅ぶかわからない。出現時に少し暴れたし、どの程度の脅威かもよくわかっているだろうしね。」
アインの言葉を聞くと、ジンはそれに頷き納得したようだった。そして、今度はエディがアインへ問う。
「アイン様。一体、何が目的なんですか?」
エディの問いにアインは「フフ」と笑った。
その笑う顔は何処か下品でどこか汚い、悪魔のような顔。
「どこでも、"この夜景"が見れるようにする為。」
アインは、嬉々としてその質問に答えた。
~~~
アメリナ団長は目を覚ます。
まず視界に映ったのは、見知らぬ石造りの天井とアメリナ団長を取り囲むルーキーズとレワイドとラーゴ、アルチンゲール、ジャックの顔だった。全員が無表情で団長の頭を見つめている。
「…走馬灯?」
思わずそう呟いたアメリナ団長。
その呟きに対しデイビッドは不服そうに言う。
「僕たち、ちゃんと現実の生きてる人間ですよ。」
アメリナ団長はその返しに鼻で笑い、「すまない」と謝りながら上体を起こした。すると、アメリナ団長のすぐ右に居るアルチンゲールが、アメリナ団長に水の入ったコップ1杯を渡す。本来、水は兵糧のほか酒と水を混ぜ合わせ酒を極端に薄めることで消毒液にもなるため基本、傷口の消毒など本当に必要な時のみ用いられる程に大切に扱われている。そして、このコップ1杯の水というのは、王国と帝国の戦闘が終了した事をアメリナ団長に知らせるための印となった。
戦闘が終わったことに対し安堵したのかほっと息を吐きながらそれを受け取り飲み干した所で、アルチンゲールは口を開く。
「余り動かない方がいい。深い傷や強い打撲は治しきれていないからね。」
「あぁ…兵団の生き残りは、今どれくらいいる?」
アメリナ団長は、アルチンゲールのその言葉に相槌を打つとデイビッド達にそう問いかけた。
すると一同の顔付きは一変、暗い顔をしながら気まずそうにアメリナ団長から目を背ける。
しばらくの沈黙、それを破ったのはアルチンゲールだった。
「…生き残りは全部で20人弱。戦闘できるのは兵団で君を除いてデイビッド少年、ヨースト少年、ハイミルナン少女、ラーゴ君、レワイド、そして私だけだ。
幸いにも王国の連中は退き執行騎士はあの鉄の百足に巻き込まれた見たいだ。暫くは安心して構わないさ。」
アルチンゲールの言葉。
アメリナはそれを聞いて本当に安心したように一息吐くと、再び口を開く。
「みんな、よく戦った。故郷は、家族は、守られた。
今ただ…少し…休もう___」
「ア、アメリナ団長!」
アメリナ団長はそこまで言うと、系の切れた人形のようにばたりと仰向けに倒れた。
「おかえりエディ、ジン」
アインは帰還した二騎の執行騎士にそう歓迎の言葉を掛けた。二人はそれを聞くと「いえいえ」と言いながら楕円の席の一つに腰を掛けた。
「予定通り、友軍は喚び出せたかい?」
アインは開口一番にそう尋ねると、ジンが口を開く。
「ええ、予定通り喚ぶ事に成功しました。現在も予定通り北上しているものと思われます。」
アインはその結果を聞くとにんまりと微笑み席を立ち上がり、円卓の間の外につながる大扉へ歩いて行きながら「少し外で話そう。」と言い、ジンとエディ、鬼狼はそれに従い後を追う。
大聖堂の円卓の大扉を抜けると、チャーチベンチが5つほど縦に並び間を開けて2つ列を作っていた。
その景色はまさに教会。
さらに四人はそのチャーチベンチの奥の円卓の大扉よりも1回り小さい大扉を抜け、大聖堂外に出る。
4人目に映ったのは、トルミアの街の夜景。
一般的な木材でできた家やレンガ造りの大きな家、屋台を展開している家___どれもが一つ一つが煌びやかで、華やかで…ライカード王国やミレス帝国では見られない、トルミアの栄華の片鱗を感じとる事のできる街並みだった。
アインはその街並みを見ながら言う。
「…あの鉄の百足は今現在、ミレス帝国の北部の大渓谷に向かうよう、スラーとサイモンに極東からくすねた遺産を使わせて誘導させてる。しばらくは鉄の百足騒動で休戦するはずだよ。」
その"休戦"と言う言葉を聞いたジンがアインへ問う。
「あの2カ国が…とてもそうなるとは思えませんが?」
「あの鉄の百足1匹で、国1つ半は滅ぼせる。休戦しないと、どちらが先に滅ぶかわからない。出現時に少し暴れたし、どの程度の脅威かもよくわかっているだろうしね。」
アインの言葉を聞くと、ジンはそれに頷き納得したようだった。そして、今度はエディがアインへ問う。
「アイン様。一体、何が目的なんですか?」
エディの問いにアインは「フフ」と笑った。
その笑う顔は何処か下品でどこか汚い、悪魔のような顔。
「どこでも、"この夜景"が見れるようにする為。」
アインは、嬉々としてその質問に答えた。
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アメリナ団長は目を覚ます。
まず視界に映ったのは、見知らぬ石造りの天井とアメリナ団長を取り囲むルーキーズとレワイドとラーゴ、アルチンゲール、ジャックの顔だった。全員が無表情で団長の頭を見つめている。
「…走馬灯?」
思わずそう呟いたアメリナ団長。
その呟きに対しデイビッドは不服そうに言う。
「僕たち、ちゃんと現実の生きてる人間ですよ。」
アメリナ団長はその返しに鼻で笑い、「すまない」と謝りながら上体を起こした。すると、アメリナ団長のすぐ右に居るアルチンゲールが、アメリナ団長に水の入ったコップ1杯を渡す。本来、水は兵糧のほか酒と水を混ぜ合わせ酒を極端に薄めることで消毒液にもなるため基本、傷口の消毒など本当に必要な時のみ用いられる程に大切に扱われている。そして、このコップ1杯の水というのは、王国と帝国の戦闘が終了した事をアメリナ団長に知らせるための印となった。
戦闘が終わったことに対し安堵したのかほっと息を吐きながらそれを受け取り飲み干した所で、アルチンゲールは口を開く。
「余り動かない方がいい。深い傷や強い打撲は治しきれていないからね。」
「あぁ…兵団の生き残りは、今どれくらいいる?」
アメリナ団長は、アルチンゲールのその言葉に相槌を打つとデイビッド達にそう問いかけた。
すると一同の顔付きは一変、暗い顔をしながら気まずそうにアメリナ団長から目を背ける。
しばらくの沈黙、それを破ったのはアルチンゲールだった。
「…生き残りは全部で20人弱。戦闘できるのは兵団で君を除いてデイビッド少年、ヨースト少年、ハイミルナン少女、ラーゴ君、レワイド、そして私だけだ。
幸いにも王国の連中は退き執行騎士はあの鉄の百足に巻き込まれた見たいだ。暫くは安心して構わないさ。」
アルチンゲールの言葉。
アメリナはそれを聞いて本当に安心したように一息吐くと、再び口を開く。
「みんな、よく戦った。故郷は、家族は、守られた。
今ただ…少し…休もう___」
「ア、アメリナ団長!」
アメリナ団長はそこまで言うと、系の切れた人形のようにばたりと仰向けに倒れた。
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