42 / 76
爺さんの圧が強すぎる2
十往復の地獄を終え、地面に突っ伏して荒い息を吐いている俺に、ローヴァンさんは容赦なかった。
「坊主、立て」
「……もう立ってます……心は……」
「口を動かす元気があるなら十分だ」
腕を引っ張られて無理やり起こされ、今度は広場のベンチへ座らされる。
「……次は剣術ですか?」
剣で名を馳せた人物に剣術の指導をしてもらえるなら、それは貴重な経験になる。
今更ランクが上がるほど強くなれるとは思っていないが、生存率が上がるならアリ……だと思っていたんだが。
「いや」
即答。
「座ってろ。そのまま、人を見ろ」
「人を見る……ですか」
剣でも筋トレでもなく、ただ「人を見ろ」と言われる。
広場のベンチから見える風景。
昼下がりの街は、思っている以上に賑わっている。
石畳の道を、荷車を引く商人がゴロゴロと通り抜けた。車輪が跳ねるたび、山盛りの果物や布地が揺れる。
向かいの露店では、焼き串を売る香ばしい匂いが風に乗って漂い、子どもたちが小銭を握りしめて並んでいる。
大人たちは買い物袋を抱えて行き交い、井戸端では主婦らしき人たちが世間話に花を咲かせていた。
犬を散歩させる者もいれば、冒険者らしき若者が武具を携えて仲間と笑い合っている。
笑い声、荷車の軋む音、行商人の呼び込み、遠くから響く楽師の笛。
俺がぼんやりと眺めている間にも、街は絶え間なく動き続けていた。
確かに「人を見る」と言われれば、題材には困らないほどだ。だが――。
「……これが修行なんですか?」
「お前さん、戦場じゃ剣を振るう前に『読む』ことができるかどうかで、生き残れるかが決まるんだ」
「読む……予想ですか」
「そうだ。人は必ず動く前に予兆を見せる。呼吸、目線、手足の角度。敵も味方もな」
ローヴァンさんが顎をしゃくる。
「ほら、あの商人を見ろ」
街角で果物を並べている中年の男。
「あ、良い色のリンゴですね。後で買って帰ろうかな」
「何を落とす?」
「……落とす?」
唐突な質問に混乱していると、男の手から――ボトリと真っ赤なリンゴが落ちた。
「……落ちた」
「わかりやすいだろ。焦っているのか、腕に力が入りすぎてんだ。ああいうのは必ず指先が緩む」
唖然とする俺を横目に、ローヴァンさんは続ける。
「次はあの子供。この後、どうなる?」
「……ただ走ってるだけじゃ――」
子供が石に足を引っかけて盛大に転んだ。
「……マジか」
「戦う手段は剣じゃなくてもいい。魔法でもいい。だが、人を見る目は誰にだって必要だ。お前さんは特に、な」
「特にって……どういう意味ですか?」
「お前さん、剣の腕はそこそこ止まり。魔力はからっきし。体格は……まぁ、華奢だな」
全部刺さってます。
「だが、頭が回る。だからこそ、『読む』力を磨けるはずだ。力や速さで勝てなくても――先に動きを読む奴は、勝ちを拾える」
そう言ってローヴァンさんは、酒で焼けたような声で笑った。
ただ豪快に見える笑いじゃない。何十年も死線をくぐってきた者が吐く重みがある。
「……読む力が、勝ちを拾う」
俺が繰り返すと、ローヴァンさんは満足げにうなずいた。
「そうだ。俺が初めて龍を斬った時もそうだった。正面から挑んだら死んでた。奴が吐く息、翼を広げる角度……全てを先に読んだから、首を落とせたんだ」
サラリと「龍殺し」エピソードを差し込んでくる。
っていうか、初めてってなんだよ。
普通の冒険者は、一回龍を倒しただけでも死ぬまで自慢するぞ。
「坊主、いいか。強い奴ほど隙は小さい。だが、隙がゼロの奴なんざいねぇ。読むんだ。人を、魔物を……仲間もな」
「仲間も……ですか?」
「当たり前だろ。お前さん、もっと考えないといつか……刺されることになるぜ?」
その言葉に、背中を冷たいものが這い上がる。
剣で、じゃない。暗にそう告げる彼の目は、戦場を見据える時の鋭さに似ているが――ほんの少しだけ、茶化すような色も混じっていた。
「……刺されるって、そういうことですよね」
恐る恐る問い返すと、ローヴァンさんは薄く笑った。
「決まってんだろ。魔物も敵だが……女はもっと恐ろしい」
胃がぎゅるっと縮む。
脳裏にセレスの豪奢な笑みと暴走劇がよぎり、イーリスの真っ直ぐな眼差しが蘇り、リゼットの静かな圧力が背中を押し、セラの甘え声が耳元をくすぐる。
「強ぇ剣も魔法も防げる。剣神の太刀だって、躱すことはできる。だが……感情の刃は避けにくい。受ける覚悟がねぇなら、せいぜい目を鍛えとけ」
ローヴァンさんは再びベンチに深く腰掛け、懐から酒を取り出した。
「……頑張ります」
「おう。それじゃあ――もう一人、当ててみろ」
彼が顎でしゃくったのは、道を歩いている若い女性だった。
買い物袋を両手に提げ、石畳を歩いている。
なるほど、足元が危なっかしい。
「……わかりました!」
俺は身を乗り出し、自信満々に答える。
「彼女は、この後――石に足を引っかけて、転びます!」
ローヴァンさんは何も言わず、酒を口に含んだまま俺を見ている。
よし、ここで格好よく助けに入れば及第点が貰えるだろう。
俺はダッシュで女性の方へ向かい――。
「危ないッ!」
声を張り上げ、両手を伸ばして飛び込む。
だが、女性は転ばなかった。
軽やかに、優雅に前へと進む。
……その結果、俺は女性に抱きつくような格好になってしまった。
「きゃっ!? な、なにするんですか、この変態っ!」
振り抜かれた買い物袋が顔面にクリーンヒット。
袋の中から飛び出した大根が、追撃と言わんばかりに額に直撃した。
「ぐふっ……!」
涙目になって転がる俺の上に、ローヴァンさんの低い声が落ちる。
「……坊主。読むのは大事だが、自分の後先も考えるんだな」
ベンチで肩を震わせながら笑う老人。
彼に認められる日は遠そうだ。
「坊主、立て」
「……もう立ってます……心は……」
「口を動かす元気があるなら十分だ」
腕を引っ張られて無理やり起こされ、今度は広場のベンチへ座らされる。
「……次は剣術ですか?」
剣で名を馳せた人物に剣術の指導をしてもらえるなら、それは貴重な経験になる。
今更ランクが上がるほど強くなれるとは思っていないが、生存率が上がるならアリ……だと思っていたんだが。
「いや」
即答。
「座ってろ。そのまま、人を見ろ」
「人を見る……ですか」
剣でも筋トレでもなく、ただ「人を見ろ」と言われる。
広場のベンチから見える風景。
昼下がりの街は、思っている以上に賑わっている。
石畳の道を、荷車を引く商人がゴロゴロと通り抜けた。車輪が跳ねるたび、山盛りの果物や布地が揺れる。
向かいの露店では、焼き串を売る香ばしい匂いが風に乗って漂い、子どもたちが小銭を握りしめて並んでいる。
大人たちは買い物袋を抱えて行き交い、井戸端では主婦らしき人たちが世間話に花を咲かせていた。
犬を散歩させる者もいれば、冒険者らしき若者が武具を携えて仲間と笑い合っている。
笑い声、荷車の軋む音、行商人の呼び込み、遠くから響く楽師の笛。
俺がぼんやりと眺めている間にも、街は絶え間なく動き続けていた。
確かに「人を見る」と言われれば、題材には困らないほどだ。だが――。
「……これが修行なんですか?」
「お前さん、戦場じゃ剣を振るう前に『読む』ことができるかどうかで、生き残れるかが決まるんだ」
「読む……予想ですか」
「そうだ。人は必ず動く前に予兆を見せる。呼吸、目線、手足の角度。敵も味方もな」
ローヴァンさんが顎をしゃくる。
「ほら、あの商人を見ろ」
街角で果物を並べている中年の男。
「あ、良い色のリンゴですね。後で買って帰ろうかな」
「何を落とす?」
「……落とす?」
唐突な質問に混乱していると、男の手から――ボトリと真っ赤なリンゴが落ちた。
「……落ちた」
「わかりやすいだろ。焦っているのか、腕に力が入りすぎてんだ。ああいうのは必ず指先が緩む」
唖然とする俺を横目に、ローヴァンさんは続ける。
「次はあの子供。この後、どうなる?」
「……ただ走ってるだけじゃ――」
子供が石に足を引っかけて盛大に転んだ。
「……マジか」
「戦う手段は剣じゃなくてもいい。魔法でもいい。だが、人を見る目は誰にだって必要だ。お前さんは特に、な」
「特にって……どういう意味ですか?」
「お前さん、剣の腕はそこそこ止まり。魔力はからっきし。体格は……まぁ、華奢だな」
全部刺さってます。
「だが、頭が回る。だからこそ、『読む』力を磨けるはずだ。力や速さで勝てなくても――先に動きを読む奴は、勝ちを拾える」
そう言ってローヴァンさんは、酒で焼けたような声で笑った。
ただ豪快に見える笑いじゃない。何十年も死線をくぐってきた者が吐く重みがある。
「……読む力が、勝ちを拾う」
俺が繰り返すと、ローヴァンさんは満足げにうなずいた。
「そうだ。俺が初めて龍を斬った時もそうだった。正面から挑んだら死んでた。奴が吐く息、翼を広げる角度……全てを先に読んだから、首を落とせたんだ」
サラリと「龍殺し」エピソードを差し込んでくる。
っていうか、初めてってなんだよ。
普通の冒険者は、一回龍を倒しただけでも死ぬまで自慢するぞ。
「坊主、いいか。強い奴ほど隙は小さい。だが、隙がゼロの奴なんざいねぇ。読むんだ。人を、魔物を……仲間もな」
「仲間も……ですか?」
「当たり前だろ。お前さん、もっと考えないといつか……刺されることになるぜ?」
その言葉に、背中を冷たいものが這い上がる。
剣で、じゃない。暗にそう告げる彼の目は、戦場を見据える時の鋭さに似ているが――ほんの少しだけ、茶化すような色も混じっていた。
「……刺されるって、そういうことですよね」
恐る恐る問い返すと、ローヴァンさんは薄く笑った。
「決まってんだろ。魔物も敵だが……女はもっと恐ろしい」
胃がぎゅるっと縮む。
脳裏にセレスの豪奢な笑みと暴走劇がよぎり、イーリスの真っ直ぐな眼差しが蘇り、リゼットの静かな圧力が背中を押し、セラの甘え声が耳元をくすぐる。
「強ぇ剣も魔法も防げる。剣神の太刀だって、躱すことはできる。だが……感情の刃は避けにくい。受ける覚悟がねぇなら、せいぜい目を鍛えとけ」
ローヴァンさんは再びベンチに深く腰掛け、懐から酒を取り出した。
「……頑張ります」
「おう。それじゃあ――もう一人、当ててみろ」
彼が顎でしゃくったのは、道を歩いている若い女性だった。
買い物袋を両手に提げ、石畳を歩いている。
なるほど、足元が危なっかしい。
「……わかりました!」
俺は身を乗り出し、自信満々に答える。
「彼女は、この後――石に足を引っかけて、転びます!」
ローヴァンさんは何も言わず、酒を口に含んだまま俺を見ている。
よし、ここで格好よく助けに入れば及第点が貰えるだろう。
俺はダッシュで女性の方へ向かい――。
「危ないッ!」
声を張り上げ、両手を伸ばして飛び込む。
だが、女性は転ばなかった。
軽やかに、優雅に前へと進む。
……その結果、俺は女性に抱きつくような格好になってしまった。
「きゃっ!? な、なにするんですか、この変態っ!」
振り抜かれた買い物袋が顔面にクリーンヒット。
袋の中から飛び出した大根が、追撃と言わんばかりに額に直撃した。
「ぐふっ……!」
涙目になって転がる俺の上に、ローヴァンさんの低い声が落ちる。
「……坊主。読むのは大事だが、自分の後先も考えるんだな」
ベンチで肩を震わせながら笑う老人。
彼に認められる日は遠そうだ。
あなたにおすすめの小説
距離を置きたい女子たちを助けてしまった結果、正体バレして迫られる
歩く魚
恋愛
かつて、命を懸けて誰かを助けた日があった。
だがその記憶は、頭を打った衝撃とともに、綺麗さっぱり失われていた。
それは気にしてない。俺は深入りする気はない。
人間は好きだ。けれど、近づきすぎると嫌いになる。
だがそんな俺に、思いもよらぬ刺客が現れる。
――あの日、俺が助けたのは、できれば関わりたくなかった――距離を置きたい女子たちだったらしい。
異世界帰りのハーレム王
ぬんまる兄貴
ファンタジー
俺、飯田雷丸。どこにでもいる普通の高校生……だったはずが、気づいたら異世界に召喚されて魔王を倒してた。すごいだろ?いや、自分でもびっくりしてる。異世界で魔王討伐なんて人生のピークじゃねぇか?でも、そのピークのまま現実世界に帰ってきたわけだ。
で、戻ってきたら、日常生活が平和に戻ると思うだろ?甘かったねぇ。何か知らんけど、妖怪とか悪魔とか幽霊とか、そんなのが普通に見えるようになっちまったんだよ!なんだこれ、チート能力の延長線上か?それとも人生ハードモードのお知らせか?
異世界で魔王を倒した俺が、今度は地球で恋と戦いとボールを転がす!最高にアツいハーレムバトル、開幕!
異世界帰りのハーレム王
朝7:00/夜21:00に各サイトで毎日更新中!
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
勇者パーティーにダンジョンで生贄にされました。これで上位神から押し付けられた、勇者の育成支援から解放される。
克全
ファンタジー
エドゥアルには大嫌いな役目、神与スキル『勇者の育成者』があった。力だけあって知能が低い下級神が、勇者にふさわしくない者に『勇者』スキルを与えてしまったせいで、上級神から与えられてしまったのだ。前世の知識と、それを利用して鍛えた絶大な魔力のあるエドゥアルだったが、神与スキル『勇者の育成者』には逆らえず、嫌々勇者を教育していた。だが、勇者ガブリエルは上級神の想像を絶する愚者だった。事もあろうに、エドゥアルを含む300人もの人間を生贄にして、ダンジョンの階層主を斃そうとした。流石にこのような下劣な行いをしては『勇者』スキルは消滅してしまう。対象となった勇者がいなくなれば『勇者の育成者』スキルも消滅する。自由を手に入れたエドゥアルは好き勝手に生きることにしたのだった。
軽い気持ちで国民的アイドルと友達になったら、周りの美少女達から激重感情をぶつけられる件――え!? トップアイドルの君まで!?
沢田美
恋愛
クラスの隅で一人静かに過ごしていた沢渡の高校生活は、転校してきた国民的トップアイドル・白須賀沙也加に「私と友達になろっか」と声をかけられたことで一変する。
住む世界の違うはずの彼女は、なぜか沢渡にだけ無防備に距離を詰め、教室でも屋上でも当たり前のように隣にいるようになった。
そんな沢渡と白須賀の関係をきっかけに、今度はクラスでも一目置かれる静かな美少女・天雨美鈴も沢渡へ近づいてくる。最初は白須賀と話すためだったはずなのに、ある出来事を境に、彼女の視線は少しずつ沢渡本人へ向き始め――。
「優しいよね」
その何気ない一言は、いつしか好意に変わっていく。
軽い気持ちでトップアイドルと友達になっただけのはずだった。
なのに気づけば、才色兼備な美少女たちの感情は“友達”では済まないほど重くなっていて……?
トップアイドル×静かな正統派美少女×ぼっちな男子高校生。
“たった一つの優しさ”から始まる、激重感情ラブコメ。
男:女=1:10000の世界に来た記憶が無いけど生きる俺
マオセン
ファンタジー
突然公園で目覚めた青年「優心」は身辺状況の記憶をすべて忘れていた。分かるのは自分の名前と剣道の経験、常識くらいだった。
その公園を通りすがった「七瀬 椿」に話しかけてからこの物語は幕を開ける。
彼は何も記憶が無い状態で男女比が圧倒的な世界を生き抜けることができるのか。
そして....彼の身体は大丈夫なのか!?
『スローライフどこ行った?!』追放された最強凡人は望まぬハーレムに困惑する?!
たらふくごん
ファンタジー
最強の凡人――追放され、転生した蘇我頼人。
新たな世界で、彼は『ライト・ガルデス』として再び生を受ける。
※※※※※
1億年の試練。
そして、神をもしのぐ力。
それでも俺の望みは――ただのスローライフだった。
すべての試練を終え、創世神にすら認められた俺。
だが、もはや生きることに飽きていた。
『違う選択肢もあるぞ?』
創世神の言葉に乗り気でなかった俺は、
その“策略”にまんまと引っかかる。
――『神しか飲めぬ最高級のお茶』。
確かに神は嘘をついていない。
けれど、あの流れは勘違いするだろうがっ!!
そして俺は、あまりにも非道な仕打ちの末、
神の娘ティアリーナが治める世界へと“追放転生”させられた。
記憶を失い、『ライト・ガルデス』として迎えた新しい日々。
それは、久しく感じたことのない“安心”と“愛”に満ちていた。
だが――5歳の洗礼の儀式を境に、運命は動き出す。
くどいようだが、俺の望みはスローライフ。
……のはずだったのに。
呪いのような“女難の相”が炸裂し、
気づけば婚約者たちに囲まれる毎日。
どうしてこうなった!?