悪役王子だるまにされてエロBL世界を生き抜いていく

爺誤

文字の大きさ
12 / 62

悪役王子だるまにされて世界に復讐するターンが回ってくる? 1

しおりを挟む
「……テンタクー、おまえおれが死んだらどうなるの? もとの世界に帰るのか?」

 答えはない。触手は話さないし、エロのことしか考えてなさそうな生き物だ。おれに魔力があれば自由自在に動かせて便利だったかもしれないが、ないものはない。
 シャイオのマントの上に横たえられて、触手におれを殺すことができるのか考えていた。できれば苦しみたくない。継承権は高度な魔法契約だから、高位貴族住人以上の合意がないと剥奪することができない。本当なら四肢切除の上生涯幽閉が決定した時点でやっておかなくてはならない手続きだった。
 あの時にやらなかったせいで、おれが死ぬまで継承権が生きてしまう。

 優秀な兄が死んだことで、おれを傀儡に仕立てたい奴らが動き出しただろう。おれは馬鹿で今はだるまだ。誰かが世話をしてくれなければ生きていられない。ちょろいと思われているだろう……。
 実際、人間扱いしてもらえるなら……王太子として祭り上げられてもいいと思ってします。
 だけどおれに厳しいのこの世界がそんな生ぬるい状況を与えてくれるとは思えない。

「逃げずに殺されていたら楽だったかもしれないなぁ……」

 シャイオもおれが死んでしまえばさすがに諦めるだろう。初めてゲットしたオナホがなくなるのは悲しいだろうが、すぐに忘れる。あいつはおれ自身に興味があるわけじゃなくて、自分好みの穴を気に入っているだけだ。拒まない穴……正確には手足がないから拒めないだけなんだけど。そういう機微に絶望的に疎いあいつには理解できないだろう。

「殿下……?」

 入口に人影があり、聞きなれない声が聞こえた。シャイオじゃない。
 今の今まで死んだほうが楽だと思っていたけれど、実際に人間が来ると恐ろしい。声も出ないでじっと固まっていると、魔法で家の中を照らされた。抜けた床をよけた地面に転がるおれを見つけられてしまう。
 近衛ではない騎士の姿をした若い男だった。紋章はヨゥクォーリ公爵家のものだ。

「ああ、ドゥルマ殿下、お助けに上がりました。シャイオは捕らえてあります。もう大丈夫です」
「え……シャイオを? 彼は悪くない。おれのところに暗殺者が来たから連れて逃げてくれたんだ」
「そう言われていたのですね。それはシャイオの方便です。ドゥルマ殿下を自分のものにするために逃げたのですよ」

 うーん、それはありそうだ。でもおれ、王太子になんてなりたくないし、おれのせいでシャイオが死ぬのもちょっと嫌だ。嫌だったけど、この一年ほどシャイオだけが俺の面倒を見てくれていたわけだし……。

「四肢を切断されたおれを癒したのはシャイオだ。それから今まで世話をしていたのも。その働きには報いたい」
「かしこまりました。殿下の恩情で無罪とまではいきませんが、魔法の力を封じて放免といたしましょう」

 久しぶりに人間扱いされたようで感激してしまった。ここでチョロそうな様子を見せたら、負けな気がして頑張ってきりっとして見せた。

「では殿下、失礼いたします」

 慇懃な態度だったが、おれを担ぎあげる態度はまるで穀物袋を担ぐような雑な感じだった。触手は完全に引っ込んでいるからばれていないはずだが、恭しさはない。
 連れていかれた先は王宮ではなくヨウクォーリ公爵邸だった。予想通りだが、流れに身を任せるしかない。文字通りおれには手も足も出ないからだ。触手は最終兵器にしておく。シャイオがいない今、触手を出したら精液供給が足りなくなる。
しおりを挟む
感想 12

あなたにおすすめの小説

妹を救うためにヒロインを口説いたら、王子に求愛されました。

藤原遊
BL
乙女ゲームの悪役令息に転生したアラン。 妹リリィが「悪役令嬢として断罪される」未来を変えるため、 彼は決意する――ヒロインを先に口説けば、妹は破滅しない、と。 だがその“奇行”を見ていた王太子シリウスが、 なぜかアラン本人に興味を持ち始める。 「君は、なぜそこまで必死なんだ?」 「妹のためです!」 ……噛み合わないはずの会話が、少しずつ心を動かしていく。 妹は完璧令嬢、でも内心は隠れ腐女子。 ヒロインは巻き込まれて腐女子覚醒。 そして王子と悪役令息は、誰も知らない“仮面の恋”へ――。 断罪回避から始まる勘違い転生BL×宮廷ラブストーリー。 誰も不幸にならない、偽りと真実のハッピーエンド。

【WEB版】監視が厳しすぎた嫁入り生活から解放されました~冷徹無慈悲と呼ばれた隻眼の伯爵様と呪いの首輪~【BL・オメガバース】

古森きり
BL
【書籍化決定しました!】 詳細が決まりましたら改めてお知らせにあがります! たくさんの閲覧、お気に入り、しおり、感想ありがとうございました! アルファポリス様の規約に従い発売日にURL登録に変更、こちらは引き下げ削除させていただきます。 政略結婚で嫁いだ先は、女狂いの伯爵家。 男のΩである僕には一切興味を示さず、しかし不貞をさせまいと常に監視される生活。 自分ではどうすることもできない生活に疲れ果てて諦めた時、夫の不正が暴かれて失脚した。 行く当てがなくなった僕を保護してくれたのは、元夫が口を開けば罵っていた政敵ヘルムート・カウフマン。 冷徹無慈悲と呼び声高い彼だが、共に食事を摂ってくれたりやりたいことを応援してくれたり、決して冷たいだけの人ではなさそうで――。 カクヨムに書き溜め。 小説家になろう、アルファポリス、BLoveにそのうち掲載します。

【完結】気が付いたらマッチョなblゲーの主人公になっていた件

白井のわ
BL
雄っぱいが大好きな俺は、気が付いたら大好きなblゲーの主人公になっていた。 最初から好感度MAXのマッチョな攻略対象達に迫られて正直心臓がもちそうもない。 いつも俺を第一に考えてくれる幼なじみ、優しいイケオジの先生、憧れの先輩、皆とのイチャイチャハーレムエンドを目指す俺の学園生活が今始まる。

悪役令息物語~呪われた悪役令息は、追放先でスパダリたちに愛欲を注がれる~

トモモト ヨシユキ
BL
魔法を使い魔力が少なくなると発情しちゃう呪いをかけられた僕は、聖者を誘惑した罪で婚約破棄されたうえ辺境へ追放される。 しかし、もと婚約者である王女の企みによって山賊に襲われる。 貞操の危機を救ってくれたのは、若き辺境伯だった。 虚弱体質の呪われた深窓の令息をめぐり対立する聖者と辺境伯。 そこに呪いをかけた邪神も加わり恋の鞘当てが繰り広げられる? エブリスタにも掲載しています。

【完結】最強公爵様に拾われた孤児、俺

福の島
BL
ゴリゴリに前世の記憶がある少年シオンは戸惑う。 目の前にいる男が、この世界最強の公爵様であり、ましてやシオンを養子にしたいとまで言ったのだから。 でも…まぁ…いっか…ご飯美味しいし、風呂は暖かい… ……あれ…? …やばい…俺めちゃくちゃ公爵様が好きだ… 前置きが長いですがすぐくっつくのでシリアスのシの字もありません。 1万2000字前後です。 攻めのキャラがブレるし若干変態です。 無表情系クール最強公爵様×のんき転生主人公(無自覚美形) おまけ完結済み

悪役神官の俺が騎士団長に囚われるまで

二三@冷酷公爵発売中
BL
国教会の主教であるイヴォンは、ここが前世のBLゲームの世界だと気づいた。ゲームの内容は、浄化の力を持つ主人公が騎士団と共に国を旅し、魔物討伐をしながら攻略対象者と愛を深めていくというもの。自分は悪役神官であり、主人公が誰とも結ばれないノーマルルートを辿る場合に限り、破滅の道を逃れられる。そのためイヴォンは旅に同行し、主人公の恋路の邪魔を画策をする。以前からイヴォンを嫌っている団長も攻略対象者であり、気が進まないものの団長とも関わっていくうちに…。

【本編完結】転生先で断罪された僕は冷酷な騎士団長に囚われる

ゆうきぼし/優輝星
BL
断罪された直後に前世の記憶がよみがえった主人公が、世界を無双するお話。 ・冤罪で断罪された元侯爵子息のルーン・ヴァルトゼーレは、処刑直前に、前世が日本のゲームプログラマーだった相沢唯人(あいざわゆいと)だったことを思い出す。ルーンは魔力を持たない「ノンコード」として家族や貴族社会から虐げられてきた。実は彼の魔力は覚醒前の「コードゼロ」で、世界を書き換えるほどの潜在能力を持つが、転生前の記憶が封印されていたため発現してなかったのだ。 ・間一髪のところで魔力を発動させ騎士団長に救い出される。実は騎士団長は呪われた第三王子だった。ルーンは冤罪を晴らし、騎士団長の呪いを解くために奮闘することを決める。 ・惹かれあう二人。互いの魔力の相性が良いことがわかり、抱き合う事で魔力が循環し活性化されることがわかるが……。

【本編完結】最強魔導騎士は、騎士団長に頭を撫でて欲しい【番外編あり】

ゆらり
BL
 帝国の侵略から国境を守る、レゲムアーク皇国第一魔導騎士団の駐屯地に派遣された、新人の魔導騎士ネウクレア。  着任当日に勃発した砲撃防衛戦で、彼は敵の砲撃部隊を単独で壊滅に追いやった。  凄まじい能力を持つ彼を部下として迎え入れた騎士団長セディウスは、研究機関育ちであるネウクレアの独特な言動に戸惑いながらも、全身鎧の下に隠された……どこか歪ではあるが、純粋無垢であどけない姿に触れたことで、彼に対して強い庇護欲を抱いてしまう。  撫でて、抱きしめて、甘やかしたい。  帝国との全面戦争が迫るなか、ネウクレアへの深い想いと、皇国の守護者たる騎士としての責務の間で、セディウスは葛藤する。  独身なのに父性強めな騎士団長×不憫な生い立ちで情緒薄めな甘えたがり魔導騎士+仲が良すぎる副官コンビ。  甘いだけじゃない、骨太文体でお送りする軍記物BL小説です。番外は日常エピソード中心。ややダーク・ファンタジー寄り。  ※ぼかしなし、本当の意味で全年齢向け。 ★お気に入りやいいね、エールをありがとうございます! お気に召しましたらぜひポチリとお願いします。凄く励みになります!

処理中です...