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第3章 秘密
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「それではぁぁあ! 結果発表といきましょう!」
凛の相談の傍ら料理を作り続けたいたはずだが疲れを全く見せない坊主。
彼が声高らかに宣言した。
俺たちは席に座ったまま、それぞれフリップを持たされる。
「めちゃくちゃ用意いいよな」
「多分演劇サークルのを貸してくれてるんだろ。知らんけど」
確かにフリップなんてテレビ番組でしか見たことがない。
用意が良すぎるな。
「フリップが行き渡ったところで、今回白熱した戦いを繰り広げてくださった選手たちの入場です!」
教場の外で待たされていた四人が続々と入場してくる。
七緒はなんとも言えぬ面倒そうな表情。
加賀美は悔しそうな、半ば諦めているような顔。
紫はポーカーフェイスだが、その瞳には達成感が浮かんでいた。
そして凛は一点の曇りもなく、ただ真っ直ぐ正面を見つめている。
今更だが選手って言ってやるなよ。
「さて皆様」
こちらへ向き直った坊主が手を挙げる。
「再び選手たちを目の前で見て、誰がナンバーワンメイドに相応しいか記憶を思い起こせたかと思います。その名前をフリップにお書きください!」
三人は一斉に各々が一番良いと思ったメイドの名を記入し、ほぼ同じタイミングでペンを置いた。
「御三方書けたようですね。では! 運命の結果発表!」
楽人が唾を飲み込む音が聞こえた。
なんでお前が緊張してるんだ。
「まずは山本様! フリップを表にお願いします!」
蓮はゆっくりと、言われた通りにする。
「――紫様に一票!」
紫は深く息を吸う。
やはり蓮は紫に入れたか。
何がハマったのかはわからないが、その反応は他のメイドを前にした時と大幅に違っていた。
「次に古庵様! フリップを表にお願いします!」
「俺は……」
自分の選択に間違いはないと思う。
俺は堂々とそれを目の前の人々に見せる。
「――――座長に一票!」
一瞬場がどよめく。
しかし、その中で凛だけが凛々しく俺を見つめていた。
「……信じていたぞ、瑠凪」
聞こえなかったが小さく何かを呟いていた。
「さぁ現在は紫様と座長の一票ずつ! 次の一票で勝者が決まるのか、はたまた三人目の票の獲得者が現れるのか! 二階堂様、フリップを表にお願いします!」
全員の視線が楽人に集中する。
彼は1度目閉じて精神統一し、その手を返した。
「――――――紫様! よってメイド合戦優勝は……二票を獲得した紫様です!」
男子陣、七緒、そして凛が拍手をする。
紫は誰が優勝したのか暫し理解していない様子だったが、やがて口を開いた。
「私が……優勝。嬉しい」
彼女の顔は確かに微笑んでいる。
だが、その隣に立つ加賀美は心底悔しそうな、理解が及ばないという表情。
「えーでは最後に、各々の選手たちの良かった点や改善点などお聞かせ願えればと思います。まずはナナ様からですね」
「仕方ないけど俺たちに全く興味なかったからな」
「それに尽きる」
「メイドが客に連絡先を聞くな」
三者三様だが彼女を褒める意見がないのは一致している。
「先輩以外に媚びるなんて考えられませんし、私は最初からこの勝負にら勝てるとは思ってませんでした。……まぁ、目的は達成できたと思いますし」
不敵な笑みのせいで負け惜しみのようには聞こえない。
「次に座長ですね。私としてはとても良かったと思うのですが……」
「確かにめちゃくちゃ良かったんですけど、メイドさんというよりは敏腕上司みたいな気がしちゃって……」
「俺はそういうところが良かったけどな。主人の健康管理を考えてくれるなんてモロメイドさんじゃないか?」
だから俺は凛に投票した。
「よく分かっているな。勝負に負けてしまったのは悔しいが、他でもない瑠凪から票をもらえたのだ。実質勝者と言っても過言ではないだろう」
いや過言だと思う。
一番関わりのある後輩に票をもらえたらまぁ……嬉しいのか?
「次にミカン様ですね。本職とあって行動に迷いが見られませんでしたが、いかがでしたか?」
「正直、私がなんで負けたのかわからないんだけど……」
加賀美は首を傾げている。
流石に七緒と比べならまともな接客だったが、ここは褒めるのではなく真っ直ぐ意見をぶつけるべきだろう。
まずは楽人が口を開いた。
「ミカンちゃんはスポーツの話をした時に露骨に興味ないのがわかっちゃったんだよな。そもそも現実と違う世界を味わいたいのに普段何してるか聞くのもあんまり……って感じだ」
自分から日頃の行動を聞いておいて、興味がないから話を切り上げるというのはなんとも辛いものだしな。
次に蓮が優しく話しだす。
「アイドルにしろメイドさんにしろ、やっぱり清純でいてほしいんだよな。もちろん実生活でもそうあれとは言わないけど、せめて接客中は夢見てたいんだよ。ミカンちゃんがアイドルにハマってるって言うだけでも男だと思っちゃうし、できるだけ隠したほうがいいと思う」
確か「かっこいい」というワードも使っていたはずだ。
こういう部分で敗北感が生まれる場合もある。
そして最後に俺の番だ。
「言いたいことは二人と同じだよ。まとめると、一見すると盛り上がっているように見えるけど、それが表面的だから打ち解けてる感じがしないんだと思う」
「そっ……か……」
一度に三人分の否定意見を聞けば落ち込むだろう。
彼女は浮かない顔をしている。
でも、これは彼女が成長する上では必要なことなはず。
凛の相談の傍ら料理を作り続けたいたはずだが疲れを全く見せない坊主。
彼が声高らかに宣言した。
俺たちは席に座ったまま、それぞれフリップを持たされる。
「めちゃくちゃ用意いいよな」
「多分演劇サークルのを貸してくれてるんだろ。知らんけど」
確かにフリップなんてテレビ番組でしか見たことがない。
用意が良すぎるな。
「フリップが行き渡ったところで、今回白熱した戦いを繰り広げてくださった選手たちの入場です!」
教場の外で待たされていた四人が続々と入場してくる。
七緒はなんとも言えぬ面倒そうな表情。
加賀美は悔しそうな、半ば諦めているような顔。
紫はポーカーフェイスだが、その瞳には達成感が浮かんでいた。
そして凛は一点の曇りもなく、ただ真っ直ぐ正面を見つめている。
今更だが選手って言ってやるなよ。
「さて皆様」
こちらへ向き直った坊主が手を挙げる。
「再び選手たちを目の前で見て、誰がナンバーワンメイドに相応しいか記憶を思い起こせたかと思います。その名前をフリップにお書きください!」
三人は一斉に各々が一番良いと思ったメイドの名を記入し、ほぼ同じタイミングでペンを置いた。
「御三方書けたようですね。では! 運命の結果発表!」
楽人が唾を飲み込む音が聞こえた。
なんでお前が緊張してるんだ。
「まずは山本様! フリップを表にお願いします!」
蓮はゆっくりと、言われた通りにする。
「――紫様に一票!」
紫は深く息を吸う。
やはり蓮は紫に入れたか。
何がハマったのかはわからないが、その反応は他のメイドを前にした時と大幅に違っていた。
「次に古庵様! フリップを表にお願いします!」
「俺は……」
自分の選択に間違いはないと思う。
俺は堂々とそれを目の前の人々に見せる。
「――――座長に一票!」
一瞬場がどよめく。
しかし、その中で凛だけが凛々しく俺を見つめていた。
「……信じていたぞ、瑠凪」
聞こえなかったが小さく何かを呟いていた。
「さぁ現在は紫様と座長の一票ずつ! 次の一票で勝者が決まるのか、はたまた三人目の票の獲得者が現れるのか! 二階堂様、フリップを表にお願いします!」
全員の視線が楽人に集中する。
彼は1度目閉じて精神統一し、その手を返した。
「――――――紫様! よってメイド合戦優勝は……二票を獲得した紫様です!」
男子陣、七緒、そして凛が拍手をする。
紫は誰が優勝したのか暫し理解していない様子だったが、やがて口を開いた。
「私が……優勝。嬉しい」
彼女の顔は確かに微笑んでいる。
だが、その隣に立つ加賀美は心底悔しそうな、理解が及ばないという表情。
「えーでは最後に、各々の選手たちの良かった点や改善点などお聞かせ願えればと思います。まずはナナ様からですね」
「仕方ないけど俺たちに全く興味なかったからな」
「それに尽きる」
「メイドが客に連絡先を聞くな」
三者三様だが彼女を褒める意見がないのは一致している。
「先輩以外に媚びるなんて考えられませんし、私は最初からこの勝負にら勝てるとは思ってませんでした。……まぁ、目的は達成できたと思いますし」
不敵な笑みのせいで負け惜しみのようには聞こえない。
「次に座長ですね。私としてはとても良かったと思うのですが……」
「確かにめちゃくちゃ良かったんですけど、メイドさんというよりは敏腕上司みたいな気がしちゃって……」
「俺はそういうところが良かったけどな。主人の健康管理を考えてくれるなんてモロメイドさんじゃないか?」
だから俺は凛に投票した。
「よく分かっているな。勝負に負けてしまったのは悔しいが、他でもない瑠凪から票をもらえたのだ。実質勝者と言っても過言ではないだろう」
いや過言だと思う。
一番関わりのある後輩に票をもらえたらまぁ……嬉しいのか?
「次にミカン様ですね。本職とあって行動に迷いが見られませんでしたが、いかがでしたか?」
「正直、私がなんで負けたのかわからないんだけど……」
加賀美は首を傾げている。
流石に七緒と比べならまともな接客だったが、ここは褒めるのではなく真っ直ぐ意見をぶつけるべきだろう。
まずは楽人が口を開いた。
「ミカンちゃんはスポーツの話をした時に露骨に興味ないのがわかっちゃったんだよな。そもそも現実と違う世界を味わいたいのに普段何してるか聞くのもあんまり……って感じだ」
自分から日頃の行動を聞いておいて、興味がないから話を切り上げるというのはなんとも辛いものだしな。
次に蓮が優しく話しだす。
「アイドルにしろメイドさんにしろ、やっぱり清純でいてほしいんだよな。もちろん実生活でもそうあれとは言わないけど、せめて接客中は夢見てたいんだよ。ミカンちゃんがアイドルにハマってるって言うだけでも男だと思っちゃうし、できるだけ隠したほうがいいと思う」
確か「かっこいい」というワードも使っていたはずだ。
こういう部分で敗北感が生まれる場合もある。
そして最後に俺の番だ。
「言いたいことは二人と同じだよ。まとめると、一見すると盛り上がっているように見えるけど、それが表面的だから打ち解けてる感じがしないんだと思う」
「そっ……か……」
一度に三人分の否定意見を聞けば落ち込むだろう。
彼女は浮かない顔をしている。
でも、これは彼女が成長する上では必要なことなはず。
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