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悪役王子だるまにされて世界に復讐するターンが回ってくる? 2
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到着したとたん、ごろんと床に転がされて自分の運命を察した。やっぱりハードモード。
「これはこれはドゥルマ殿下、遠いところお越しくださりありがとうございます」
「…………」
「いま殿下のための居室を整えさせていただいておりますので、お待ちください」
なんだろうこの茶番。あまりに白々しくてどう反応していいかわからない。シャイオはオナホ扱いはしたけれど、ベッドには置いておいてくれていた。床は絨毯が敷かれているから痛くはないが、なんだかなぁという気分だ。
怒るべきなのか、泣くべきなのか。どちらの感情もわかないから目を閉じて寝ることにした。担がれているだけでも疲れる。
おれが何も言わなくてもヨゥクォーリ公爵は何か話し続けているが、形式みたいなものだろう。王子を歓待したという形を取って、あとは洗脳でもするのかもしれない。
公爵自身も召使もおれに近づこうとしないから、だるまが気持ち悪いのか輪姦されていたから汚いと思っているのか、両方かもしれない。犯されるよりは触られないぐらいのほうがいい。
実に久しぶりの安眠になった。
身体が痛くて目覚めると、寝たときのままの場所だった。身体の周囲に毛布が寄せてあるからいちおう気遣ってくれたようだ。寝返りもまともに打てないから、意味はないけどな。どれだけ触りたくないんだ。こんな雑な対応でおれをどうしたいんだか。
「お目覚めですか」
「…………」
「お疲れのようでしたので勝手に触れてはならぬと判断しましたが、寝台にお連れしてもよろしいでしょうか」
そういえば王族は結構立場が強い設定だった。だからといって床に下ろしてそのまま放置が合っているとは思えないが。
声を出すのも億劫になって頷くと、声をかけてきた侍従がおれを毛布でくるんでそっと持ち上げた。担がれていない!! 頑なにおれの顔を見ようとせずまっすぐに前を向いている。この世界の人間はモブでもイケメンだ。ゲームの世界だから、何かしらエフェクトを背負っているかいないかぐらいの違いしかない。
ちなみにおれは確か、どよんとした薄暗いエフェクトを背負っていた。当て馬だし悪役だからな。もっとすごい悪い奴がいたはずだが、そいつは裏ルートの相手だから黒薔薇みたいなエフェクトだったはずだ。……思い出してみればみるほど、おれはなにもかも中途半端だ。
まてよ、ヨゥクォーリ公爵といえば悪の親玉だったはずだ。全ルートクリアした後に現れる裏ルートの攻略対象がヨゥクォーリ公爵の嫡男イリアス。もしかして出てくるのか。おれはイリアスルートまでたどり着かなかったから、そういうルートがあるという程度にしかわからない。どんなやつだっけ。
ふかふかのベッドに転がってやることもないからゲームについて考えていると、ドアがノックされた。
返事を待たずにドアが開いて、いま考えていたイリアスが入ってきた。悪そうな空気出てる!
「イリアス……」
「ドゥルーマ。頭もおかしくなったと聞いていたが、俺の名ぐらいは覚えているのか」
「…………」
そうだった、こいつとは従兄弟同士で昔から馬鹿にされていた。性格はねじ曲がり切っている。だるまにされたおれを見ても鼻で笑うだけだろう。頭がおかしくなったふりをしておこう。面倒だから。
答えないおれに腹を立てたようで、ごろんとベッドの上を転がされてうつ伏せにされた。寝返り打たせてもらえるのは助かるんだが、様子がおかしい。やけに近いぞ。吐息を項に感じて、まさかと思う。
まさかここでエロBL展開とか?
「檻の中で罪人たちに犯されるお前は美しかった」
後ろから覆いかぶさるようになったイリアスに、耳元で囁かれて冷汗が出た。服を着たままの尻に硬いものが当たる。何で勃起してるんだよぉ!
メイドの女の子も可愛かった。イリアスには婚約者もいたはずだ。外見だって王家筋らしい特徴を持ったま、ちょい悪なイケメンで社交界でも遊び放題選び放題。おれに手を出す理由なんてないだろう。
「っいや、だ」
「はっ、やはり理解しているんだな。お前が王太子だなんて笑わせる。……俺の虜にしてやるよ」
ひいいいい。もう勘弁してくれ!
「これはこれはドゥルマ殿下、遠いところお越しくださりありがとうございます」
「…………」
「いま殿下のための居室を整えさせていただいておりますので、お待ちください」
なんだろうこの茶番。あまりに白々しくてどう反応していいかわからない。シャイオはオナホ扱いはしたけれど、ベッドには置いておいてくれていた。床は絨毯が敷かれているから痛くはないが、なんだかなぁという気分だ。
怒るべきなのか、泣くべきなのか。どちらの感情もわかないから目を閉じて寝ることにした。担がれているだけでも疲れる。
おれが何も言わなくてもヨゥクォーリ公爵は何か話し続けているが、形式みたいなものだろう。王子を歓待したという形を取って、あとは洗脳でもするのかもしれない。
公爵自身も召使もおれに近づこうとしないから、だるまが気持ち悪いのか輪姦されていたから汚いと思っているのか、両方かもしれない。犯されるよりは触られないぐらいのほうがいい。
実に久しぶりの安眠になった。
身体が痛くて目覚めると、寝たときのままの場所だった。身体の周囲に毛布が寄せてあるからいちおう気遣ってくれたようだ。寝返りもまともに打てないから、意味はないけどな。どれだけ触りたくないんだ。こんな雑な対応でおれをどうしたいんだか。
「お目覚めですか」
「…………」
「お疲れのようでしたので勝手に触れてはならぬと判断しましたが、寝台にお連れしてもよろしいでしょうか」
そういえば王族は結構立場が強い設定だった。だからといって床に下ろしてそのまま放置が合っているとは思えないが。
声を出すのも億劫になって頷くと、声をかけてきた侍従がおれを毛布でくるんでそっと持ち上げた。担がれていない!! 頑なにおれの顔を見ようとせずまっすぐに前を向いている。この世界の人間はモブでもイケメンだ。ゲームの世界だから、何かしらエフェクトを背負っているかいないかぐらいの違いしかない。
ちなみにおれは確か、どよんとした薄暗いエフェクトを背負っていた。当て馬だし悪役だからな。もっとすごい悪い奴がいたはずだが、そいつは裏ルートの相手だから黒薔薇みたいなエフェクトだったはずだ。……思い出してみればみるほど、おれはなにもかも中途半端だ。
まてよ、ヨゥクォーリ公爵といえば悪の親玉だったはずだ。全ルートクリアした後に現れる裏ルートの攻略対象がヨゥクォーリ公爵の嫡男イリアス。もしかして出てくるのか。おれはイリアスルートまでたどり着かなかったから、そういうルートがあるという程度にしかわからない。どんなやつだっけ。
ふかふかのベッドに転がってやることもないからゲームについて考えていると、ドアがノックされた。
返事を待たずにドアが開いて、いま考えていたイリアスが入ってきた。悪そうな空気出てる!
「イリアス……」
「ドゥルーマ。頭もおかしくなったと聞いていたが、俺の名ぐらいは覚えているのか」
「…………」
そうだった、こいつとは従兄弟同士で昔から馬鹿にされていた。性格はねじ曲がり切っている。だるまにされたおれを見ても鼻で笑うだけだろう。頭がおかしくなったふりをしておこう。面倒だから。
答えないおれに腹を立てたようで、ごろんとベッドの上を転がされてうつ伏せにされた。寝返り打たせてもらえるのは助かるんだが、様子がおかしい。やけに近いぞ。吐息を項に感じて、まさかと思う。
まさかここでエロBL展開とか?
「檻の中で罪人たちに犯されるお前は美しかった」
後ろから覆いかぶさるようになったイリアスに、耳元で囁かれて冷汗が出た。服を着たままの尻に硬いものが当たる。何で勃起してるんだよぉ!
メイドの女の子も可愛かった。イリアスには婚約者もいたはずだ。外見だって王家筋らしい特徴を持ったま、ちょい悪なイケメンで社交界でも遊び放題選び放題。おれに手を出す理由なんてないだろう。
「っいや、だ」
「はっ、やはり理解しているんだな。お前が王太子だなんて笑わせる。……俺の虜にしてやるよ」
ひいいいい。もう勘弁してくれ!
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